2016年9月14日水曜日

快適動画編集 いよいよMotion5の3Dプロジェクトに挑戦(幕張の検定コース解説アニメを3D化)


 アクションカメラを購入してから動画編集の面白さに気づき、一年ほど前にはMotion5を購入してFinal Cut Pro X(FCPX)のテンプレートを作りながら勉強を続けています。余りにも機能が豊富なため、まだその一部しか経験できていませんが、撮影した動画をただ編集するのとは異なる作品が作れるMotion5には感心しています。

 習作とはいえどうせ作るなら役に立つものをと思い、散々苦労した大型バイクの運転免許センター(幕張)検定試験コース解説アニメーションを作ってみたのは半年ほど前のことです。地域ごとに異なる試験コースですから、究極のローカル動画なのでアクセス数は多くはありませんが、試験前に動画を見てコメントや質問をしてくれる人もいて嬉しい限りです。
イラストで描いた幕張の検定試験コース上をバイクのイラストが動き回る単純なものです。一時停止やウィンカー・ブレーキランプの点滅など手間はかかりましたが、Motion5の2D機能とビヘイビア・フィルターの勉強にはうってつけでした。(Motion5で2D版の幕張運転免許センター大型自動二輪検定コースアニメ解説を作る記事はこちら


手間をかけずに3D機能を経験する(3Dカメラを動かす)


 なかなか難しいのですが、Appleが出しているMotion5のマニュアルを少しずつ読んで機能の勉強を進めています。CG作品のような3D映像を作るのは難しそうですが、3D空間に置かれたカメラを動かして3D風の動画を作るのであれば、手間をかけずにできそうです。以前作った平面コース図の少し上にカメラを置き、それをコースに沿って動かせば3Dっぽい動画ができるのではないかと考え、チャレンジしてみました。

以前作った2D作品、平面のコース図上をバイクが動き回るだけ

 Motion5の解説記事や動画はネット上でもかなり見かけますが、ほとんどが2Dのものか、3Dでも立体文字などのシンプルなものです。動きのある3Dプロジェクトの記事はあまり見かけません。Motion5初心者が初めての3Dプロジェクトで悩んだ部分をまとめてみました。


1. 既存の2Dグループを3Dに変更


 苦労して作った2D作品がありますので、できるだけ活用して3D作品にします。Motion5のファイルをコピーしてから編集を開始しました。まず行ったのが、検定コース図が含まれるグループを2Dから3Dに変更することです。見た目は何も変わりませんが、3D空間に自由にカメラを配置できるようになります。コース図はX-Y平面に配置され、Z軸はコース図からの高さを意味します。

検定コース図が所属しているグループを3Dに変更

バイクの検定コースには「坂道発進」という高低差のある場所が用意されています。本当は3Dでカッコよくこの部分を高く見せたいのですが、Motion5には純粋な3Dデータを扱う機能はないようです。真っ平らなコース図だけではあまりにも手抜き感が強いので、一時停止の標識くらいは3Dで見えるようにしました。「止まれ」のイラストは2Dデータですが、これをコース図とは90度角度をつけて配置しました。向きと地面からの高さを調整してやると、それらしく見えます。
 本当は信号機や「見通しの悪い交差点」の壁なども3D風に配置したかったのですが、疲れてきて止めにしました。3D専用ソフトで作成したデータをそのまま読み込ませて使えれば、この部分はもっとリアルな作品になるのですが.... (もしかしたらできるのかもしれませんが、まだよく理解できていません)


2. シーンカメラ(3D仮想)カメラを配置


 ツールバーのカメラボタンを押すとレイヤーリストにカメラが追加されます。このカメラでとらえた映像が作品になります。このカメラの調整に四苦八苦しました。カメラを追加した直後は、Z軸上に配置されてX-Y平面を映し出しています。これをX-Y平面に沿った向きに変えてやらなければなりません。まずカメラタイプを初期値の「フレーミング」から「表示ポイント」に変えてやります。カメラの位置を示す座標ポイントが「フレーミング」の場合は映像側、「表示ポイント」はカメラ本体側になります。バイクに取り付けられたアクションカメラのような映像を狙って調整しますので、ここでは「表示ポイント」にしておきます。

カメラボタンでシーンカメラ(仮想3Dカメラ)を追加

表示アングルを変えると撮影されるエリアが大きく変わりますが、ここの調整は最後にして、カメラの現在位置・向き・傾き・地面からの高さを調整します。実際に走っている時にライダーが目にするような画像を目指します。

コース図に沿わせるようにカメラの向き・傾き・高さ・位置を調整

この調整はかなり手間取りました。追加したシーンカメラからの映像だけではなく、全体を俯瞰できるリファレンスカメラの映像を参考にしながら調整を進めます。


3. カメラを「モーションパス」で動かす


 コース図は2Dの時と同じですので、その時に作った「モーションパス」もそのまま利用できるはずです。これをカメラに適用すれば、ライダー視線のカメラがコース上をぐるぐると動き回るはず....なのですが、どうもうまく行きません。「モーションパス」でカメラの位置はコース上をちゃんと動いてくれているようですが、カメラの撮影方向を進行方向に合わせるために「モーションにスナップ」を適用すると、カメラがグルングルンとおかしな方向を向いてしまいます。ここで大変な時間を使ってしまいました。パラメータや相対座標に対する理解が足りていないようです。諦めかけた頃に、二つのビヘイビア適用先を、カメラに直接ではなくグループに変えてやったところ望み通りの動きになりました。

カメラが所属するグループに二つのビヘイビアをコピーして適用

新しいグループ「車載カメラ」を作成して3Dに変更。そこに先に作成してあった「カメラ」を移動。そのグループに二つのビヘイビアをコピーしました。


4. 実際のシーンカメラの画像を見て最終調整


 再生してシーンカメラの映像を見ながら、カメラの高さや角度・表示アングルを最終調整します。実際に検定コースを走った時の記憶を頼りに、できるだけ見た通りの映像になるよう調整しました。

ちょっとパラメータをいじると見え方が大きく変わる

ほんの少しカメラの高さ(Z軸)を変えたり、カメラの前傾角度を変えてやると大きく雰囲気が変わります。3Dならではの変化です。


5. 最終仕上げはFCPXで


 満足できる状態になったら、「共有」>「ムービーを書き出す」でレンダリングします。これを素材としてFCPXでタイトルや解説、BGMを入れて完成した作品がこちらです。以前準備した2D素材だけを使って、なんちゃって3Dムービーが作れました。もう少し根気があれば信号機や建物(望楼)などを3D風に追加できるのですが、目がかすんできました。

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