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2015年11月8日日曜日

マウントの鬼 Panasonic HX-A1H用の自作マウント改良版(ロック&風防機能追加)


 パナソニックのウェアラブルカメラHX-A1Hをできるだけ振動の影響を受けないようにバイクに取り付けるため、オリジナルのマウントを3Dプリントサービスで製作して実際に使用中です。マウントベースの取り付け方法を工夫し、間に余計なアームを入れなくても狙った方向を向くようにセットできました。カメラの重心部分を最短距離で固定できていますので、今までで一番振動の影響を受けにくくなっています。悩みだった空ぶかし時のローリングシャッター歪みもほとんど目立ちません。性能的には気に入っていますが、幾つか使いにくい点がありました。
 大きな衝撃で走行中に脱落したら大損害ですので、念のためホースバンドで締め付けるようにしています。これが脱着時に結構面倒です。さらに自作マウントを90度回転させた状態で使用することになりましたが、A1Hのボタンが隠れてしまい操作しにくいことです。

バイクにはこんな取り付けかたで使用中

 風切り音に弱いA1Hのためのウィンドジャマーをテストしている時に、偶然マイク部に風が当たらないようにするだけで相当風切り音が改善されることも発見。風切り音対策も含めて以下の三点を改良版で実現できるよう設計をやり直しました。

  • 脱落防止のためのロック機構を付ける
  • ロック機構にマイクの風除け機能も持たせる
  • カメラを90度回転してセットした時でも操作ボタンが隠れないようにする

使用した3D CADソフトは高機能なAutodesk Fusion 360です。最近のアップデートで日本語化され、ますます使い易くなりました。

Autodesk Fusion 360の画面、使い込むほどにその高機能に感心します

出来上がったSTLファイルをDMM.makeへ送って3Dプリントしてもらいます。素材は適度なしなりがあって安価なナイロンを選択。注文してから土日を挟んで五日ほどで届きました。

出来上がった造形物

横方向のベースマウントに取り付けた時に、前作では操作ボタンが隠れてしまう不具合がありましたので、改良版では操作ボタンが出るようサイドを削りました。

90度回転させてセットした時にも操作ボタンが隠れないように改良

赤い録画ボタンの横にある小さな三つの穴がマイクです。ここに直接風が当たるとボコボコという不快な風切り音が発生します。

マイク部(三つの穴)が露出している構造

このマイク穴に直接風が当たらないようにする風除け機能と脱落防止のためのロック機能の両方を実現するために別部品を追加しました。カチッとはめ込むだけでセット完了です。

ロックと風除けになるパーツを追加

マイク部を塞いでいるように見えますが、隙間が空いていて音は遮りません。前方からの風を除けているだけです。こんな簡単な構造でもしっかりとウィンドジャマー同等の効果を発揮してくれます。もこもことして目立つパナソニック純正のウィンドジャマーを取り付けずに済みますので、ヘルメットなどに取り付ける際には助かります。

 機能優先でシンプルに設計してみましたが、実物を見ているとデザイン的には今一つかな〜と思います。次に作る機会があれば、デザインも考慮した設計にチャレンジしてみるつもりです。



もう少しデザインを考慮したA1H用マウントアダプターに改良してみました


 実際に使用するにはある程度デザインも大切。機能を反映したデザインを目指してまた改良版に挑戦してみました。

Autodesk Fusion 360で編集中の改良版

マウントアダプター本体と一体に見えるようキャップ型とし、そこにロック機能と風除け機能をもたせました。3Dプリントサービスで出来上がったのがこれです。

A1Hをセットした状態、GoPro用のマウントベースに載せています

通常はこのままで使用できますが、脱落防止とマイク部を風に直接当てたくない時には付属のキャップをはめ込みます。

キャップをはめた状態

遠目から見てだいぶすっきりと見えます。レンズ周辺の保護にも役立ちそうな形状となりました。使用している3Dプリントサービスでは白色以外のナイロン素材も指定できますので、黒にすればますます目立たなくなります。いい感じに出来上がりました。

(2015年11月15日追記)



さらに運搬時の操作ボタン保護カバーにもなりました


 小型のHX-A1Hですので気軽にバッグやポケットに入れて持ち運べますが、ふとしたはずみに電源ボタンがオンになっていることがあります。長押しではなく、一瞬のボタン操作で電源が入ってしまうことが原因のようです。いざ使おうと思ってバッグから取り出したら、電源がすでにオンになっていてバッテリーがほとんど空だったという経験をしました。
 これはいかんです。対策が必要です。電池交換式の機器であれば外しておけばいいのですが、A1Hは内蔵式です。ちょっと頭をひねってみたら、自作マウントアダプターで即解決できました。取り付けた状態でA1H本体を回転させ、ボタンを隠してしまえば完了です。これ、ナイスアイディアではないかと自画自賛しています。

自作マウントアダプターに取り付けた状態でA1Hを回転させれば電源の誤投入が防げます

(2015年11月16日追記)


DMM.makeのクリエーターズマーケットに出品しました


 自分で使ってみて納得の出来上がりになりました。同様の市販品が見当たりませんので、DMM.makeのクリエーターズマーケットに出品してみました。マウントアダプターとウィンドジャマーを個別に購入するより安価で、しかも電源誤投入防止機能まで実現できます。興味のある方は是非覗いてみてください。DMM.makeの『風防機能つきPanasonic HX-A1Hマウントアダプター(GoProマウントベース用)』でアクセスできます。

(2015年11月17日追記)


2015年9月8日火曜日

マウントの鬼 Panasonic HX-A1Hのための振動に強いマウントを自作してみた


 小型軽量で設置の自由度が高いパナソニックのウェアラブルカメラA1Hはサイクリングやバイクで活躍中です。GoPro用に買い集めた豊富なマウントベースを活用し、REC-MOUNTSの変換アダプターを介して取り付けています。GoPro用のマウントベースは自転車やバイクの各所にしっかりと固定できますが、変換アダプターを介して取り付けられたA1Hは細かい振動の影響を十分に排除できない場合が有ります。

REC-MOUNTSのアダプターで固定(A1H本体の片側を引っ掛けるだけ)

 このことはREC-MOUNTS製のアダプターに限らず、パナソニック純正のマウント類でも同様のことが言えます。いくら軽量とはいえ重心から離れた本体末端部分で固定されていますから、特に上下方向に細かい振動が加わると画像にブレが出ます。ホースバンドなどでこのアダプターを締め込めば、画像のブレを小さくすることは可能ですが、力加減に気をつけないとA1Hのプラスチック部分が割れてしまいます。水平の調整もいちいちホースバンドを緩めなければならず、操作性も犠牲になります。

画像のブレを抑えるためホースバンドで締め付け

 もう少しスマートな方法はないか考えてみました。A1H本体の重心部(中央部)でマウントベースに固定できるようにすればいいはずです。それ以外は、ワンタッチで付け外しができ、水平の調整も簡単に回せるようにしてやれれば完璧です。早速、各部の寸法をノギスで測り、AutodeskのFusion 360でモデリングしてみました。

Autodesk Fusion 360でデザイン中の画面

今まではAutodesk社の123Dを利用していましたが、先日Fusion 360の入門セミナーに参加してその機能の素晴らしさに魅了され、乗り換えることにしました。Fusion 360でデザインしたものを3Dプリントするのは今回が初めてです。できあがったSTLファイルをDMM.makeに送って3Dプリントしてもらいました。

DMM.makeから送られてきた造形物

A1Hの着脱の際にしなりが必要なため、3Dプリントで使用した素材はナイロンです。PLAなどの硬い素材だと割れてしまう可能性があります。このナイロン素材、しなりがある割に結構丈夫で気に入っています。使える素材がPLAやABSなどに限定されるパーソナルユースの3Dプリンターの購入になかなか踏み切れないのは、ナイロンのような素材が使えないことによるのかも知れません。

0.5mmの段差もちゃんと実現できています

 宅配便が到着後、早速カメラ本体をはめてみると、純正オプションのようにパチンと音をたてて設計通りに収まりました。この瞬間がたまらなく気持ちいいです。

A1H中央部(重心付近)で固定

 今回はあまりきつめにしませんでしたが、激しい振動のある場所での使用を想定した場合、もう少しきつくてもいいかも知れません。また、実際に使用する際にはマウントベースに合わせて色は黒を選んだほうが良さそうです。しばらく評価テストを行ってから、改良版を再度作成してみようと思います。

 この試作品一つを作成するのに三千円弱の費用がかかりました。プラスチック製品のプロトタイプ作成費用としては超格安なんだと思いますが、大量生産品ではなく個人で使う予定のパーツ代としてはちょっと高いですね。




REC-MOUNTSの汎用フラッシュライト用アダプターもA1Hのマウントに使えそう


 3Dプリントサービスで試作品が完成後、Amazonでこんなものを見つけました。棒状のLEDライトなどが固定できるREC-MOUNTS製のマウントです。パナソニックのHX-A1Hは形状が短いフラッシュライトそのものです。サイクリングの際にLEDライトをマウントするのにも使えそうなので、早速注文してみました。

REC-MOUNTSの汎用フラッシュライト用変換アダプター

マウントベースへの取り付け部分は金属製で、見るからに丈夫そうです。重い電池を入れたLEDライトが固定できますので、軽量なA1Hは何の問題もなくガッチリと固定できました。

好きな位置にしっかり固定可能

これで税込2,700円でしたので、3Dプリントサービスで作った自作品とほぼ同額です。A1Hの取り付けはしっかりできていますが、気になる点としては以下の二点があります。
  • マウントベースのネジ穴からA1Hの重心までの距離が長くなる
  • 金属部品があり重量が増す
振動の影響をできるだけ避けるためには、モーメント(重量と長さの積)を小さくしたいのでちょっと心配です。実際の設置環境で比較テストをしてみようと思います。本音を言えば、自分で作ったマウントに健闘してもらいたいのですが、さてどうなるか?

非常に軽量なナイロン素材の自作マウント

(2015年9月11日追記)


マイク部風よけ効果もあるA1Hマウント改良版も作ってみました


 ウィンドジャマーの効果テストをしていて、マウントにちょっとした工夫をしてやれば風切り音が低減されることに気づきました。脱落防止のロック機構も含めて設計を見直し、3Dプリントで改良版を製作してみました。3D CADは設計変更も簡単ですね。

(2015年11月12日追記)


2015年5月8日金曜日

Fusion360の無料期間延長で困った! App Store経由で導入したMacユーザーはご注意を


 先日入門セミナーにも参加し、機能に惚れ込んだ3D CADのAutodesk Fusion360ですが、すでに導入後30日間の無料試用期間が終了していました。教育関係者には三年、スタートアップ(起業者)には一年間の追加無料期間をもらえると聞いていましたので、その処理を行おうとしてトラブルに見舞われました。特にMacユーザーに関係すると思われますので、顛末をまとめておきます。

 Macについては昨年からの初心者ユーザーです。アプリケーションをインストールする際、App Storeに登録されているものはApp Storeから、そうでないものはネットの専用のダウンロードサイトから行っています。Autodesk 123DもFusion360もApp Storeに登録されていますので、そのままApp Storeから導入して特に問題もなく使っていました。App Storeからインストールしておけばアップデートも自動で行われ、とても便利です。Fusion360も少し前に自動でアップデートされています。

App StoreのFusion360

 久しぶりにFusion360を立ち上げたところ、無料期間が切れているとのメッセージが赤く表示され、今後のオプションを選択するよう促されます。

無料期間終了のメッセージと表示されるダイアログ

 ここでハマリました。次の画面に行くと、有料オプションを選択する画面しか出てきません。何か別の設定が必要なのか、事前に対応が必要なメールがAutodeskから届いていなかったか、などなどネットを検索したり古いメールを探したりで大変な時間を使ってしまいました。一時はAutodeskの方針変更で、追加の無料期間がなくなってしまったのかと疑い、Autodesk社のサイトを読みまくりましたが、そんな情報もありません。

 あきらめかけた頃、App Storeからインストールするアプリと各社のダウンロードサイトから直接インストールしたソフトは微妙に異なるとネットで目にしたことを思い出しました。ものは試しに、一旦入っているFusion360を消してAutodeskのサイトから直接インストールしてみました。結果はビンゴ!です。「Register for Free Use」というオプションを含んだダイアログボックスが表示されるようになりました。


 ここから先は簡単です。学生・教育関係者なのかスタートアップなのかを選択し、国を選んで提供条件に同意するチェックを入れてSubmitボタンを押せば完了です。これだけで無料期間終了の赤いメッセージは消えて無くなりました。


 それにしてもApp StoreからインストールしたFusion360では上の画面が出なかったのには驚きです。もしそのままだったらFusion360の継続使用をあきらめていたかもしれません。App Storeに登録されているソフトがダウンロードサイトと異なることを初めて経験し、いい勉強になりました。Fusion360をApp Storeからインストールした方はくれぐれもご注意を。




Fusion360日本語版がリリースされていますがApp Storeではまだみたい


 Autodeskのサイトからは既に日本語版がリリースされています。以前の英語版を立ち上げたらアップデート画面が現れ、指示どうりに操作したところ見事日本語のメニューが表示されました。App Storeの方はどうかなと覗いてみると、まだ英語のままでした。

(2015年10月2日追記)


2015年4月13日月曜日

一般人が使える3D CADソフトもここまで進化している(Fusion360入門セミナーに参加しました)


 土曜日と日曜日の午後二回にわたってAutodesk Fusion360の入門セミナーに参加してきました。主催はクリエイター向けのポータルサイトを運営しているMakers Love(メイカーズラブ)です。今回参加のコースは「3DCAD入門セミナー」で、高機能なFusion360を使いながらも初心者でも取り組める内容になっていました。一年ほど前からAutodesk社の123Dという3D CADを使って、欲しいものをデザインし、DMM.makeの3Dプリントサービスで現物にしてもらっていました。

 過去の123Dを使った製作記事はこちら。


基本的に色々なサイズの円柱や立方体を組み合わせ、不要な部分を削れば作れる程度の物ばかりですので、123Dでも不足はありませんでした。分かりやすいインターフェースで、しかも無料とあって、3D CADの世界に初心者が入っていくにはうってつけのソフトだと思います。

 しかし、慣れてくるに従ってこんな機能が欲しいなと思うことが増えてきました。複数の部品を組み合わせて使うものを設計するときには、組み合わせがうまくいくかどうか頭の中で想像しながら進めていくしかありません。3Dプリンター以外で製作するものは寸法が記入された平面図が欲しいのですが、123Dでモデリングしたものを参考にして別ソフトで図面に落とすしかありませんでした。
 何かいいソフトはないかと探していたときにFusion360というソフトを見つけました。プロ仕様のソフトらしいですが、条件によってかなりの長期間無償で使用可能とのこと。早速インストールしてみましたが、サンプルファイルのオープンすらできません。Amazonで日本語の入門書を探してみましたが、見つかりません。しばらく放置していました。そんなときMakers Loveのサイトを眺めていたら、Fusion360の紹介記事とともに入門セミナーの案内を見つけ、早速申し込みました。

 セミナーは分かりやすいテキストに従って、実際の操作を行いながらテンポよく進んでいくため大変参考になりました。ついていけない部分があってもスタッフの方が後ろから素早くフォローしてくれるので、すぐにキャッチアップできます。講師・スタッフの皆様に感謝感謝です。今まで使っていた123Dとの違いも分かりやすく、乗り換えに不安は無くなりました。

Autodesk Fusion360でモデリング

 直方体や円柱などの基本型を並べて組み立てていく手法がメインの123Dに比べ、二次元スケッチをベースにして立体を作るのがこんなに便利だとは知りませんでした。しかも途中の作業が履歴として残っており、やり直しや寸法の変更が簡単に行えます。この機能だけでも123Dから乗り換える価値は十分ありそうです。

簡単に平面図になります(寸法線の記入は手動)

 セミナーでの実習はありませんでしたが、Makers Loveのサイトで紹介されていた製図機能も試してみました。3Dモデリングしたものを持ってきて投影すれば平面図になります。寸法線は自分で必要に応じて追加する必要がありますが、数値はモデリングしたものから持ってこられるので正確です。今まで欲しい欲しいと思っていた機能がまさにこれでした。

彫刻(Sculpt)モードも持っています

 Sculptモードも持っていて、一つのソフトの中でカチッとしたモデリングと自由な曲面をもつ彫刻物を混在してデザインできます。Sculptは初めてですが、自分の隠れた才能?が発見できそうです。画面を四分割して複数の方向から確認しながら作業を進められるなど、これがプロ仕様かと感心しました。使用しているMacBook ProでもSculptモードでグリグリと編集すると頻繁に処理待ちになります。やっぱりかなりのシステムパワーが必要なようです。

 こんな素晴らしいソフトを提供してくれるAutodesk社と入門者への普及を促進しているメイカーズラブの皆さんに感謝しながらセミナーの復習課題に取り組んでいます。



アクションカメラ(HX-A1H)のマウントをFusion360で自作


 だいぶ操作にも慣れてきたため、実用的なものを自分で設計してみました。バイクや自転車で動画を撮るために購入したPanasonic HX-A1Hですが、市販のマウントは細かな振動に弱いため、固定部を重心付近に移動して振動に強くしたオリジナルマウントをFusion360でデザイン。DMM.makeからプリントされてきたものは狙い通りの性能でした。市販品にないものを自分で設計し、実用品として利用できる時代になったのを実感しています。

(2016年1月22日追記)


2014年12月15日月曜日

激安中国製LEDライトを自転車用ライトに(3Dプリントサービス利用でマウント試作)


 日没が早くなりました。サイクリングの帰路に自転車用ライトを点灯することも増える季節です。冬場は必ず夜間走行可能なライトを持参するようにしていますが、なかなかこれといった製品に巡り会えません。ロードバイクに乗り始めた頃に、二〜三千円くらいの専門メーカー品で走ってみましたが、夜間のサイクリングロードでは全く役に立ちませんでした。街路灯のある街中での夜間走行を前提としているようで、全く照明のない土手の上は怖くて走れませんでした。

 専門メーカー製の明るいといわれるライトを検討してみましたが、どれも一万〜二万円以上します。予備のバッテーリーも五千円くらい。おいそれとは手が出ません。今メインで使っているのはDosunA1という自転車専用ライトです。光量は200ルーメンで、買った当時は上位に入るスペックだったのですが、今ではもっと明るいものがたくさん出ています。このライトの良いところは、バッテリーが単三電池4本でいいところと、対向車・歩行者が眩しくないように配光が考慮されていることです。このライトで二シーズンくらい夜道を走りましたが、最近は年齢のせいかもっと明るいものが欲しくなりました。

Amazonで三千円以下で手に入れたチャイナ・ライト

少し前にキャンプや釣りに使おうと思ってAmazonで中国製LEDライトを購入していました。このライト、売り文句では1200ルーメンだそうで、今使っているA1の6倍もあります。真っ暗にした部屋で二つを比べてみました。6倍もあるとは思えませんでしたが、A1より明るいのは間違いないようです。使用バッテリーが18650と呼ばれるLi-Ion充電池一本だけなので、予備にもう一本持っていってもそれほど嵩張りません。さて、これを自転車で使えるようにできないだろうかと思案してみました。

 汎用のライトを自転車に取り付けるホルダーも売っていますが、どれも取り付け方法やデザイン等今ひとつです。自転車にはGarminのサイクルコンピューターとGoProが同時に取り付けられるマウントがハンドルについています。夜間はGoProを使うことはないので、この部分にライトをつければスマートです。自転車用ライトとして使用する際の考慮点は、これだけ明るいライトですので人や車への防眩対策です。内部の反射板はいじれませんので、ライトの上部に庇を付けて上方への光をカットするようにします。

Autodesk 123Dで早速モデリング

とりあえず試作品ということでコスト度外視。いつものようにAutodesk 123D Designでデータを作成しDMM.makeへ発注、待つことしばし。到着後、ライト本体にはめてみたのが下の写真です。いつもながら一発で合体。気持ちいいです。(自分の3Dプリンターがあればいろいろサイズやデザインを変えて再造形ができるんですが.....)

いつもながらぴったりとハマり満足、でも取り付け部分の強度が心配

配光を調節する庇の部分は本来は平板にしたほうがいいのかもしれませんが、強度とデザインの関係で曲面としました。自転車に取り付けてみたのが下の写真です。

GoPro取り付け部分にマウントした激安チャイナ・ライト

なかなかいい感じでマウントできています。実際の夜間走行はまだできていませんが、前方に立っても直接目に入る光がカットされていて眩しさは感じられませんでした。取り付け部が振動に耐えられるかが心配ですが、しばらくテスト走行を重ねてみたいと思います。



激安中国製LEDライトで実際に夜間走行してみました


 防眩対策とマウントはできましたので、何度か夜間走行でテストしてみました。1200ルーメンの実力やいかに、ということで期待していましたがダメ! 以前から使用している200ルーメンのDosun A1の方がはるかに夜間走行では安心して走れました。

自転車専用に設計されたDosun A1

配光特性なども関係するとは思いますが、とても1200ルーメンの明るさとは思えません。この激安ライトだけでは街路灯のない道は走れませんでした。A1と両方使えばそれなりに明るくなりますが、ハンドル周りにでかいライトを二つも付けて走るのはスマートではありません。すれ違う人が驚いているのが分かりました。マウント、重量、バッテリー、配光等々やっぱり専用品を選ぶ方が賢いのかもしれません。

(2015年4月7日追記)



別の格安中華ライトを夜のサイクリングロードでテスト


 その後、自転車用に売られている別の格安中華ライトを街灯の全くない夜のサイクリングロードに持ち出して見ました。こちらも1200ルーメンを謳っている製品ですが、別途用意した外部のモバイルバッテリーを電源として使っているためか、かなり明るく路面を照らしてくれました。今度は明るすぎて歩行者に気を使ってしまうくらいです。

(2017年2月8日追記)


2014年12月12日金曜日

コベルコ教習所で憧れのアーク溶接特別教育受講(メイカーズとしては身につけたい技術)


 三日間のアーク溶接特別教育を受講してきました。自作マニアを自称しているにもかかわらず、今まで一度も溶接の経験はありませんでした。最近話題のメイカーズの間ではCNCルーターによる切削やレーザーカッターによる切断、3Dプリンターによる積層造形など最新の機器を利用した工作手法が脚光を浴びていますが、丈夫な鋼材を組み合わせて機器の骨組みを作る際などには昔からある溶接技術が欠かせません。子供の頃から一度はやってみたいと思っていた溶接を教えてくれるところを見つけたので、今後のために参加してきました。

コベルコ教習所市川教習センター入り口

教えてくれるのは大手建機メーカーであるコベルコの子会社、コベルコ教習所です。敷地内にはもちろんコベルコの建機が所狭しと並んでいて、溶接以外にもクレーンやフォークリフト、ショベルカー、玉掛けなどなどガテン系(?)の技術と資格の取得を支援しています。
 有料であり、三日間もかかる講座ですので、私のように半ば興味本位で参加しているのは少数派で、仕事で必要な資格取得として参加している人がほとんどのようでした。(服装を見れば一目瞭然....)

講師が懇切丁寧に指導してくれます

経験者も多く、実技では当然雲泥の差が出ます。生まれて初めてのアーク溶接にトライしてみましたが、今回教えてもらった基本を忘れず実践を繰り返して上手くなってねという感じです。ど素人が一日ちょっとの実技で、アークを発生させ、T継手の溶接まで実施しました。溶接部は目も当てられない仕上がりですが、自分でやるための知識と経験が得られたということでは大きな収穫でした。

仮止めして先ず片側を溶接(恥ずかしい....)

 溶接棒が鉄板(母材)に張り付かないようにしながら最適な位置でアークを発生させるのが結構大変です。慣れるまでは何度も溶接棒を母材に張り付けてしまいました。作業中徐々に短くなる溶接棒と母材の間隔を一定にしながら、左から右に溶接していきます。終わりは溶接棒を反対側に倒しながら母材から離します。ここを上手くやらないと溶接部にくぼみが出来てしまいます。とにかく何度も経験するしかなさそうです。

次に反対側を溶接(少しはまし?)

 せっかく習った技術ですので練習を重ねたいところですが、自宅には設備がありません。家庭用の100V電源で使える格安な溶接セットがホームセンターで手に入りますが、アークを出したり、継続させるのが難しいそうです。ちょっと値は張りますが、200V仕様を選ぶのが良いとのこと。さらに、機材より作業場所が問題です。住宅街の真ん中で、家の前で溶接の練習は無理そう。ホームセンターの工作室も溶接までは対応していなかったと記憶しています。さて、困った。

 CNCルーターや3Dプリンター等最新機器が話題に上りますが、ものづくりの世界は昔からある熟練工の基礎技術があってこそ成り立つのではないかと思います。今回参加の講義内容を簡便にして、中学や高校の技術で教えたらもっと日本の技術力向上に貢献できるような気がしました。


2014年11月27日木曜日

3Dプリントサービスで特殊仕様の電池ホルダーを作って見ました


 自転車のハンドルバー内にちょっとした電子回路を組み込もうと思い、内径21mmのハンドル内に入る単四電池二本用の電池ホルダーを探したのですが見つかりませんでした。 市販品になければ自分で作ろう、という最近のMakersブームに乗りトライして見ました。


CADが初めてでも何とか使える123D Design


 先ずはAutodesk 123D Designで3Dデータを作成です。このような優れたソフトが無料で使えるなんて夢のようです。CADの使用経験はありませんが、ネット上に出回っている解説記事や英語ですがAutodesk社が出している機能説明動画を見ればなんとなく使い始めることができました。

 単四電池の直径をノギスで測ってみると10.2mmほどでしたので、二本を横に並べたらそれだけでギリギリです。横方向には電池以外何も造形物を置かないという方針で作成したのが下の画像です(同じものが二個分並んでいます)。

Autodesk 123D Designでデータ作成

豊富な機能の中から円柱や立方体などのプリミティブを並べてサイズを調整し、加算や乗算、減算などの論理計算で加えたり削ったりしてやれば、大まかな部分は出来上がりです。二次元のスケッチを描いてから、それを立体に押し出す方法もあるのですが、不慣れなため今回はこの機能は使用せずに進めました。少し慣れてくると、この方法だけでたいていのものがデザインできます。


3Dプリントは外部のサービスを利用


 このデータをSTL形式にしてDMM.makeの3Dプリントサービスに送り、一週間ほどで完成品が届きました。出来上がったのが下の写真です。電池をはめ込むときにしなりが必要なため、ナイロン素材でオーダーしたため色は白。別途用意していた金属電極を取り付けて、乾電池を入れてみました。パチンと音を立てて電池が収まったときは気分爽快です。内径が21mmのハンドルバーにすっぽりと収まりました。

ぴったり電池二本分の幅です(金属部品は市販品)

自分がパソコン上でデザインしたものが立体の実物になって手元に届くというのは驚きです。まさに時代は変わったという感じですね。

 ただ、単なる電池ホルダー二個を作るのに三千円前後もかけていては商業的には成り立ちません。3Dプリントは究極の一品一様生産方式ですが、市販品に負けない生産コストが実現できないものか試行錯誤しています。自分用の3Dプリンターを購入しようかどうか悩んでいる最中ですが、今回使用したナイロン素材が扱える3Dプリンターで個人が買えるような価格帯のものは存在しないようです。強度と適度なしなりを兼ね備えた使いやすい素材が使える普及価格の3Dプリンターが出てきて欲しいものです。



123D Designがサービス終了


 2017年3月末で123D Designのサービスが終わりました。2015年4月頃からより高機能なFusion 360へ乗り換えていましたので、今回のサービス終了は特に問題になりませんが、3D CAD入門のきっかけを作ってくれた優れたソフトの終了は寂しいものです。操作に慣れるに従って色々と不満も出てきましたが、用意されたプリミティブ(基本図形)を拡大・縮小しながら組み合わせて、不要な部分をカットするという造形の基本を学ぶことができたソフトです。Fusion 360、Tinkercad、Remakeが後継ソフトとして挙げられていますが、Fusion 360しか使ったことがありません。ぼちぼち勉強しながらAutodeskの方向性を確かめて見たいと思います。

(2017年5月9日追記)