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2016年5月15日日曜日

房総酒蔵バイクツーリング 異様に真っ直ぐな御成街道を通って東金ダムと花の友へ


 地図を眺めていると陸上自衛隊下志津駐屯地から南東に向かって異様に真っ直ぐな道路があることに気づきます。御成街道という名前が付けられていて、何やらお殿様に関係しそうな雰囲気。バイクや自転車で何度か通りましたが、片側一車線の真っ直ぐな道は走っていて面白みに欠けます。しかし、東金方面へは国道126号を使うより距離が短く、渋滞も少ないようで裏道として時々利用するようになりました。

御成街道の道標(陸上自衛隊下志津駐屯地付近)

最近になって東金付近を自転車で走り回るようになりました。先日、自転車で初めて東金ダムへ行った時には、細い生活道路に御成街道の看板が掲げてあるのを発見。こんなところまで続いているんだと驚きました。

東金の細い道に掲げられた御成街道の道標

東金市が発行している「歴史と自然をめぐるガイドブック」には次のような解説がありました。『慶長18年(1613)12月、佐倉城主・土井利勝は、徳川家康から東金辺鷹狩りの準備を命じられました。そこで、船橋と東金をほぼ直線で結ぶ新道を造ることになり、沿道97か村もの村民を総動員して突貫工事を実施。10日〜15日という短期間で完成させたといわれています。』

 こんな歴史を知ると単調な街道を走るのも少しは楽しくなります。ちょうど千葉の地酒も底をついていたので、酒蔵訪問も兼ねてバイクで東金を目指しました。実際のGPS軌跡を見てみると、走り始めてから8キロほどは定規で線を引いたかのように本当に真っ直ぐです。途中一部が開発のために道が変わっている部分もありますが、船橋から37キロの直線道路をよく二週間足らずで作ったものです。


御成街道の終着点は東金ダムの南側にある八鶴湖の周辺だそうです。この辺は牛久・東金崖線がありアップダウンのきつい道路が走っていますが、バイクなら楽チン。数日前にも自転車で来ていた東金ダムでしばし休憩しました。人工のダム湖らしく、よく整備された遊歩道や広場が気持ちの良い場所です。

東金ダムで休憩

ここは東金崖線の上部にあり、流れ込む川はありません。遠く利根川から水をポンプで押し上げてここに貯めています。取水口なのか注水口なのかわかりませんが、湖面に定期的に大きな泡が噴き出していて面白い光景です。

湖面に大きな泡が定期的に噴き出しています

 東金ダムから次に向かったのは清酒「花いちもんめ」を造っている花の友です。国道126号から少し山側に入った場所にあり、なかなか見つけにくい酒蔵です。JR総武本線の成東と松尾の間にあり、大堤交差点で国道126号から北側の細い道に曲がればすぐにたどり着きます。

国道126号北側の高台の縁にある花の友

前回花の友を訪問したのは昨年の8月でした。熟成された冷やでも燗でもいける吟醸酒を購入しましたが、今回は生原酒の「しぼり酒」を手に入れることができました。そろそろしぼりたて生の出荷もピークを過ぎている頃でしたのでラッキーでした。蔵を直接訪問しないとなかなか入手できない生原酒です。

生原酒「しぼり酒」

前回もそうでしたがご夫婦でやられているようで、とても丁寧な応対をしていただき嬉しくなります。バイクでの一升瓶持ち帰りを心配して丁寧に梱包していただきました。

花の友の母屋

加水や熱処理をしていない生原酒ですので猪口に注ぐとトロッとしていますが、すっきりとした味わいです。いけます。アルコール度数が19%以上もありますので飲みすぎ注意の生原酒でした。

トロッとした生原酒はかぼちゃの煮物にぴったり



御成街道の起点になっている船橋の東照宮


 後日、御成街道の起点が船橋市内にある東照宮であることをテレビで知り、訪ねてみました。東照宮といえば日光ですが、同じ名前の神社が船橋にもありました。もちろん徳川家康を祀っていますが、こちらは御成街道を使って鷹狩りに出かける際の宿泊所となっていた船橋御殿の跡地に建てられた日本一小さい東照宮だそうです。

船橋にある東照宮、葵の御紋や見猿言わ猿聞か猿もちゃんと

(2017年2月5日追記)



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2016年5月4日水曜日

房総酒蔵バイクツーリング 勝浦にある東灘醸造の鳴海(なるか)シリーズに夢中です


 房総の酒蔵から新酒の便りを聞きつけてはバイクで訪問し、蔵一押しの酒を買い求めています。純米の直詰め生原酒を「鳴海(なるか)」という銘柄で複数出荷している勝浦の東灘醸造には年が明けてから何度も訪問。その度に出荷されたばかりの種類の違う「鳴海」を購入しています。

東灘(あずまなだ)醸造入り口

ここは海沿いを走る国道128号から少し山側に入ったちょっと分かりにくい場所です。国道から離れ、さらに車一台がやっと通れるくらいの狭いJR外房線のガード下をくぐり抜けたらすぐに蔵の入口になります。

Google Earthで見た東灘醸造の場所

東灘醸造の鳴海シリーズに最初に出会ったのは2月の中旬でした。純米吟醸直詰め生の「赤」です。しぼりたての新酒をその場で瓶詰めするため少々のオリと発酵由来のかすかな炭酸ガスが含まれています。これを初めて飲んだ時の味と感動が忘れられず、その後「鳴海」シリーズが発売される度に東灘醸造を訪れるようになりました。

 「鳴海(なるか)」シリーズに共通するのは、純米吟醸もしくは特別純米の直詰め生という点です。原料米と精米歩合と仕込み時期の違いで6種類の「鳴海」が作られています。飲んだ順番にご紹介すると.....

鳴海(なるか)純米吟醸 直詰め生「赤」


原料米     北海道産彗星
精米歩合    55%
アルコール分  17度
日本酒度    -7
酸度      1.4

ほのかな甘みと微炭酸の刺激がたまらない味です。これを一口味わって鳴海のファンになりました。



鳴海(なるか)特別純米 直詰め生「白」


原料米     千葉産ふさこがね
精米歩合    60%
アルコール分  17度
日本酒度    +7
酸度      1.7

辛口でキレがある上に微炭酸の刺激でいっそうさっぱりとした飲み口、それでいて生のトロッとした口当たりが楽しめます。



鳴海(なるか)特別純米 直詰め生「青」


原料米     富山産五百万石
精米歩合    60%
アルコール分  17度
日本酒度    +5
酸度      2.0

爽やかな香りとキレの良さ、シリーズ共通の微炭酸の刺激でスイスイ飲める純米酒です。



鳴海の風2 特別純米 直詰め生


原料米     秋田産酒こまち
精米歩合    60%
アルコール分  17度
日本酒度    -1
酸度      1.6

本来は夏酒として出荷している鳴海の風2をできたての春バージョンとして瓶詰めしたもの。微炭酸のやや辛口で、夏の暑い時期に冷が旨い酒です。



鳴海(なるか)純米吟醸 直詰め生「山田錦」


原料米     兵庫産山田錦
精米歩合    50%
アルコール分  17度
日本酒度    ±0
酸度      1.6

精米歩合50%のシリーズ中最も高価な鳴海です。猪口に注いだ瞬間吟醸酒特有のフルーツの香りが漂います。口にすると溶け込んだ微炭酸の刺激とともに米の旨みが拡がり、何杯でも飲めてしまう味わいです。


鳴海の風 特別純米 直詰め生


原料米     富山産五百万石
精米歩合    60%
アルコール分  17度
日本酒度    +2
酸度      1.7

鳴海シリーズの最後を飾る夏向きの生酒です。他の蔵が「夏吟醸」と銘打って火入れしたものを出荷し始める頃に直詰めの生酒が楽しめるのは貴重です。シリーズ共通の微炭酸の刺激がさっぱりとした味と相まってまさに夏向き。
(2016年5月31日追記)


『搾りたての新酒を槽場(ふなば)で直詰め』とは


 蔵の商品説明には『搾りたての新酒を槽場(ふなば)で直詰めしている』とあります。酒を搾る酒槽(さかふね)の槽口(ふなぐち)から出てきたばかりの酒が本物の搾りたてですが、通常は濾過したり火入れしたりの後工程を経てからタンクで秋まで貯蔵されます。タンク内で熟成され、荒々しさが取れてから瓶詰めされて出荷されるのが普通の日本酒。春先だけ楽しめる生原酒はこれらの後工程を省いたもので、冷蔵保存が必要で日持ちしませんができたてが味わえるこの季節ならではの酒です。

現在は機械搾りも多いが基本は同じ日本酒の搾り工程

「鳴海(なるか)」シリーズは絞られた新酒がタンクなどを経ずにその場所(槽場)で瓶詰めされています。さらに濾過や火入れ、加水などの工程も省かれている生原酒ですので若干のオリと微炭酸がそのまま含まれることになります。

 搾る際に最初に出てくる酒は薄く濁っていて荒々しさがあり、あらばしりと呼ばれます。その後出てくるのが中汲み(中取り)です。ここが日本酒では一番おいしいところと言われています。最後に圧力をかけて残った酒を絞り出したものが責めで、雑味があります。通常はこれらをタンクでブレンドして味を調整しますが、「鳴海」は中汲みだけを槽場で直詰めしていますので旨くないわけがありません。こんな手の込んだおいしい酒が飲めるなんてまるで夢のようです。



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2016年4月30日土曜日

房総酒蔵バイクツーリング 世界に打って出る?酒々井の飯沼本家で夏吟醸を購入


 世の中は大型連休で賑わっていますが、どこの観光地も大変な混雑でついつい出不精になってしまいます。こんな時には家で旨い日本酒を飲みながら名作映画でも鑑賞していたいものです。まだ梅雨にも入っていませんが、一部の酒蔵からは夏吟醸と銘打ったフルーティーな冷酒用の吟醸酒が出始めました。訪問したのは酒々井の飯沼本家。「甲子(きのえね)」ブランドを持ち、千葉の酒蔵の中では大手に位置しています。季節ごとの新酒が豊富なため、ついつい覗いてみたくなる酒蔵です。ギャラリーやレストランも併設した「酒々井まがり屋」という店舗を持っていて、お酒を買わなくても楽しめます。

飯沼本家の酒蔵の隣にある酒々井まがり屋

房総の酒蔵の中では比較的家から近いため、自転車やバイクで度々立ち寄っています。前回酒々井まがり屋に来て購入したのは花見酒と銘打った純米吟醸生原酒「甲子」春酒香んばしでした。花見用に購入したのですが花が咲く前に飲んでしまい、結局もう一本買いに来たのを思い出します。

 今回訪れてみると建物の横に今までなかった見慣れないものができていました。『KINOENE SAKE&TOKYO』と書いてあります。東京都が音頭取りをしている東京ブランドロゴの利用許諾を得たようです。

東京ブランドのロゴが記されたスカイツリー?と杜氏の人形

手作り感いっぱいのタワーと可愛い人形が置いてありました。東京の企業でなくても利用できるんですね。2020年の東京オリンピックに向けて千葉県の地酒も世界に打って出る意気込みのようです。海外で日本酒がブームになっているとはいえ、たくさんの酒蔵の中から選んでもらうのは大変だと思います。是非頑張ってもらいたいものです。

杜氏の人形も可愛い

 少し前に出荷されたばかりの夏吟醸と銘打った甲子を購入しました。飯沼本家のホームページには『果物のようなフルーティーで華やかな吟醸香と軽快な飲み口が特徴。爽やかな甘みときれいな酸味、そして旨味のバランスが絶妙にマッチした吟醸酒です。夏に旬を迎えるスズキやコハダとも好相抜群!カルパッチョや冷製パスタなどの洋食にも良く合います。』と期待感を膨らませる言葉が並んでいます。

夏吟醸「甲子」

早速、つまみにする刺身を買いに行きました。この時期旬のアジのたたきとかぼちゃの煮物を肴に冷酒で飲んでみると、ホームページでの売り文句通りの味です。思わず「うまぁ〜い」と声が出てしまいました。これからじめじめとした梅雨と本格的な夏がやってきますが、夏吟醸があれば乗り切れそうです。



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2016年4月29日金曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 木更津の由来となった「きみさらず」を求めて


 房総の酒蔵で作られる搾りたて新酒の出荷もそろそろ一巡しました。これからは一旦貯蔵されたものが主流になります。千葉県酒造組合の地酒ショップを覗いていたら君津市にある小泉酒造の純米吟醸「きみさらず」が目にとまり、購入して帰りました。

小泉酒造の純米吟醸「きみさらず」

冷やして飲んでみると、実にさっぱりとした吟醸酒です。どんな料理と一緒に飲んでも楽しめる味わいです。飲みながら裏のラベルを眺めていたら、「きみさらず」という名前の由来が書かれていました。

瓶の裏ラベルに「きみさらず」の由来が書かれていました

ラベルには『南房総木更津の名のおこり。君不去伝説より名付けました。』とあります。木更津の名前の由来など考えたこともなかったのでネットで調べてみると、木更津市のホームページに君不去(きみさらず)伝説が紹介されていました。さらに市内の太田山公園にこの伝説を基に作られたきみさらずタワーという展望台があることもわかりました。早速その伝説のタワーを調査するために木更津に向けバイクを飛ばしました。

太田山公園には無料の駐車場があります

太田山公園の入り口近くにある無料駐車場にバイクを停め、徒歩でタワーを目指します。後で気づきましたが、タワー直下にも別の駐車場があり、ほとんど歩かずに目的のタワーまで行くこともできます。

公園の頂上を見上げると何やら見えてきます

平地の多い海沿いの木更津市では珍しい小高い山になっている太田山公園です。しばらく登ると公園の頂上に出ました。大きな「きみさらずタワー」が現れます。タワーのてっぺんに二つの像が立っています。これが君不去伝説の基になった日本武尊(やまとたけるのみこと)と弟橘媛(おとたちばなひめ)。二体の銅像が向かい合って立っていました。

太田山公園にある「きみさらずタワー」

船の形をした展望台まで階段で登ることができます。標高44メートルの太田山公園の頂上からさらに展望台は11.7メートルの高さがあり、周りは平地ばかりですので360度の景観が楽しめました。特に西の東京湾方面を望めばアクアラインから対岸の東京都心部まで一望できます。

きみさらずタワー展望台から東京湾方面を望む

夜間は銅像がライトアップされ、東京湾岸のイルミネーションが楽しめる夜景スポットになっているそうです。確かに夜見たらきれいでしょうが、ちょっと怖いかもしれません。

 タワーの下には弟橘媛(おとたちばなひめ)を祀った橘神社が建てられていました。君不去伝説にちなんでこの地も「恋の森」と呼ばれているそうです。そういえばこの近くにある中の島大橋も「恋人の聖地」でした。酒好きのバイクオヤジにはもう無縁ですが、木更津は「恋」が溢れる場所のようです。

弟橘媛(おとたちばなひめ)を祀った橘神社

橘神社の説明に君不去伝説が書かれていました。この「きみさらず」が木更津の語源になったという説があり、木更津市ではふるさと創生事業でこのきみさらずタワーを建てたそうです。

君不去伝説が書かれた橘神社の説明

房総の地酒を飲んで君不去伝説を知り、きみさらずタワーを訪ねるというのも趣があります。単なる暇人と呼ばれそうですが、いくつになっても探究心は尽きません。


2016年4月27日水曜日

房総酒蔵バイクツーリング 夏向き吟醸酒を求めて佐原の東勲酒造を訪問


 春の新酒の時期が過ぎ、いよいよ夏に向けて各蔵が準備を進めている頃です。早くも夏向けの純米吟醸酒が出荷されたと聞き、佐原にある東勲酒造を訪問しました。小江戸と呼ばれる風情ある街並みの中、旧街道沿いにあり場所はすぐにわかります。街中は一方通行の細い道が入り組んでいますが、道路標識には「二輪を除く」とありバイクは好きな方向に進めます。やっぱり酒蔵巡りはバイクが一番です。

東勲酒造の入り口、奥に酒蔵が続いています

前回東勲酒造を訪れたのは昨年の7月ですので、酒造りは一段落している頃でした。熟成された純米吟醸酒を買って帰りましたが、今回は夏向きの無濾過生原酒純米吟醸「夢童」です。人気の商品らしく、500本限定の酒を売り切れ前に手に入れるべく酒蔵を直接訪問してみました。

無濾過生原酒純米吟醸「夢童」

千葉県酒造組合のホームページでは前日に出荷開始となっていましたが、酒蔵では陳列されていません。「夢童」が欲しいと告げると奥から持ってきてくれましたが、レジに商品登録されていなかったようで、会計がなかなか終わりませんでした。出荷された直後の酒を蔵に直接買いに来る客は珍しいのかもしれません。

 利根川の河川敷で地盤の軟弱な佐原は五年前の東日本大震災でかなりの被害があった場所です。古い街並みも至る所で倒壊しましたが、地元の力と外からの多くの応援でいち早く復興を果たしました。地震で落下した瓦に応援のメッセージが書かれたものが東勲酒造の敷地内にたくさん飾られていました。今では何事もなかったかのように美味しい酒を作っている酒蔵ですが、被災直後は大変な状況だったようです。

東日本大震災で落ちた瓦に書かれた応援のメッセージ

 房総の酒蔵を巡っていると自然に千葉県の地形が頭に入ってきます。水の豊富な房総半島西側(東京湾側)の高台と、平地が多く水が乏しい南東側(太平洋側)では環境が大きく異なります。どの時代の為政者も腐心した治水・利水事業ですが、関東平野はとりわけ大きな事業が行われてきました。自転車やバイクで長柄ダム、東金ダムを訪れて知った房総導水路事業は最も新しい大規模水利事業です。農業・工業・生活用水が不足している九十九里平野や大多喜地区へ利根川から100㎞もの距離を隔てて水を送る大事業。利根川から標高差約100メートルの場所へ複数回の揚水ポンプを経て水を送り続けています。治水・利水事業の壮大さに何となくロマンを感じていました。

独立行政法人水資源機構房総導水路事業のホームページから引用

長柄ダムや東金ダムは度々訪れているのですが、利根川から水を引いている両総用水第一揚水機場はどこにあるのか知りませんでした。今回東勲酒造を訪れる途中で見つけた水門がその場所でした。

佐原の水源橋近くにある両総第一揚水機場

ここで汲み上げられた利根川の水が遠く南房総まで送られているとはすごいことです。いつの時代も為政者が行う事業の壮大さを感じます。

この用水のおかげで千葉の米作りも発展したようです、地酒も恩恵を受けてますね

 利根川沿いを走っていたら広大な菜の花畑を見つけました。盛りは過ぎている菜の花ですが、種を取るためにそのままにしているようです。季節が一、二ヶ月戻ったような景色ですが、大型連休前に見事な菜の花畑を見つけて何だか得したような気持ちになりました。

種を取るために枯れるまでそのままの菜の花畑の前で記念写真

種が取れる頃には本当の梅雨に入るんでしょうね。それまでバイクで色々なところを走っておかなくちゃ。



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2016年4月9日土曜日

房総酒蔵バイクツーリング 千葉なのに「奈良の大仏」を見て大多喜のしぼりたて生原酒をゲット


 房総の蔵元から出荷されるしぼりたての新酒もそろそろ終わりの時期です。醸造されたばかりの荒々しさも残っていますが、搾ってすぐに瓶詰めされる直汲みには発酵由来の炭酸が溶け込んでいてまるでシャンパンのよう。加水していない原酒はとろりとした深い味わいが楽しめます。年に一回、新酒の時期ならではの楽しみ方ができるのもあと少しです。

 1月末に大多喜の豊乃鶴酒造を訪ねた時は未だ新酒が出来ていませんでした。早い蔵では前年の9月頃から仕込みを始め、10月から年末までには新酒を出荷しています。ここは年明けから仕込みを始めて新酒の出荷は3月になるとのことで、今回改めて訪問してみました。蔵のある大多喜は徳川家康の重臣本多忠勝が城主の大多喜藩十万石があった場所ですので、古い街道や町並みが残った城下町です。その中でも豊乃鶴酒造の建物は国の有形文化財に指定されています。

歴史ある佇まいの豊乃鶴酒造、代表銘柄は「大多喜城」

ここの代表銘柄は街を見下ろしている城の名前と同じ「大多喜城」です。昨年6月に本醸造「大多喜城」を購入しています。冷やでも燗でもいける美味しい酒でした。今回は特別本醸造しぼりたて生原酒を入手できました。麹と酵母の力を借りて新しい命を吹き込まれたお米の色が良く見える透明瓶が眩しい新酒です。

やっと手に入れた「大多喜城」特別本醸造しぼりたて生原酒

瓶詰めされたばかりでまだラベルも貼られていないものに目の前でラベルを貼っていただきました。まさに新鮮そのものです。火入れを一度もしていない生酒ですので、要冷蔵で長くは持ちませんが心配無用。帰宅後に冷やで一口飲んでみたら、まったりとした新酒の味わいが口いっぱいに広がりました。多分一週間もかからずに飲み干しそうです。

 酒蔵のご主人にどうして年が明けてから仕込みを始めるのか聞いてみたら、「秋から年末にかけては人手が足りなくて」という答えが返ってきました。ここは外部の杜氏に頼らずご主人自らが仕込みを行っているそうで、出荷で忙しい年末までは新酒の仕込みに手が回らないのだそうです。理由を聞いてみれば「な〜んだ」という感じですが、新酒を楽しむ立場からすれば各酒蔵の新酒出荷時期がずれてくれるのはとても良いことです。時間をずらして長く新鮮な新酒が楽しめますから。


千葉県なのに「奈良の大仏」があった


 大多喜や勝浦への中継地として長柄ダム周辺の裏道を利用しています。最近見つけた大仏通りも整備されている割に交通量が少なく、走りやすい道のため頻繁に利用するようになりました。

空いていて走りやすい「大仏通り」

それにしてもなんで大仏通りなんだろうと思っていたら、ありました。大仏?が。いつもとちょっと違う道を走っていたら「奈良の大仏」と書かれた案内板が出ています。それに導かれるように細い道に入ってみました。

千葉県市原市なのに何で奈良の大仏?

たどり着いたところにあったのがこの大仏です。人と同じくらいの大きさの釈迦如来像です。この大きさで大仏?しかも何で奈良?との疑問は残ったままです。

高台の杉林の中に佇む「奈良の大仏」、大きさは人と同じくらい

近くの立て看板に簡単な説明がありましたが、これだけでは名前の由来がよくわかりません。平将門と関係があることは読み取れました。

「奈良の大仏」の説明書き

帰宅後に「平将門」、「奈良の大仏」をキーワードにネットを検索すると出てきました。平安時代、この地で朝廷に対して反乱を起こした平将門が自ら新皇と名乗り、京を模した都を構えた際に、奈良東大寺の大仏を模して建立したものだそうです。その後何度か作り直され現在に至っています。先の東日本大震災で倒れ破損しましたが、住民と市が費用を折半して修復を行ったとのこと。そういえば近隣の方と思われる人が熱心にお参りしていました。

「奈良の大仏」の周りは気持ちの良い広場になっています

周辺はハイキングコースにもなっていて、家族連れが散策を楽しんでいました。お弁当を持って遊びに来ても楽しそうな場所です。



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個性ある房総の地酒の良さが少しでも伝われば幸いです。





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