2016年9月26日月曜日

快適動画編集 デジカメの単なる風景写真もMotion5にかかればアッと驚く3D動画に変身


 昔から登山が趣味で、最近はスノーシューで雪山へも行っています。空気の澄んだ極寒の雪山では、素晴らしい風景写真が撮れますが、寒さのためにバッテリーの持ちが悪くなる上に、手がかじかんでくるため動画はあまり撮りません。そのため、帰宅後の動画編集時に使える素材はデジカメの写真がほとんどです。写真アルバムとしてデジカメ写真を眺めているだけなら不足はないのですが、山旅の動画を作ろうとした時には静止画が多くて表現力不足だと感じます。

スノーシューで登った真冬の湯の丸山

2月の厳冬期に湯の丸山に登るのは初めてで、GoProを頭部にセットして登り始めました。しかし、あまりの寒さに山頂到着前にバッテリー切れとなっていたようで、貴重な山頂の動画が撮れていません。結局山頂で記録できた映像はデジカメ写真のみでした。

気温は氷点下10度前後のため長時間の撮影は不可

山頂近くまでの動画は撮れていますが、山頂からの風景は静止画しかありません。こんな場合に動画作品を仕上げるとしたら、静止画を拡大・縮小しながら多少移動させる(Ken Burnsエフェクト)くらいしか編集のしようがありませんでした。


Motion5で2Dの風景写真を3D風に見せる


 Motion5を購入して勉強しながら使っていますが、2D素材を3D空間に配置してから仮想カメラを移動させることにより、擬似3D動画が作れることが分かりました。習作として最初に挑戦してみたのが幕張運転免許センターでの大型自動二輪検定コース3Dアニメーション解説です。3Dデータは全く使用していませんが、3D空間に配置した2Dデータと3D空間を自由に動き回れる仮想カメラからの映像で、それなりに3Dらしい映像が得られることを体験。

 同じ仕組みでデジカメ写真を動画風に見せることもできるのではないかと思いつき、試してみました。写真はあくまでも2D(二次元)の画像です。それを3D風に見せるのですから、できるだけ奥行き感のある写真を選びます。手前に大きな目立つものがあり、その奥に背景が広がっているような写真がベストです。

 まず手前にある物体をGIMPなどの写真加工ソフトで切り取ります。GIMPの電脳はさみを使えば、素人でも簡単に一枚の写真から手前の物体だけを切り取ることができました。

GIMPの電脳はさみで手前の物体を切り取り

 元々あった風景写真と切り取った手前の物体の写真が揃いました。この二枚の写真をMotion5の3D空間に配置します。3D指定したグループ内に風景写真をZ=0のX-Y平面上に配置。そこからZ軸上の離れた場所に切り取った物体の画像を配置します。この時の位置と大きさは後で調整します。

風景写真と手前の物体の画像をZ軸上に離して配置

3Dカメラを配置して初期位置を決めたら、カメラに動きを与えます。「ライブラリ」>「ビヘイビア」>「カメラ」を開き、そこから「ドリー」と「スウィープ」の二つのビヘイビアをカメラに適用します。「ドリー」はカメラを近づけたり遠ざけたりする動き。「スウィープ」はX/Y/Zいずれかの軸でカメラを回転する動きをつけます。

 ここで注意しなければならないのは、手前に置いた画像の形状です。縦長の場合は3Dカメラの動きも縦方向が適していますし、横長の場合は横方向の動きが合っています。なぜなら後ろにある風景画像にも同じものが写っていますので、それが前に配置した画像で隠れていないととっても不自然です。カメラを動かした時に、隠れているはずの後ろのものが出ないように調整する必要があります。上の山頂名を表すポールのような縦長の場合は、X軸で回転するチルト動作(上下動)をさせています。

岩の部分を別画像にして擬似3D化

大きな岩が手前にある写真では、Y軸に沿ってカメラを回転動作(左右の首振り動作)をするようにセットしました。元々が2D画像ですので、カメラにあまり大きな動きを加えるとかえって不自然になります。3D的な動きをしない背景写真とのバランスを考えて、小さめの効果を狙った方が自然に見えるようです。

 3Dカメラが捉えた映像を見ながら不自然さを感じないように微調整を行います。調整のポイントは以下の二点。
  1. 切り出して手前に配置した画像の位置と大きさ
  2. カメラの動き
手前の画像を多少大きめにして、後ろにある同じ部分がカメラが動いても見えないようにします。

手前に配置した画像の位置と大きさを調整

カメラに動きを与えるドリー(Z軸に沿った移動)とスウィープ(X/Y/Zいずれかの軸での回転)を指定して、平面の写真があたかもカメラを動かしながら撮影した動画のように見えるようにします。

カメラに動きを与えて3Dに見えるようにする

手前に置いた画像が縦長の場合は、スウィープの座標軸を「チルトX」にすることでカメラを上下方向に傾けた映像が撮れます。横長の画像が手前にある場合は、「周回Y」を指定すればカメラを左右に振った映像になります。この動きとドリーで写真に近づくカメラワークを加えることで、3D風に見せるわけです。


Motion5で風景写真を3D動画にしてみた試作品


 実際にやってみたのがこちらの動画になります。厳冬期の湯の丸山に、スノーシューで登った時の写真二枚から作った、なんちゃって3D映像です。前半に出てくるKen Brunsエフェクトに比べ、奥行きとカメラの動きを感じられるのではないでしょうか。


それにしても色々なことができるMotion5には驚きです。まだまだ使ったことのない機能がたくさん。秋雨前線が居座って天候がすぐれませんが、こんな時こそMotion5の勉強ですね。


0 件のコメント:

コメントを投稿