房総の酒蔵をバイクで巡るようになってから一年以上経ちます。豊富な湧き水や地下水を必要とする酒造りが行われる場所は、房総丘陵の周辺にある平地と高台の境目がほとんどです。久留里も房総中央部の高台から少し下った場所にあり、豊富な湧き水を利用して古くから盛んに酒造りが行われています。今回は一年ぶりに久留里街道沿いにある藤平(とうへい)酒造を訪問しました。ここの代表銘柄は「福祝(ふくいわい)」です。
久留里街道沿いにある藤平酒造 |
一年前に訪問した際には「福祝」しぼりたて本醸造を購入しました。濃厚な本醸造酒のしぼりたてを昨年味わいましたので、今回は米の旨味と出来立て新酒のピリッとした辛みが味わえる「福祝」初搾り中汲み純米無濾過生原酒を購入してみました。
「福祝」初搾り中汲み純米無濾過生原酒 |
中汲みは酒を絞る際に一番美味しい部分が出てくるタイミングです。これを無濾過で瓶詰めしているのですから期待が持てます。早速、栓を開けてみるとふくよかな吟醸香が漂ってきました。口に含むとかすかな炭酸の刺激とともに純米酒らしい米の味が口の中に広がります。やっぱり新酒は旨い。
以前から気になっていた山の穴を覗いてみたら「二五穴」だった
湧き水や地下水が豊富な高台周辺の酒蔵にたどり着くために房総の丘陵地帯を走り抜けています。そんな時にアップダウンのある道路沿いの山の斜面に穴が空いているのをよく目にします。以前から気になっていたので、バイクを止めて穴を覗いてみました。
房総の高台を通る道路沿いの山の斜面でよく見かける穴 |
狭いながらもすぐ横が田んぼになっています。畦道を進んで穴を覗いてみると、かなり大きなトンネルになっていて、中を水が流れていました。
穴の中を水が流れていました |
下流側にも穴があり、水が流れ込んでいます。こちらは奥が深いのか先は真っ暗でよく見えません。これって自然に開いた穴?との疑問を持ちましたが、下流側の穴の中を覗くと謎は解けました。
下流側にも穴が空いていて、水が流れ込んでしました |
川底に降りて穴の入り口を覗き込んでみました。奥は曲がっていてどこまで続いているのかわかりませんが、穴の形状はどう見ても自然に出来上がった形ではありませんでした。幅60cm、高さ150cmくらいの長方形のトンネルが続いています。明らかに人が何かの意図を持って掘った穴です。
以前、国立歴史民俗博物館の第372回講演会「里山とは?-千葉県房総丘陵にみる自然利用の歴史-」で聞いた「二五穴(にごあな)」そのものです。横幅二尺、高さ五尺の江戸時代後期に作られた手掘りの灌漑用水のことです。掘られてから約180年、今も現役の灌漑用水として役立っているそうです。奥まで歩いて行く勇気がありませんでしたが、このサイズでずっと続いているトンネルのはずです。次回は長靴を履いて、ヘッドランプ持参で探検してみたいと思います。 いつもの酒蔵巡りのつもりが、貴重な発見をしてしまったようです。
後日、「二五穴」について調べるために千葉県立中央博物館を訪ねました。千葉県の特徴的な灌漑用水として過去に展示されたことがあるようですが、残念ながら現在は展示がありませんでした。
博物館が発行した小冊子「房総のお宝シリーズ」にある程度の情報が載っていましたが、バイクでたまたま見つけた二五穴の場所は冊子にはありませんでした。もしかしたら新発見かも。房総の酒蔵巡りが、いつの間にか房総の歴史巡りになるのもいいかも知れません。房総の歴史に思いを巡らせながら地酒の初搾りをいただくのもオツなものです。
トンネル内部の様子 |
以前、国立歴史民俗博物館の第372回講演会「里山とは?-千葉県房総丘陵にみる自然利用の歴史-」で聞いた「二五穴(にごあな)」そのものです。横幅二尺、高さ五尺の江戸時代後期に作られた手掘りの灌漑用水のことです。掘られてから約180年、今も現役の灌漑用水として役立っているそうです。奥まで歩いて行く勇気がありませんでしたが、このサイズでずっと続いているトンネルのはずです。次回は長靴を履いて、ヘッドランプ持参で探検してみたいと思います。 いつもの酒蔵巡りのつもりが、貴重な発見をしてしまったようです。
後日、「二五穴」について調べるために千葉県立中央博物館を訪ねました。千葉県の特徴的な灌漑用水として過去に展示されたことがあるようですが、残念ながら現在は展示がありませんでした。
千葉県立中央博物館へ、バイクは駐車場代がかかりません |
博物館が発行した小冊子「房総のお宝シリーズ」にある程度の情報が載っていましたが、バイクでたまたま見つけた二五穴の場所は冊子にはありませんでした。もしかしたら新発見かも。房総の酒蔵巡りが、いつの間にか房総の歴史巡りになるのもいいかも知れません。房総の歴史に思いを巡らせながら地酒の初搾りをいただくのもオツなものです。
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