2016年9月20日火曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 旨い燗酒は湯煎に限る(?)


 台風がやってくるたびに少しずつ秋の気配が近づいてきます。冷やや常温で楽しんできた房総の地酒も、そろそろ燗が恋しいときも出てきました。9月9日のひやおろし解禁日を待って、バイクで買い求めてきた千葉のひやおろし(秋あがり)は三本になりました。

今秋最初に手に入れた千葉のひやおろし(秋あがり)

純米吟醸や純米酒を半年程蔵のタンクで寝かせた後、火入れせずに瓶詰めした酒ですので、冷やでも旨い酒ですが、その日の仕上げは燗酒がたまりません。バイクで房総の酒蔵巡りをするようになる前は、日本酒の燗はもっぱら電子レンジを使っていました。


お手軽だが温度管理の難しい電子レンジでの燗


 徳利に日本酒を満たして電子レンジでチンすれば、1〜2分で燗酒の出来上がりです。お手軽なため普通酒だろうが純米吟醸酒だろうが、日本酒の燗は全てこの方法でやっていました。電子レンジの特性上、徳利の細くなっている首の部分が、胴体の部分に比べて早く熱くなります。胴の部分がちょうど良い温度になるまで熱すると、首の部分は熱過ぎて持てなくなるばかりか、沸騰していることもあります。最初の一〜二杯は熱過ぎるのに、その後はぬるいなんてことも度々ありました。

お手軽だが、均一に温めることが難しい電子レンジ

これを避けるには、首の部分に電子レンジのマイクロ波が当たらないようにアルミホイルを巻きつければいいそうですが、やったことがありません。そもそもお手軽さが命の電子レンジなのに、いちいちアルミホイルを巻きつける気も起こりませんでした。

こうすれば電子レンジでも均一に温まる(らしい)


日本酒はいろいろな温度で楽しむ酒


 日本酒はその種類やその日の気候、果ては気分によって燗する温度を変えて飲むのが正しい飲み方です。香りも楽しめる吟醸酒を燗する場合は、香りが飛んでしまわないようにぬる燗が最適ですし、冬の寒い日に本醸造酒を楽しむならあつ燗が旨いと感じるでしょう。

日本酒を楽しむ適温

純米の秋あがりを燗するのであれば、ぬる燗から上燗(40〜45℃)がベストだと信じていますが、これを電子レンジで実現するのはかなり困難な作業になります。スイッチを入れてからこまめに温度をチェックするわけにもいきませんし、徳利から立ち上る湯気や香りを感じることもできません。今までは電子レンジのタイマー時間のみを頼りに日本酒を燗していました。


せっかく手に入れたひやおろしを一番美味しく燗したい


 バイクで自ら酒蔵を訪問し、蔵の人に話を聞きながら買い求めてきた房総の地酒です。飲み方も目一杯気を遣って楽しもうと考え、湯煎で燗をしてみました。ヤカンにお湯を沸かし、沸騰したら火を止めて酒を入れた徳利を浸けるだけです。湯の量は胴体の半分くらい浸かっていれば大丈夫。下から温まって行きますので、熱くなりやすい首の部分もじっくり温まります。熱湯に入れてから1〜2分で徳利から湯気が上がり始め、日本酒のいい香りが漂い始めます。首の部分を触って、少し暑いかなと感じるくらいで大丈夫。徳利を取り出して布巾で水気を拭きながら、胴体部分がしっかり温まっていることを確認します。

湯煎もやってみれば結構簡単

実際に何度かやってみると、ヤカンにお湯を沸かして火を止めてから2分程度で燗は出来上がりです。電子レンジと時間も手間もさほど変わりません。やかんのお湯はおかわりのためにそのままとっておけば、次は早く出来上がります。

 何より燗している最中に、立ち上る香りや湯気を直接確認できます。純米吟醸酒などでは香りが出始めたら、それでヤカンから徳利を取り出せばちょうど良いぬる燗の出来上がり。電子レンジではできないきめ細やかな燗付け作業が可能になります。

ただ温めればいいわけではない日本酒の燗

まるで温泉に浸かって気持ちよくなった日本酒をいただいているようで、飲んでいるこちらまでホッコリしてきます。電子レンジでチンも手軽ですが、それほど手間も変わらず、それでいて日本酒も喜んでくれている(ような)湯煎で楽しむ燗酒。日本人としての喜びを感じる瞬間です。

日本人として喜びを感じる場面



ハイテク?機器で熱燗の温度を測定


 湯煎で希望の温度に燗するのには多少の経験が必要でした。燗酒の飲み頃温度を知るために手持ちの温度計を試してみました。直接酒の中にセンサーを入れて正確に計測できる熱電対型電子温度計や、離れた場所から非接触で内部の温度を計れる赤外線放射型温度計を使って燗酒の温度を測定してみました。かなり正確に温度が測定できましたが、やはり手で触って一発で燗の具合がわかるようになりたいものです。

(2016年12月19日追記)


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