2015年2月10日火曜日

がんばれソニー(以前は欲しいものの宝庫だったのに...最近は何も買ってないな)


 ゼンハイザーのヘッドホン(HD-598)を使用していますが、携帯性が悪いためソニーから新しく発売されたMDR-1Aを購入してみました。

最新のMDR-1A

密閉型でコードの長さも携帯時での使用を前提とした短めになっていて、使用感は問題ありません。まだエージングできていませんが、多少低音が厚ぼったいのが気になります。重低音強調のモデルではないはずですので、もう少し様子を見てみようと思います。

 家でヘッドホンを使いながら、久しぶりのソニー製品の購入であることに気づきました。前回購入したのは何だったかなと考えてみると、5〜6年ほど前の山ラジオでした。ちょうど山に頻繁に行き始めた頃、山で使うのに手頃なラジオを買おうと思っていたら、日本全国の山岳地帯毎に聞こえる放送局がプリセットされたラジオがソニーから発売されたため、携帯ラジオとしては高額でしたが迷わず購入。現在に至るまで便利に使用しています。(この”迷わず”というのがポイントですね。価格ではなく、必要な機能を重視した購買スタイルです。)

山での選局が楽なICF-R100MT

 中高年の登山ブームが起こって久しいですが、このラジオはその人たちの間で売れているのではないでしょうか(そういう自分もまさにその一人ですが)。山でこのラジオを聴いている人を時々見かけます。小型で高機能、優れたデザインでとても満足しています。

 昔からソニーの製品に憧れて、コツコツお金を貯め、やっと手に入れた時は嬉しくてたまりませんでした。ひとつ手に入れても、すぐにまた欲しくなる新たな製品が発表されるため、いつも購入待ちの状態だったような気がします。ほとんど毎年、なんらかのソニー製品を購入していたような..... ところが今回購入したヘッドホンが5年ぶりのソニー製品購入だったとは驚きです。改めて最近のソニーという会社の状況と重ね合わせてみると感慨深いものがあります。

 オーディオに目覚め始めた頃、ソニー製品を買うために働いていたと言っても過言ではないような気がします(ちょっと大袈裟かな)。CD、DAT、MDなどなど新しいメディア(フォーマット)が登場する度に、規格作成をリードしたソニーの新製品を手に入れることが新たなオーディオ世界への扉を叩くことでした。就職したばかりの頃、随分無理をしてソニーのCDプレイヤー一号機(CDP-101)を手に入れたことが懐かしく思い出されます。その後もDATデッキやら、レーザーディスクプレイヤーやら、新しいメディアの機器を購入するときはいつも迷わずソニー製品を選んでいました。

最近まで使用していたDAT-300ES

FM放送のエアチェックが流行っていた頃、カセットテープからDATへのメディア変更はまさにデジタル化の威力を感じさせる出来事でした。記録できる品質が格段に向上したため、今度はステレオチューナーをグレードアップしたくなり、ソニー製のチューナーを購入しました。このチューナーは優れた設計で、今でもマニアの間では高い評価を得ています。

未だ現役のST-S333ESXII

FMの調子が悪くなってしまいましたが、もう修理も受け付けてもらえないためAM専用で使っています。現在はネットオーディオが幅を利かせていて、ほとんどの大手メーカーはオーディオ用のまともなAM/FMチューナーを作っていません。新しいFMチューナーとして大変高額でしたがAccuphaseのT-1100を購入しました。最新のディジタル技術を満載した高級FMチューナーですので性能的には不満はありませんが、苦労してやっと手に入れたソニーの名機の音が楽しめないのは残念です。

 子供が生まれた時にちょうどDV(Digital Videoです、ドメスティック・バイオレ....ではありません)フォーマットのビデオが出始めた頃で、この際にも迷わずソニー製品を購入。当時、小型・高性能デジタルビデオカメラといえば誰しもソニーの名を挙げていた時代です。

パスポートサイズをうたったDCR-PC7

アナログのビデオ編集で苦労していた時にフルデジタルのカメラを手に入れたため、デジタルビデオ編集にはまりました。より良い作品制作のためにジョグシャトル機能を持ったDVデッキ(WV-DR5)を清水の舞台から飛び降りるような気持ちで追加購入し、子供の思い出ビデオの作成に励みました。一つの先進的な製品を購入すると、それにより広がったユーザー体験がまた新たな製品のニーズを掘り起こす良い事例だと思います。この連鎖が、強固なソニーファンを作っていたと思うのは私だけでしょうか。

標準/Mini-DVカセットからVHSへダビングが出来る編集対応ダブルデッキ(下)

 出張でニューヨークに行った時にマンハッタンで見つけた防水のスポーツウオークマンに一目惚れし、FMの周波数が日本と異なることを承知で手に入れたりしました。どこか手に入れずにはいられないような特異な魅力を当時のソニー製品は持っていたような気がします。

アメリカで買ったスポーツウオークマン(FMの周波数が日本と異なる)

 現在のように薄型液晶テレビが幅をきかせる前、大型の横長テレビのヒット商品といえばソニーのベガでしょう。トリニトロンという技術に惹かれ、次に買うテレビの候補はソニー以外考えられませんでした。古くなった28型ブラウン管テレビの買い替え時には、迷わずソニーの36型ベガを購入しました。運送業者が二人でぜいぜい言いながらマンションのリビングに運んできたのが忘れられません。

60Kg以上の重量があったソニーのベガ36型

このテレビを購入してしばらくしたあと、マンションから一戸建てに引っ越した際に当時発売になったばかりの42型プラズマ平面テレビを購入しました。この時はソニーにはまだ液晶やプラズマの平面テレビが無く、選んだのはパナソニックです。ソニーの36型ベガはまだ使うだろうと思って処分しなかったのですが、その後まったく使用せず、家電リサイクル法が出来てしまい捨てる時にえらい苦労しました。処分場に持ち込む際に、自分で車に乗せようとしたのですが60Kg以上あるソニーのベガは一人では動かせませんでした。

 思い出の詰まったソニー製品はまだまだあります。機会があれば電子書籍にでもまとめてみたいと思いますが、あの頃のソニーはどうなってしまったのでしょう。久しぶりに購入したヘッドホンを聞きながら、「がんばれ、ソニー!」と心の中でつぶやきました。



機械部分が真っ先に壊れることが多かったソニー製品


 今現役で毎日使っているソニー製品は山ラジオですが、これもそろそろ購入後7年くらい経ちます。ほとんどが電子式のボタンなのですが、イヤホン・スピーカーの切り替えと誤操作防止用ロックは小さなスライド式スイッチになっています。これらのスイッチはそれほどオン・オフを繰り返すものではありませんが、そろそろ接触が怪しくなってきました。うまく切り替わらなかったり、接触が悪く音が歪んだりといった不具合が出始めました。

 思い返してみれば、今まで購入したソニー製品の最初の故障は機械部分が多かったようです。最初のCDプレイヤーはCDトレイが出てこなくなりました。DATデッキはテープのローディング機構が故障。MDプレイヤーもディスクが取り出せなくなりました。編集対応DVデッキもテープを入れる蓋が開かなくなり、手で開けっ放しにして使っていました。あの頃のソニー製品はどうも機械部分が弱かったという印象を持っています。故障した製品を開けて機械部を覗いてみましたが、たくさんの細かなプラスチック製ギアと細いゴムベルト、そして動きを制御するセンサーが巧みに組み合わされています。優れた設計であることはわかりましたが、耐久性は今ひとつに見えました。

 現在はメモリーオーディオプレイヤーなどのように、可動部分を持たないデジタル家電が増えていますので、当時のような故障はもうないのでしょうね。

(2016年8月29日追記)


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