房総酒蔵バイクツーリングの未訪問先もだいぶ少なくなってきました。規模の小さな蔵が多い銚子地区の小林酒造場を訪問しました。実は同じ銚子市内にある飯田酒造場を先に訪問しようとしたのですが、場所がわからず断念。帰宅後にネットで場所を再確認すると、すぐ近くを何度も通り過ぎていることが判明しました。ここはまた次回ということで、今回は代表銘柄「祥兆」を作っている小林酒造場です。
千葉東金道路と圏央道を使って九十九里の方から銚子を目指しました。途中、旭市の飯岡漁港で休憩です。旭市は千葉県で唯一、東日本大震災で津波被害を受けた場所です。今も海岸沿いの町並みはところどころ土台だけになっています。海沿いの防波堤工事は現在も続いていました。
津波被害を受けた旭市の防波堤工事は今も続いています |
飯岡漁港から犬吠埼までは東洋のドーバーと呼ばれる屏風ヶ浦が続いています。その始まりが飯岡灯台の建っている兵部岬です。飯岡漁港にある飯岡みなと公園から眺めると、その高台の威容が一望できます。
兵部岬とその上に建つ飯岡灯台が見えます |
広大な低地が広がる旭市から高台が続く銚子を眺めると、この辺りの陸地の生い立ちが想像できます。旭市は九十九里の砂浜がそのまま広がったような場所に見えます。大きな津波で旭市だけが被害を受けたのも分かるような気がしました。
旭市の内陸には高台に風力発電の風車がたくさん見えます |
房総地区の酒蔵は高台からの豊富な湧き水や地下水を利用しています。良質の酒米も採れ、味噌や醤油の発酵技術も古くから発達していました。さらに最大の消費地である江戸まで川を使った水運を利用することで、商品をいち早く届けることができる場所であったため酒造りも賑わったそうです。
そういえば、飯田酒造場を探している時に偶然ヒゲタ醤油の銚子工場の前にたどり着きました。野田地区と同じように、ここ(銚子)も醤油工場があったのですね。
小林酒造場は国道356号の旧道を銚子漁港から少し走ったところにあります。住所を頼りに近くまで行き、あとは酒蔵や煙突を探しながら周りを徘徊しています。車ではなかなか探しづらいのですが、バイクは小回りが利きます。やはり酒蔵巡りはバイクに限ります。
小林酒造場の店舗、奥に蔵と煙突がありました |
酒蔵の奥様と思しき方に商品の説明をしていただきました。代表銘柄である「祥兆」の純米吟醸や吟醸などが並んでいましたが、吟醸辛口「ぎんから」と銘打った一本を購入しました。ついつい”辛口”という文字に心奪われてしまいます。燗も美味しいですよとのお言葉に決心しました。
吟醸辛口「ぎんから」を購入 |
今回は一升瓶一本の購入でしたが、一本でも二本でも安全に持ち帰れるいつもの「ツーリングお土産トートバッグ」で無事帰宅しました。帰路は佐原香取ICから東関東自動車道を使いましたが、高速を快調に走りながら「ぎんから」という名前とラベルのデザインがどうにも気になって仕方ありませんでした。どこかで見覚えのあるラベル、聞き覚えのある名前です。帰宅後にブログの記事を読み返してみると、5月に勝浦の東灘醸造で購入したのも吟醸辛口「ぎんから」でした。名前ばかりではなくラベルも瓜二つです。両側にある蔵元の名称と住所が異なっているだけでした。これってどこかのOEMなのかな、とネットで調べてみたら他にも同じ「ぎんから」銘柄があります。このへんのからくりを探るため、まず飲んでみることにしました..... 飲んでいるうちに睡魔に襲われてしまったため、謎解きは後日ということに。
勝手に「房総の地酒」を応援するTVコマーシャル風動画を作ってみました
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千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。
「ぎんから」は銘酒開発協同組合の統一銘柄清酒でした
複数の蔵元で同じ「ぎんから」が同じラベルで売られているという謎を抱えたまま、飲み過ぎで寝てしまった翌日に調査してみました。東京国税局管内の一都三県(東京・神奈川・山梨・千葉)における統一銘柄(共同銘柄)として銘酒開発協同組合が酒質設計を行い、それに基づいて各蔵元が製造販売しているお酒だそうです。「ぎんから」以外に「吟の舞」というのもあります。だから統一されたラベルを使っているんですね。
酒質は組合設計のものだとしても、各蔵元の個性はどこかに残っているのではないかと期待していますが、まだ二軒分しか味わっていないので良く分かりません。それにしても数十年にわたり一都三県の地酒を飲みまくってきましたが、こんな統一銘柄の存在は知りませんでした。銘酒開発協同組合の活動は昭和49年から始まっているようですので、私が日本酒を飲み始めた頃には既に活動していたわけですが、統一銘柄なんて聞いたことがありませ。まだまだ勉強不足です。日本酒の世界、奥が深いですね。
(2015年10月15日追記)
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