スノーシューを始めたのをきっかけに、以前から興味のあった雪崩講習会に参加してきました。石井スポーツ登山学校と日本雪崩ネットワーク共催の二日間コースです。実技は群馬県の谷川岳天神尾根にて行われました。
一日目は平坦な湯檜曽公園で練習 |
二日目にロープウェイを使い天神尾根で実技 |
斜面の積雪調査のため穴を掘ります |
半日の座学だけのものや、ビーコンを使った探索訓練中心の一日コースが多い中で、二日間のコースは稀だと思います。雪崩現象や雪崩地形、安全行動原則、グループマネジメントなど雪崩発生のメカニズムや雪崩リスクの高い状況を理解するとともに、そのリスクをできるだけ少なくするためのマネジメント方法が学べます。いわゆる雪山三種の神器(ビーコン、プローブ、スコップ)の使い方を覚えてレスキューを迅速に行うこと以前に、雪崩に遭わないようにするにはどうするかという部分にも重点が置かれていて、雪山初心者にも大変ありがたい講習内容でした。
MAMMUTのデジタルビーコン |
Black Diamondのプローブ |
bcaのスコップ(ザックに入ります) |
この三種の神器を揃えるだけで相当な出費です。特にビーコンは最新のモデルだと5万円以上もします。さらに実技の中で、雪質の調査や雪洞作りの際にスノーソーがあるとないとでは大違いだということも体験し、必要な装備はますます増えます。
昔買ったスノーソー |
正直今までは、たまにしか雪山に入らないのにここまで費用をかけて本当に効果があるのか半信半疑でした。しかし今回の講習を受講して考えが一変。一メートル以上の深さにある埋没物をビーコンを使って探索するとほぼ真上まで誘導され、なおかつ埋まっている深さが表示されるという精度の高さに驚愕しました。もしビーコンが使えない状況であったら、残留物や地形などのわずかな情報を頼りにプローブを突き刺しながら広い範囲を探らなければならず、発見までの時間は比べようもないくらい長くなります。
雪崩事故発生の際に生存可能時間内(15分以内と言われている)に自分を見つけてもらうためにビーコンは必須です。さらに、他の人を救うために居合わせた人がこれらの道具を持参していることが生存救出の前提条件になるということが理解できました。雪崩発生の可能性がある雪山に入る人全員がビーコン、プローブ、スコップ等の装備を持ち、十分使い方を理解しているという状況が早く実現することを願いながら帰宅しました。
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