朝から一日雨の予報で肌寒い日でした。夕食時に熱燗をやりながら鍋でも楽しもうと思い、近所のスーパーへ。いつもなら房総酒蔵バイクツーリングで手に入れた千葉の地酒の買い置きがあるのですが、この日はたまたま全部空っぽ。食材と一緒に日本酒も近所で購入することにしました。
一般客も使える業務用のスーパーをのぞいていたら、新酒「越乃黒鷹」一升で税込999円という日本酒が棚に並んでいます。酒蔵を訪問して買ってくるのはほとんどが純米酒で、売値も2,000円から2,500円くらいのものがほとんど。一緒に売られている普通酒も1,800円前後のものが多かったと思います。1,000円以下の日本酒とはどんな味なんだろうという探究心が沸き起こり、後学のために買ってみることにしました。
「越乃黒鷹」税抜きで一升925円 |
先ずラベルに書かれている蔵元を検索してみました。ラベルには新潟の柏露酒造とあります。1751年創業の老舗です。
新潟の柏露酒造製 |
どんな酒を作っているのかとホームページにある商品を見てみましたが、この「越乃黒鷹」は出てきません。ホームページにある普通酒は「柏露 佳撰」と「柏露 からくち」の二種類でした。もしかして普通酒ではなく合成清酒?と疑ってもう一度ラベルを良く見ると「清酒」と明記してあり、原材料も米・米麹・醸造アルコールしか使用されていません。ラベル表記上はどう見ても普通酒です。
「清酒」と明記されたラベル |
蔵元のホームページにも記載されていない特別販路専用の普通酒というのがこの時点での読みです。まあそんなことより、問題は味です。まず常温(コップ酒)で味わってみました。すっきりとした辛口で悪くはありませんが、少し独特の後味が残ります。飲み屋で銘柄表示なしの”日本酒”として出されたら美味しい部類に入るのかなと考えながら、今度は熱燗にしてみました。少しクセが目立つ味になりましたが、飲んでいるうちに温度が下がるとクセは目立たなくなります。この酒は冷やからぬる燗までが良さそうです。
それにしても一升925円(税抜き)で小売しているということは蔵からの出し値は一体幾らくらいなのでしょう。500円くらいかな、そんなんで製造費用まかなえるのかななどと考えながら飲んでいたら四合もなくなってしまいました。翌朝久々に頭痛がしたのはこの酒のせいかもしれません。
→ どうも頭痛の原因はインフルエンザだったようです。翌日から高熱で寝込みました。
(2015年12月17日追記)
日本酒大手も黙ってはいない?
長引くデフレ志向の影響か、日常消費するものの低価格化が進んでいるようです。大手の日本酒メーカーからも実売価格が一升で千円前後のお酒が次々に発売されています。その中でもネットで美味しいと話題になっていた菊正宗の「しぼりたてギンパック(しぼりたて生貯蔵酒)」を試してみました。量販店では税別で千円を切っていましたので、以前試した格安の「越乃黒鷹」とほとんど同額です。
菊正宗「しぼりたてギンパック」まずは五合サイズで試してみる |
この酒は冷やで飲むのを前提として、端麗で豊かな香りを楽しめるように造られています。冷蔵庫に入れやすい紙パック入りですので、じっくり冷やしてコップで飲んでみると、なかなかいけます(^ ^) さすが大手だけあって、広い消費者に受け入れられる味作りが上手です。この品質と味で一升千円前後であれば、小さな蔵の格安日本酒はさらに値段を下げないと、ますます売れなくなりそうな気配です。厳しい価格競争がこんなところにもありました。
(2017年11月12日追記)
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