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2017年5月22日月曜日

谷津道探検サイクリング 国道や県道を使わずに目的地を目指せるか?


 ロードバイクに乗り始めてから八年の間に、サイクリングロード中心から谷津道中心に移り変わって行った経緯については前回の投稿で書きました。ロードバイクに乗り始めたばかりの初心者が、大型トラックに怯えながら国道126号や交通量の多い県道を乗り継いで九十九里浜を目指し、二度と走りたくないと思ったのもちょうど八年前でした。その後、千葉県の下総台地を走り回っているうちに、短いながらも安全で快適な谷津道や高台の林道をつなぎ合わせて行くと、国道を使わなくても東金の九十九里平野西端にたどり着けることを発見。国道126号に付かず離れず九十九里浜を目指せる快適ルートが見つかると、今まで足が遠のいていた千葉県東部へも頻繁に訪れるようになりました。自宅のある船橋から九十九里浜までのサイクリングルートを例にして、どのように車道中心から谷津道中心にルートを変えていったのかを振り返ってみました。

国道・県道だけを走り、初めて九十九里浜に行ったのは今から八年前のこと(赤色のルート)


ロードバイク初心者が国道126号で九十九里浜へ


 それまで乗っていた折りたたみ式のミニサイクルと比べると巡航速度は雲泥の差で、さらに転がり抵抗が少ないため、下り坂では重力でぐんぐんと加速してくれます。同じ体力でも一日に走れる距離が格段に増えました。ロードバイクに乗り始めた最初の夏、自転車で一度も行ったことのない九十九里浜を目指してみました。船橋から千葉市中央部までは狭くて混雑する国道14号の裏道を探しましたが、千葉市街を抜けてからは国道126号をただひたすら進んで東金にたどり着くことしか頭にありませんでした。市街地を抜け、京葉道路と交差する辺りまでくると道幅が一気に狭くなり、追い越していく大型トラックの風圧に恐怖を感じながらひたすらペダルを漕ぎました。初めての道はそれなりの楽しさもあるものですが、後ろから迫ってくる車に追い立てられているようで、途中の景色を楽しむ余裕はありませんでした。

「九十九里」の案内が見えた時にはホッとした

東金手前で一気に坂を下り、国道126号から離れて九十九里平野の県道に入った時にはホッとしました。そこから先は真っ直ぐで単調な県道をただひたすら進み、真夏の九十九里浜に到着した時は喜びもそこそこで、帰りに同じ道を走ることが憂鬱になっていました。

海水浴客で溢れる炎天下の九十九里浜に到着

心配していた帰路、最初の東金の登りで既に疲労困憊。炎天下に大汗をかいてしまったためか、少し走っては休憩して水をがぶ飲みという状態でペースが上がりません。千葉市中心部にたどり着いた頃には体力が底をついていて、そこから船橋の自宅までは歩くような速度で戻ったと記憶しています。ロードバイクで初めて九十九里浜まで行ってきたという満足感はありましたが、このルートは二度と走りたくないという思いが残ったロードバイク一年目の冒険サイクリングでした。


国道126号を度々横断しながら新ルートを物色


 その後は国道126号を走ることはなくなり、サイクリングロードと一般道や谷津道を組み合わせて、新しいルートの発掘を楽しんでいました。印旛沼辺りまでサイクリングロードを使い、そこから鹿島川沿いの谷津道を探検しながら南下すると、国道126号を横断して泉自然公園や昭和の森などに行くことができます。この頃には国道や車の多い県道は横断のみにするという自主ルールを決めて新しいルート開拓に励んでいました。度々国道126号を横断していると、その前後に国道に沿った快適そうな道がいくつもあるように見えます。帰宅後にGoogleマップやGoogle EarthにGPS軌跡を表示し、気になった道を拡大しながら念入りにチェックしました。

度々横断する国道126号(赤線)に並行する気になった道を繋ぐと....

例えば、上図の四角で囲った部分を拡大すると国道126号のすぐ南側に典型的な谷津地形が広がっているのが分かります。小川(都川)の両側に水田が広がり、その外側が若干の高台になっています。国道126号はこの高台部分を走っていて、水田と高台の間にくねくねと農道が続いているのが分かります。

Google Earthの拡大図、典型的な谷津地形であることが分かる

この農道が自転車で走りやすい道かどうかは実際に行ってみないと分かりません。泉自然公園や昭和の森からの帰りにこの農道を走って見ると、実に快適な谷津道であることが判明。

国道126号南側の谷津道はこんな感じで走りやすい

国道126号を横断する際に見つけた気になるルートを電子地図でチェックし、使えそうであれば実際に走行してみるということを繰り返し、徐々に国道沿いのルートを伸ばしていきました。


開発された市街地でも谷津地形の痕跡は残る


 千葉市中央部を通り抜ける国道14号は以前に比べてだいぶ走りやすくなりましたが、それでも幕張を過ぎる辺りまでは道が狭くて危険です。道が広くなる千葉市街でも単調で面白くありません。時間を節約したい時以外は、あまり走りたくないと思っています。この千葉市街地を抜けるまでのルート選定にも試行錯誤を繰り返しました。船橋から国道126号付近まで行くのに、国道14号は最も分かりやすい道なのですが、何度も走っているうちに千葉市中央部を通らず、北にある千葉動物公園横を通り過ぎるルートを見つけました。千葉動物公園から先は都賀の住宅地を通り抜け、坂月川沿いの谷津道を走れば、千葉市中央部を通ることなく、国道126号の大草交差点に出ることができます。国道51号も信号のある交差点ではなく、アンダーパスで横断することができ、その先は加曽利貝塚などがある坂月川沿いの快適ルートとなります。今では千葉県東部に出る際の主要ルートになっています。

千葉市街を抜けるルートもできるだけ国道や車の多い県道は避けたい

千葉市の国道をバイパスするルートを探す時にもGoogleマップやGoogle Earthなどの航空写真と谷津地形の知識が役に立ちました。例えば、上図の四角で囲んだ部分を拡大したものが下の図です。

市街地の中でも走りやすそうな道を探す

人工的に流れを変えられたような水路(草野水路)の両側は高台になっています。土地の高低はGoogleマップを地形に切り替えれば一目瞭然です。その高台に沿って曲がりくねった道が続いていますので、これはもともと谷津だった場所が開発されたものと考えられます。もともとの農道が生活道路として利用されていて、自転車走行に向いていそうなルートであることが想定されます。

開発後にも形跡が残る谷津地形

谷津の高台の方から徐々に開発が進み、最後に低地の田んぼが埋め立てられ、小川が流れを変えられたり暗渠になったりしていますが、もともとの農道は生活道路として残る場合が多く、開発後にも谷津地形の形跡は残っています。市街地の中にこんな痕跡を追いながら、走りやすそうな道を探しました。


平坦な九十九里平野部は車の少ない車道を選ぶ


 東金にある雄蛇ヶ池まで国道126号を使わない快適なルートを見つけられれば、その先の九十九里平野は比較的自由にルートを選べます。2015年には国道126号の南側、2016年には北側の快適ルートを開拓することができました。平野部に入る直前に東金崖線の高低差50〜70メートルほどを一気に下ります。

雄蛇ヶ池から先の九十九里平野は好きな道を進む

季美の森のある南側(青線)の方が北側(緑線)より標高差が大きいため、帰路は北側を選んだ方が楽に登れます。

季美の森から雄蛇ヶ池への下り坂、ここを登るのはきつい

九十九里平野に入ると谷津地形はありませんので、どの道を選んでもほぼ平坦です。川沿いの道もありますが、途中で舗装がなくなったり、中洲で行き止まりになったりしますので、車の少ない車道を走る方が効率が良いようです。


谷津道がないところは林間の道や畑の中の道を見つける


 小川沿いに残る谷津道だけで目的地に行ければそれに越したことはありませんが、大抵は途中で途切れてしまいます。今回のように分水嶺になっている東金崖線が途中にあれば、当然川は無くなります。そんな時に役に立つのが林間の道や畑の中の道ですが、林間の道は航空写真を拡大しても見つからないことがほとんどです。

川沿いの谷津道に比べて見つけるのが難しい林間の道

国道126号北側の高台にある林間の道(緑線)を見つけたのは、大草谷津田生きものの里を何度も訪問していた時です。林の中の細い道が東側に伸びているのを発見し、ダメ元で走り始めたらいつも南北に走っている鹿島川支流の平川沿いの谷津道にひょっこりと出られた時でした。国道南側の谷津道ルート(青線)しか知らなかった時に、北側台地の林間ルートを見つけられたのは全くの偶然です。強い日差しを遮ってくれる林間ルートは、その後夏場の快適ルートとなりました。

どこまで行けるか不安だが走って確かめるしかない林間の道

高台にある畑では、小川も森林もありません。単調ですが車道を走るよりは安全です。広大な畑が広がる八街を通過する際には、直線の単調な道をしばらく我慢して進みます。

八街の畑の中の道は単調だが安全

谷津道の最奥部などでは、人の出入りも少なく道が荒れていることもあります。車やオートバイでは先に進むのに躊躇してしまいますが、自転車ならいざとなれば担いで進むこともできますし、戻るのも簡単です。新しい道を開拓する際には臆することなく先に進んでしまいます。

谷津道の最奥部、先に進むのに躊躇する場所

わずかに残された狭い谷津地形です。我慢して前進すれば、大抵はひらけた場所に出ることができます。狭いながらも豊かな自然が残された場所ですので、期せずして珍しい動植物に出会うことも度々です。アケビやキイチゴなどの自然の恵みを発見して、サイクリング中に道端で木ノ実を貪っていたこともあります。


 国道や車の多い県道を避けた快適ルートの完成までにはかなりの回数の見直しが必要になりましたが、その過程も含めて楽しんでしまいます。行止りも迂回も探検サイクリングの醍醐味だと思えば苦になりません。どうしても谷津道や林間道が見つからない場合は、無理に車道を避ける必要もありません。いざとなれば歩道を使わせてもらいましょう。郊外の国道沿いなどは歩行者がほとんどいませんので、安全に気をつけて走れば大丈夫です。

 長い時間をかけて安全で快適なルートを見つけ、谷津や森林に残された自然を楽しみながら走るサイクリング。単に体を動かすだけの運動とも異なる、知的で好奇心にあふれた非日常の体験が楽しめる谷津道探検サイクリングに夢中になっています。



2017年5月14日日曜日

谷津道探検サイクリング ロードバイクに乗り始めてからのルートの変遷


 ロードバイクに乗り始めて八年が経ちました。自宅のある船橋を起点にして、日帰りのサイクリングを楽しんでいます。同じルートを使ってタイムを計測するような走り方はしていませんので、毎回どの方角に漕ぎ出すか悩んでいます。よく走っている代表的なルートをGoogle Earthで描いてみました。

自宅から日帰りで楽しんできた代表的なルート

東京・千葉・埼玉・茨城を満遍なく走り回ってきましたが、方角によりそれぞれの特徴があり、楽しみ方も異なります。この八年間のサイクリングルートの変遷をたどってみました。


1. 近くの大規模サイクリングロード


 自宅から少し一般道を走れば江戸川や荒川などの大規模なサイクリングロードにたどり着けます。当時は未だ車の多い道を走るのに慣れていなかったこともあり、サイクリングロードをひたすら走って距離を稼いでいました。

近くのサイクリングロードを走り回っていた

走りやすく、道に迷うこともないため、徐々に距離が伸びていきます。同じルートだけでは飽きてきますので、いくつかのサイクリングロードを乗り継いで変化をつけたりしていました。

一級河川に作られた大規模サイクリングロードは走りやすい(江戸川)

荒川では秋ヶ瀬公園、江戸川では関宿城あたりまで走ると、往復で100キロ以上になりますので、初心者にしてはかなりの満足感が得られるルートでした。

江戸川サイクリングロード終点にある関宿城

ただし、同じ場所を何度も走っていると課題も出てきます。週末のサイクリングロードは自転車も多いですが、歩行者やジョギングをしている人たちで混雑している場所も多く、スピードを出せません。夏の暑い時期、堤防上には日陰がなく日射病になりそうです。冬の木枯らしや春一番が吹く頃には、延々と向かい風で走らなければならないのも辛いところ。そして何より、同じ風景ばかり見て走っていると飽きてきます。


2. 車道を使って都心部へ乗り入れ


 この地域ではサイクリングロードのある大きな河川はほとんどが南北に流れています。自宅から西の東京方面に行くには、どうしても車道を使わなければなりません。ロードバイクで走ることにも徐々に慣れてきましたので、車道を走ることも多くなりました。国道14号や357号を使えば最短距離で都心部や臨海部に出ることができます。

西へ行くには交通量の多い車道を走る必要がある

まだまだ自転車専用レーンの整備が進んでいませんので、交通量の多い幹線道路を走るときは注意が必要ですが、週末の都心部は広い道路の割に車が少なく、走りやすくなっています。

路側帯も狭く、車が多い国道14号

毎週日曜日に車を通行止にして、皇居の周りの広い道を自転車で走れる「パレスサイクリング」にも時々行くようになりました。桜の季節に自転車で花見に行くのも楽しいものです。

皇居の周りを自由に走れる「パレスサイクリング」

銀杏並木が色付く秋の神宮外苑では、駐車場待ちの車が列をなしていますが、自転車なら自由に見事な銀杏並木を走り回れます。

駐車場待ちの車の横を自転車で軽快に走れる秋の神宮外苑


3. 裏道とサイクリングロードを組み合わせて好きな場所へ


 週末の都心部を楽しむために車道を使うのは仕方ありませんが、延々と車道を走るのはできるだけ避けたいものです。Googleマップなどを頼りに交通量の少なそうな裏道を探し、それにサイクリングロードを組み合わせて、オリジナルのルートを見つけるようになりました。サイクリングロードだけでは行けない場所にもたどり着けるようになり、この頃から一気に目的地が増えたような気がします。

裏道とサイクリングロードの組み合わせでオリジナルのルートを開拓

さらに脚力もついてきたのか、一日の走行距離が120〜160キロくらいまで増加。利根川に流れ込んでいる鬼怒川や小貝川のサイクリングロードに足を運んでいるうちに、つくば市や常総市などへも度々訪れるようになりました。

筑波山が正面に見える小貝川サイクリングロード

渡良瀬遊水池や佐原まで走った後に地図を眺めていて、よくもこんなところまで自転車で行ったものだと我ながら呆れることもしばしばです。時々オートバイで佐原の地酒を買いに行きますが、結構な距離があるため高速道路を使ってしまいます。よくそんな場所に自転車で行くものです。

利根川沿いを佐原まで


4. 谷津道を探検しながら里山の中へ


 利根川、鬼怒川、小貝川沿いや牛久沼、霞ヶ浦などの周辺は平野部が多く、走りやすいのですが地形の変化に乏しく、だんだんと飽きてきました。千葉県に高い山はありませんが、標高500メートルほどの房総丘陵が中央部にあり、その北側には下総台地が広がっています。この下総台地と広大な九十九里平野との間には長い崖(牛久ー東金崖線)が続いていて、変化に富んだ走りが楽しめそうです。自宅から東側に広がる下総台地を走ることが徐々に増えて行きました。

地形の変化を楽しめる下総台地

農地や宅地の間に取り残された小さな谷津を見つけ、それらをつないで行くと徐々に下総台地の奥まで車道を使わずに進めるようになりました。初めて九十九里浜まで自転車で行った時には、往復とも国道126号を車に怯えながら走りました。二度と走りたくないと思ったものです。その後、国道126号の南北にある谷津道や林道を繋げると国道を走ることなく九十九里浜まで行くことができることを発見。一気にこの方向へ出かけることが多くなりました。

谷津田の間を走る農道を使わせてもらう(成田付近)

 成田空港周辺を初めて目指した時にも、国道51号を使ってしまいました。物流の幹線道路ですので、大型車がすごいスピードで走っていて、生きた心地がしませんでした。ここでも小さな川沿いに残っている谷津の道を乗り継いでいけば、空港まで安全にたどり着けることを発見し、今ではお気に入りのルートの一つになってます。

高台では林の中の道を探す(成田付近)

地図を眺めているだけではサイクリングルートとしての良否は判断できませんので、実際に現地で初めての道に入ってみます。行止りや走れない場所にも度々出くわしますが、偶然に自然豊かな走りやすい道を見つけた時には喜びの声が出ます。

こんな気持ちの良い道を探しながら走る(昭和の森付近)

この頃にはサイクリングロードはほとんど使わず、さらに国道や県道などの交通量の多い車道は横断のみにして、谷津道と林道中心にルートを完成させるようになりました。もちろん自宅から千葉市街を抜けるまでは街中を走りますが、その際にもできるだけ裏道を使って車の危険が少ない場所を走るようにしています。

素掘りのトンネルも発見できる谷津道探検サイクリング(小中池付近)

上の写真は小中池から雄蛇ヶ池を目指していた時に見つけた、iPhoneの地図(Appleマップ)にも載っていなかった道です。素掘りのトンネルを通り、山の向こうの谷津道に出られた時にはまさに探検家になったような気分でした。最近はこの下総台地の谷津道を中心に走っていますが、サイクリングロードで追い風に乗ってスピードを楽しんだり、週末の空いている都心を走り回ったりと変化をつけてロードバイクを堪能しています。八年かけてたどり着いた谷津道探検サイクリング、今ではすっかり夢中になっています。


2017年5月13日土曜日

谷津道探検サイクリング いつものルートもこの時期は季節感たっぷり


 少し走ると汗ばむ季節になってきました。ウェアの選定に悩みますが、日中暑くても日が陰ると涼しくなるため、まだ長袖ジャージにコンプレッションタイツで走っています。翌日は一日雨という予報が出ていましたので、他の用事をすっ飛ばして最近よく行く長柄ダムから昭和の森、雄蛇ヶ池をめぐる東金崖線サイクリングに出かけました。


いつものルートにもこの時期の季節を感じるものがたくさん


 気温が上がり、生き物たちが一斉に活気付いています。暑過ぎることもなく、湿度も高くないため、何をやるにも快適に楽しめる季節です。千葉市街を抜けると車道から離れ、徐々に自然の中に入っていけます。走りながら聞こえてくるのは、まだ練習の足りないウグイスのさえずりやメスを求めて鳴くキジの声です。

いつもの道で季節を感じるものがたくさん見つかる

村田川の支流に広がる谷津道に入ると、一気に季節を感じるものが目や耳に飛び込んできました。


支川村田川の谷津田にはおびただしい数のオタマジャクシ


 以前ここを走った時に、田んぼの横の小川でカエルの卵を見つけたのは三月だったと思います。大量に産み付けられた卵を発見し、これが全部生まれたらすごい状態になるんじゃないかと思ったものです。

三月に見つけたちょっと気持ち悪いカエルの卵

今日同じ場所を走っていると、田んぼの中で何やら黒いものがうごめいています。自転車を停めて覗き込んでみると、なんと大量のオタマジャクシが泳いでいました。小川から田んぼに水を引いているらしく、流れ込む水と一緒にオタマジャクシたちが田んぼの中を一斉に同じ方向に泳いでいました。

生まれたばかりのオタマジャクシが田んぼ一面に広がって泳いでいる

田んぼのすぐ横の木々の間には藤の花が見事に咲いていました。小さな薄紫色の花が鈴なりになっていて、本当に綺麗です。

たくさんの小さな花を咲かせている藤

藤の花の真下には大きな罠が仕掛けられていました。作物を狙うイノシシを捕獲するための罠のようです。この谷津道を走り始めて二年経ちますが、まだイノシシに遭遇したことはありません。いきなり出くわしたら怖いでしょうね。

藤の下にイノシシ用の大型の罠が仕掛けられてる


昭和の森はシロツメクサのいい香りに包まれてる


 長柄ダムでの休憩もそこそこに、すぐに昭和の森を目指しました。長柄ダムからはほとんど下りのルートばかりですから、あっという間に到着します。広い草地に自転車を置いて、ごろりと横になって休憩していると、とってもいい匂いがしてきます。

この時期の昭和の森の草地はシロツメクサの花がいっぱい

たくさん生えているシロツメクサの花の匂いです。最近は街中に空き地が減り、あまりシロツメクサの群生を近所で目にすることはありません。そのため、匂いにも滅多に接することが無くなっていたようです。最初は何の匂いかわかりませんでした。

懐かしいシロツメクサの花の匂い

子供の頃に遊んでいた空き地には、この時期必ずシロツメクサの花が咲いていたように記憶しています。匂いを嗅ぐと当時遊んだ場所を思い出します。


雄蛇ヶ池の近くで大粒のクサイチゴを発見


 昭和の森から直接帰宅することも多いのですが、気持ちの良い陽気に誘われてさらに雄蛇ヶ池まで足を伸ばしてみることにしました。今回は大網街道を一気に下ってから、谷津道を北上して雄蛇ヶ池を目指します。相変わらず湖面を渡る風と鳥たちの鳴き声で疲れが吹き飛ぶ、最高の休憩場所です。

鳥の鳴き声しか聞こえない雄蛇ヶ池

 雄蛇ヶ池を出発して東金崖線の急坂を登っている最中に、道端に赤いイチゴの実がなっているのが見えました。表面のツブツブが細かく、地面に近い場所でしたので、多分ヘビイチゴだろうと思って、そのまま一度は通り過ぎました。よく毒があると言われるヘビイチゴですが、実際はありません。水っぽくてちっとも美味しくないことは体験済みです。通り過ぎてから思い返してみると、実の大きさがヘビイチゴにしては大き過ぎます。気になったので引き返して確かめてみました。

赤い大きな実をつけたクサイチゴ

なっていたのはクサイチゴでした。それもかなり大ぶりな実をたくさんつけています。探してみると斜面いっぱいに赤い実が目に入ります。こっこれは.... 野生イチゴのお宝ポイントを見つけてしまったようです。目につくものを手に取って食べてみました。

結構大きいクサイチゴの実、とっても甘〜い

雄蛇ヶ池で昼食を取った直後でしたので、デザート程度にしか食べられませんでしたが、空腹時だったらヘルメット一杯分くらい平らげられそうな美味しさです。さらに、クサイチゴの上に目をやると、黄色の実をつけたモミジイチゴがたくさんなっているではありませんか。

ついでにモミジイチゴも発見

斜面をよじ登り、モミジイチゴもいただいてみました。このイチゴは以前もサイクリング中に見つけて食べていましたので、味は知っています。ほのかな甘さと酸味があり、口の中がさっぱりします。運動中の間食にはもってこいの味がします。

ちょっと酸っぱいモミジイチゴの実

登り坂の途中で自転車を寝かせ、派手なジャージ姿のまま草むらで何やらむしゃむしゃ食べている変な親父.... 実に怪しい光景です。人通りが少ないからいいようなものの、街中だったら職務質問されそうな場面でした。

こんな場所でキイチゴを貪っている変なサイクリストでした


市街地近くの草むらでは顔馴染みのキジが鳴いていた


 人が住んでいるすぐそばにもキジは住み着いています。谷津道を探検しながら走るようになってから既に大分経ちますが、里山の奥よりも人里に近い場所の方がキジを見つけることが多いようです。毎年見かける場所に近づく度に、今年もいるかなと目と耳を凝らしますが、ほとんどの場合期待を裏切りません。この日も例年と同じ場所で、しっかりと姿を現してくれました。

美しい姿をしている雄のキジ、毎年この時期が楽しみ

「ケーン、ケーン」と大きな声を張り上げるので、見つけるのは簡単です。時々メスも一緒に見つかりますが、地味な色のメスはすぐに見失ってしまいます。雄は体の色といい、鳴き声の大きさといい危険を顧みずに目立ちまくっています。命がけで恋の季節を過ごしているんでしょうね。男たるものかくありたいと思いながら先を急ぎました。


夏までお預けの自然の恵みも発見


 今の時期はまだ食べられませんが、梅雨が明けて本格的な夏が始まれば、サイクリストの喉を潤してくれる木の実も見つけました。ヤマグワはもう実をつけていましたが、まだ赤くて食べられません。クワの実は真っ黒になったものが食べ頃ですので、夏までお預けです。場所だけ覚えておいて、夏に走りに行った際にいただくことにします。

既に実はついているが、熟すまで時間がかかるヤマグワ

クサイチゴは実も大きくなり食べ頃でしたが、一番よく見かけるナワシロイチゴはもう少し先のようです。サイクリング途中でいつもナワシロイチゴを食べている場所を探してみたら、まだ花も咲いていませんでした。

まだ蕾のナワシロイチゴ


 いつも走っているサイクリングルートで、梅雨入り前の季節をたっぷり楽しむことができました。雨が続くとしばらくは訪れることができなくなりますが、その後はヤマグワやナワシロイチゴも美味しい実をつけて待ってくれていると思います。自然の中で、それぞれの季節を楽しむ谷津道探検サイクリング。やっぱりやめられません。


2017年3月11日土曜日

谷津道探検サイクリング 富里から印旛沼まで江川沿いを初走行


 現在密かなマイブームとなっている高速道路沿いの探検サイクリングで、新たな谷津道のルート開拓に成功しました。首都圏から成田方面に伸びている東関東自動車道(東関道)沿いは、佐倉ICを過ぎたあたりから自動車がほとんど通らない快適な道が続きます。山を切り崩して真っ直ぐに通した高速道路本体とは違い、すぐ横の道は元々の地形そのままのアップダウンが連続していて、初心者のトレーニングにも役立つルートです。

東関東自動車道横の静かな山道

富里IC近くまで走ったところで高速道路の北側に谷津田が広がっていました。まっすぐ進めば成田空港に到着しますが、すでに経験済みのルートです。進めなくなったら戻ることを覚悟して、富里IC手前で高速道路脇を離れ、細い谷津道に入ってみました。

東関道富里IC手前にある谷津田、左に細い道が続いている

東関道は比較的わかりやすい大きな谷津をいくつも横切っています。その谷津の中を流れる河川の名称を調べてみると、四街道ICから成田ICまでの間に手繰川・鹿島川・南部川・高崎川・江川・根木名川・取香川が流れています。根木名川と取香川は利根川に流れ込んでいますが、それ以外は全て印旛沼に向かって流れている川です。今回は、今まで走ったことのない江川流域の谷津道を印旛沼に向かって走って見ました。

東関道の側道から入り込める谷津を流れる河川

東関道から離れてしばらくは、狭い谷津田の横を走る荒れた路面の農道が続いていました。ほとんど車が通らない道のようで、林の中では鳥たちのさえずりが響いています。

東関道側道からの分岐後しばらくは細い農道が続く

花見川サイクリングロードから東関道沿いにルートを変え、江川沿いの谷津道を探検してから新川(花見川)サイクリングロードに戻るまでのルートはこちらです。クリックすればルートラボのサイトで動かせる大きな地図や標高グラフが現れます。

(クリックすると動かせる地図が表示されます)

途中、JR成田線や国道51号を横断することになりますので、安全に気をつけて進みます。道に迷いそうな場所もなく、途中で舗装が途切れるようなこともなく、江川沿いに北上を続けることができました。

狭いJR成田線の踏切を越える

相変わらず大型車でいっぱいの国道51号も横断

さらに進むと、京成本線の公津の杜駅近くを通って国道464号も横断しました。そこから先は江川下流域の広い谷津田が広がり、すぐ横は成田の大規模な宅地になっています。

江川下流域は大規模な宅地の横に谷津田が広がる

この辺りまで来ると印旛沼と成田を結ぶ見覚えのあるルートが出てきます。江川に沿って進んで行くと、無事印旛沼に到着しました。甚兵衛の森と呼ばれる公園で小休止です。

印旛沼のほとり甚兵衛の森で休憩

ここは甚兵衛渡しのあった場所で、歌舞伎「佐倉義民伝」の舞台として知られています。先日、アジサイを見にオートバイで宗吾霊堂を訪ねた時に学んだ歌舞伎の人気演目です。

「佐倉義民伝」の舞台として有名な甚兵衛渡し

現在は甚兵衛大橋が架かり、渡し場はなくなっています。この甚兵衛大橋、片側一車線で歩道もなく、路側帯も狭い上に国道464号の一部となっているため大型車がひっきりなしに通っていました。自転車で走るときはいつもヒヤヒヤしていましたが、今年2月末に国道464号のバイパスが延伸し、状況が変わったようです。先月開通したばかりの真新しいバイパスを走ってみました。

広い歩道を走らせてもらった国道464号バイパス、平成29年2月竣工と書かれている

千葉ニュータウンのある印西を越えて国道16号に接続し、鎌ケ谷市まで続くバイパスで、一般道のくせに途中は制限速度が時速70キロに設定されています。その区間は原付バイクや自転車は通れませんが、側道を使えば最短距離で印旛沼や吉高の大桜までたどり着ける新ルートができました。

 ぐるっと回って最後は新川(花見川)のサイクリングロードへ戻ります。この時期の新川では河津桜が見事に咲いています。多くの見物客が訪れていますので、自転車で走り抜けるわけにはいかなくなりますが、のんびり花見を楽しみながら走るには最高の場所です。

この時期の新川の河津桜は見事

河津桜が終わると、次はソメイヨシノが楽しめる場所ですので、しばらくの間週末に走りに出かけるときは要注意です。


 高速道路沿いを使って素早くお気に入りの谷津まで移動し、その後は川沿いに広がる谷津の自然を楽しみながらのんびりとサイクリング。これからの季節にぴったりの楽しみ方になるような気がします。