2017年1月10日火曜日

快適動画編集 VIRB EDITのゲージをカスタマイズする方法がやっと判明


 GPSやサイコンのデータを動画にオンスクリーン合成できるVIRB EDITは今やサイクリングやバイクの動画編集には欠かせないものになっています。速度や位置情報、勾配、標高などの地理情報に加え、心拍数やペダル回転数などの自分の身体的データを動画に重ねて表示できると、カメラの映像だけでは伝わらない臨場感を伝えることが可能です。


実際の勾配をグラフ表示をさせたい


 サイクリングで急勾配を登り下りするときの動画を編集する際に、登り下りの地形や心拍数などを動画に付加情報として加えると、どの程度のきつい坂を登っているのかが一目瞭然です。VIRB EDITを使って動画にサイクルコンピューターの走行データを重ねれば簡単に実現できます。

VIRB EDITでオンスクリーン表示させた高度グラフ

色々な大きさ、フォーマットの標高データを表示できるため大変気に入ってますが、よくよく見るとこのグラフ、横軸が経過時間のようです。つまり、速く走れる下りは勾配が急に見えますし、速度が遅くなる登り坂は勾配が緩く表示されてしまうのです。

時間のかかる登り勾配はグラフでは緩やかに見えてしまう

横軸が時間では、高度のグラフを見ても勾配の強弱を正確に示してはくれません。上の写真は18%もある登り勾配ですが、その前の写真の4%下り勾配よりも緩やかにグラフ表示されています。実際の地形の通りの勾配をグラフ表示するには、横軸は時間ではなく移動距離である必要があります。VIRB EDITで選択可能なゲージや表示オプションを探し回りましたが、そのようなグラフは見つかりませんでした。


どうもVIRB EDITのゲージは編集可能なようだが....


 VIRB EDITのゲージ選択画面には標準のゲージをコピーしたり編集したりするボタンがあります。マウスを持っていくとベータではありますが編集できる旨のメッセージが出てきますので、期待して押して見ますが何も起こりません。コピーはできますが編集はできませんでした。

ゲージ選択画面では「ゲージの編集(ベータ)」と出てくるが....

いろいろ調べてみると、VIRB EDITのゲージやその組み合わせであるテンプレートを編集するプログラムは確かに存在するようです。「追加分を取得」というボタンも用意されていて、誰かが作った新しいゲージをダウンロードするためのボタンも用意されています。

追加で開発されたゲージも公開されている

これは自由にゲージをカスタマイズできるに違いありません。ネットで調べて見ると、VIRB EDITゲージビルダーというガーミン社純正のユーティリティが存在することを確認できましたが、Mac用のプログラムが見つけられません。もしやWindowsしかサポートしていないのでは、と疑って調べて見ました。


VIRB EDITのゲージ編集はWindows版だけだった


 動画編集はパワーのあるMacBook Proで行なっているため、手持ちのWindowsノートパソコンにはVIRB EDITは入れていません。確認のためWindowsノートパソコンにもVIRB EDITを導入して、Mac版で出来なかったゲージの編集をやってみました。

WindowsノートPCでゲージの編集を起動してみた

するとどうでしょう。なんとゲージビルダー(GaugeBuilder.exe)というプログラムが起動し、VIRB EDITのゲージ選択画面に出てくる見慣れたゲージが表示されました。

Windowsで起動したゲージビルダーの画面

プログラムはVIRB EDITと同じフォルダーに格納されています。Macで「GaugeBuilder」の文字列で検索しても何も出てこないのはサポートがないからなんですね。そうであればVIRB EDITの画面に無用なボタンが出ていなければ悩まなかったのですが、ここに至るまでにえらい時間を使ってしまいました( ̄^ ̄)。


ゲージ定義の中身を見ると変更方法もなんとなくわかる


 Windows版の場合、VIRB EDITに標準で用意されているテンプレートやゲージの定義ファイルはプログラムと同じフォルダー内に格納されています。それぞれ「Templates」、「Widgets」という名前のフォルダーです。片っ端からゲージビルダーで覗いて見ると、なんとなく変更の仕方も見えてきました。

ゲージビルダーの「開く」で既存のゲージを分析

GUI画面でゲージの要素となるテキストやグラフィック、インターバル(飛び飛びの目盛り?)を追加してコンポーネントとして定義します。イメージはpng形式のファイルを指定するようになっていて、「編集」ボタンを押すとイメージエディターが立ち上がるようになっています。それぞれの表示位置や大きさ、色を指定してやればゲージが定義できます。マニュアルがなくとも変更を加えるくらいならすぐにできそうです。

要素をコンポーネントとして追加編集することでゲージを作成

ただし、メータの針を回転させるなどの動きはこのGUI画面から納得できる情報が得られません。左下にある「詳細編集」というリンクを押して見ると、テキストエディタでJSON(JavaScript Object Notation)形式のファイルが開きました。

ゲージの細かな定義がJSON形式で指定できる

メータの針の回転などは"manipulation"というキーワードで定義されていることがわかります。これを理解すれば細かいゲージの動作や表現も実現できそうです。テキストエディタが起動すると同時に「Overlay Renderling Reference」という簡易マニュアルが表示されますので、参考にできます。

JSONファイル編集画面と同時に表示されるリファレンス


既存のゲージを変更する方法は見つかったが....


 ここまでの試行錯誤で、Windowsで既存のVIRB EDITゲージを自分の好きなように変更する方法はわかりました。しかしながら、仕組みを知れば知るほどグラフの横軸を時間から距離に変更するのは難しそうな気がしてきました。ゲージ機能は時間を変数とした関数しか見つかりません。やりたかった縦軸標高、横軸距離というグラフ表示は現状では不可能なようです。

 さらにゲージの編集機能がMacではサポートされていませんので、Windowsで変更してからMacに反映させたいのですが、その方法がわかりません。GARMIN Forumには修正したゲージの定義ファイルを置く場所などの情報も載っていますが、VIRB EDITからどのように認識させるのか未だ理解できていません。どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、是非ご教授ください。



Windowsで編集したゲージをMacに持っていく方法


 その後色々と試しているうちに、Windowsで編集したゲージをMacに持っていく方法が見つかりました。方法といっても単に指定されている格納場所に、必要なゲージ定義ファイル(.VET)とイメージファイルがまとめて入っているフォルダーをコピーするだけです。対象となるフォルダーは、指定したゲージ名の後ろに長ったらしいおまじないのような文字列が追加されていますが、気にせずそのままMacのフォルダーにコピーします。VIRB Editを起動すると、ちゃんとゲージの一覧に追加されていました。

ゲージ(拡張子は.VEG)の格納場所
Windows - C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Garmin\VIRB Edit\Telemetry\Widgets

Mac - /Users/[username]/Library/Application Support/Garmin/VIRB Edit/Telemetry/Widgets

ちなみにテンプレートの入るフォルダーはこちらになります。

テンプレート(拡張子は.VET)の格納場所
Windows - C:\Users\[username]\AppData\Roaming\Garmin\VIRB Edit\Telemetry\Templates

Mac - /Users/[username]/Library/Application Support/Garmin/VIRB Edit/Telemetry/Templates

WindowsからMacへのコピーにはDropboxなどのクラウドサービスを経由すれば、いちいちメディアを差し替えたりすることも不要で、コード変換も勝手にやってくれます。これでオリジナルゲージの活用に一歩近づきました。無料で使えるVIRB Edit、奥が深いです。

(2017年7月4日追記)


2017年1月5日木曜日

快適自転車生活 三年も使用したチェーンをやっと交換


 年が明けて100キロほどの走り初めを楽しんだ帰り道、リヤディレイラーのシフト操作時に何と無く違和感を感じました。シフトケーブルが伸びた時に感じるものとも異なります。真っ先にチェーンの伸びを疑いました。実は、今のチェーンは交換後三年も使用しているものです。すでに走行距離は1万5千キロ以上になっています。ロードバイクのチェーンの寿命は3千から5千キロ程度という記述がネット上では目立ちますので、三倍以上も使用していることになります。使い始めて二年が経過した昨年1月に、チェーンの伸びをチェックしたところまだまだ大丈夫という結果だったため、そのままでさらに一年間も走ってしまいました。


チェーンの伸びをチェックするとそろそろ交換時期


 帰宅後にアウターリングにかかったチェーンを指でつまんで引っ張ってみると、かなりの隙間ができました。もう少しで歯先が見えるくらいですので、結構伸びている兆候です。一年前に同じようにチェックした時はリングとチェーンの間に少し隙間ができる程度でした。

簡易検査方法でチェーンの伸びを確認

チェーンの伸び率を定量的に計測できるチェッカーを使用して再度確認しました。伸び率0.75%のゲージはかなりの場所で入ってしまいますが、1%ゲージの方はまだ入りませんでした。

伸び率0.75%ゲージはかなりの場所ですっぽりと入る

チェーンチェッカーの測定結果からも、そろそろチェーンの交換時期であることがわかります。1%までは伸びていないようですが、すでに三年間もお世話になったチェーンですので心置き無く交換することにしました。一年前に交換するつもりで購入していたULTEGRAグレードのチェーンがありましたので、早速交換作業開始です。

一年前に購入済みだったULTEGRAグレードのチェーン(CN-6701)


シマノ純正工具でチェーン交換作業開始


 ツーリング中のチェーントラブルはできるだけ避けたいので、多少値は張りましたが工具はシマノの純正品を選びました。頻繁に使用する工具ではありませんが、しっかりとした作りで安心感があります。

1. 古いチェーンをチェーンカッターで切る


 まず古いチェーンをチェーンカッターで切ります。切るといっても、リンクをつなぐピンを抜き取る作業です。チェーンカッターをピンに当てて、反対側からピンが抜けるまでハンドルを回します。ピンが抜けた途端にハンドルが軽くなるのですぐにわかります。

古いチェーンを切る

チェーンは再利用しませんので、どこで切っても大丈夫ですが、もし長さの調整などで継続して使用する場合は要注意です。再度使用する場合には、前回コネクティングピンを入れて接続した場所以外のピンを抜いて切ることとされています。

2. チェーンの表裏・進行方向に注意して自転車にセット


 古いチェーンを抜き取ったらチェーンリングやディレイラーのプーリーなどを清掃しておきます。滅多に掃除できる場所ではないので、良いチャンスです。チェーンを取り付ける際には表裏と進行方向に注意します。製品によっては表裏の区別がないチェーンもありますが、シマノの上位製品は刻印のある方が表面です。

チェーンの面裏(シマノ取扱説明書より)

シマノのチェーンに回転方向の指定はありませんが、コネクティングピンを挿入して接続する場所には指定があります。チェーンが進む向きの前側の穴にピンを差し込む方が、後ろ側の穴に差し込むより強度が増すそうです。下図のような取り付け方法の場合、BよりもAの方が推奨されています。知りませんでした。

チェーンの進行方向と固定場所(シマノ取扱説明書より)

 正しい向きにチェーンを通したら、チェーンフィクサーで仮止めしておきます。この工具がなくても交換作業はできますが、あると便利です。

チェーンフィクサーで規定の長さで仮止めしておくと便利

3. 新しいチェーンを必要な長さにカット


 新品のチェーンは少し余裕のある長さになっています。箱を見ると116のリンクがある製品でした。今までのチェーン交換では、購入時に付いていたチェーンの長さ(リンク数)を基準にして新しいチェーンの長さを決めていましたが、なんとなく長過ぎるような気がしていました。シマノのガイドではフロントをアウター、リアをトップにした時にリアディレイラーの二つのプーリーが垂直になるようにとあります。チェーンフィクサーで仮止めしたチェーンの長さを変えながら、二つのプーリーが垂直になる長さを探りました。

二つのプーリーが垂直になるようチェーンの長さを調整

ちょうど垂直が出たと思われるところで余分なチェーンの長さを数えると、5コマ(10リンク)になりました。もともと116リンクありますから、106リンクがちょうど良いチェーンの長さということになります。ここでいきなりちょん切る前に、いつもお世話になっている自転車探検!リンク数計算器で検証してみます。
  • 前後スプロケット芯間距離410mm(実測値)
  • 前スプロケット最大歯数52T
  • 後スプロケット最大歯数25T
この値を入力して見ると106リンクという結果が出ました。プーリーを見ながら目測したリンク数と同じです。自信を持って新しいチェーンをカットしました。

新しいチェーンを5コマ(10リンク)カット

4. 新しいコネクティングピンでチェーンを連結


 チェーンの長さ調整ができたら、コネクティングピンを穴に差し込んでチェーンフィクサーを外します。新品のチェーンにはコネクティングピンが一個ついてきますのでそれを使います。ピンは再利用できませんので、チェーンの長さを再調整したりピンを紛失したりした時のために予備があると安心です。

尖った方を先にしてコネクティングピンを挿入

チェーンカッターをセットし、ハンドルを回してコネクティングピンを押し込みます。上から見てピンの頭がアウターリンクと同じ面に達したら完了です。

コネクティングピンが正しく挿入された状態

ピンの頭がアウターリンクから飛び出していないか必ず確認します。次に反対側に飛び出しているコネクティングピンの先端を折ります。ペンチなどでもできますが、シマノのチェーンカッターにはピンを差し込んで折るための穴が空いていますので、これを利用すれば簡単です。

コネクティングピンの先端を差し込んで折るための穴がある

5. チェーンの連結部を確認し当たりを調整


 以上でチェーンの交換作業は完了ですが、接続箇所とチェーンのコマの動きは必ず確認しておきます。まずはコネクティングピンの裏面への出っ張りです。チェーン表面にはほとんど出ていませんが、裏面には手で触るとわかる程度のわずかな出っ張りがあり、これで正常です。

裏側から見たコネクティングピンの出っ張り

次に連結部がスムーズに動くか、指でつまんで縦方向に動かして見ます。動きが渋い場合は、連結部を横方向に少し力を加えて回転部分の当たりを取ります。連結部を確認した後は、ペダルを回しながらディレイラーが正しく動作するか確認して作業は完了です。


それにしても長持ちしたチェーンだった


 約三年間、1万5千キロ以上の走行に耐えたチェーンは105グレードのCN-5701でした。走行後に毎回乾拭きして、月に一度くらい湿式のチェーンオイルを塗るくらいのメンテナンスしかしていません。よっぽど負荷をかけない貧脚ライダーが乗っていたせいかもしれませんが、それにしてもよく長持ちしてくれたものです。自転車の部品の中では決して高価なものではありませんので、もっとこまめに交換してやるのが正解なんだろうと思います。



変速フィーリングが格段に向上し音も静かに


 新しいチェーンになった自転車で近所を試走してみました。チェーンのたわみが少なくなったためだと思いますが、変速時のフィーリングが格段に向上していました。短い時間で確実に変速し、スプロケットとチェーンがこすれるような音もほとんどしてきません。さらに路面の振動でチェーンが揺れ、変速操作に影響を及ぼすようなこともほとんど起こらなくなりました。

 少し前に前後タイヤを交換したばかりですので、チェーンの交換と相まってまるで新車に乗っているような感覚に陥ります。タイヤはほぼ一年毎、5〜6千キロの走行で交換しています。自転車部品の中では比較的価格が安いチェーンですので、交換時期に達していなくてもタイヤと一緒に交換してしまうのが気持ちよく乗り続けるための秘訣かもしれません。

(2017年1月6日追記)


2017年1月3日火曜日

房総酒蔵バイクツーリング 走り初めは大原の木戸泉酒造へ


 年末に正月用の日本酒を三本も買い込んできましたが、心配していた通り年明け早々に飲み干してしまいました。我ながらよく飲むものだと呆れてしまいます。年末年始のテレビ番組を見ながらダラダラと飲んでいると、あっという間に酒瓶が空っぽに。仕方がないので、バイクの走り初めも兼ねて新酒を買いに出かけました。今年最初に訪問したのは外房の大原漁港近くにある木戸泉酒造です。

風もなく絶好のバイク日和に誘われて外房の大原漁港へ

ちょうど初売りの日で、次から次にお客さんがやってきます。こんなに人が来ている酒蔵を見たのは初めてです。新酒ばかりではなく酒粕も売れていました。

今年もまたバイクで訪ねた木戸泉酒造

入り口にある駐車場がいっぱいでしたが、身軽なバイクは売店の横のちょっとしたスペースにも停められます。

敷地の奥にある売店横にバイクを駐車

店内にずらっと並んだ新酒の中から純米にごり酒と特別純米無濾過生原酒の二本を購入しました。どちらも初めて飲む酒です。いつでも手に入る通年商品も旨いのですが、手に入る時期が限られる季節限定酒を積極的に味わうようにしています。

季節限定の新酒を購入

純米にごり酒の方は発泡が続いていて、瓶を横にして持ち帰れません。以前は購入を諦めていましたが、バッグの取り付け方を工夫して見たところ瓶を立てたまま持ち運べるようになりました。活性酒でも何でもバイクで持ち帰れるようになってからは、ますます酒蔵巡りが楽しくなりました。

立てたまま持ち帰る必要がある純米にごり酒


バイクで行くといいこともある


 この寒い時期にバイクでやって来て、活性酒も含めて一升瓶を二本も買う客はやっぱり珍しいのでしょう。蔵の人たちは必ず持ち帰り方を心配してくれるため、すぐに会話が弾みます。二度目の訪問からは覚えていてもらえるため、新酒の情報などを色々教えていただけます。この日は酒粕を頂戴してしまいました。ラッキー!

しぼりたて新酒と一緒にできる新鮮な酒粕

袋に「そのまま焼いて醤油をつけて食べても美味しい」と書いてあったのでやって見ました。オーブンにそのまま入れて表面が少し焦げるまで焼き、わさび醤油をつけて食べて見たら、結構いけます。

焼いただけでも新鮮な酒粕は旨い

ピリッとした炭酸の刺激が楽しめる純米にごり酒の方から飲んで見ました。刺激の後に米の旨味が口の中に広がります。できたての酒粕を肴にできたてのにごり酒を愉しむ。まさに至福のひとときです。


2016年12月27日火曜日

房総酒蔵バイクツーリング 年の瀬に正月用の新酒を求めて一走り


 年の瀬も押し迫った忙しい日に、年末年始用の日本酒を求めて房総の蔵元を訪ねました。房総の酒蔵巡りも足掛け三年目に入り、この時期にしぼりたて新酒が出る酒蔵にも見当がついています。寒空の下、防寒装備をばっちりしてバイクを走らせました。早い蔵では11月には新酒の出荷が始まりますが、中には年明けの3月からというのんびりした蔵もあり、当てずっぽうに出かけると無駄足になることもあります。多くの蔵では正月の祝い酒に間に合うように、12月の後半には新酒の出荷を始めるようです。

久留里と勝浦の酒蔵を訪問


久留里の藤平酒造と勝浦の東灘醸造を訪問


 先ず訪れたのは国道410号(久留里街道)沿いにある藤平酒造です。名水の里と呼ばれる久留里の街中にあり、店のすぐ前にも水が湧き出す井戸があって誰でも無料で利用できます。ここで「福祝」初搾り純米吟醸彗星無濾過生原酒と「福祝」純米のどぶの二本を購入。純米のどぶの方は強発泡性で、横倒しにして持ち帰れない酒です。先日見つけた積載方法で、発泡性の酒もバイクで持ち帰れるようになりました。

 二軒目に訪れたのは勝浦にある東灘醸造です。こちらは直詰め生原酒の「鳴海(なるか)」を今年の一月から6種類飲んですっかりファンになった蔵元です。シリーズで一番最初に出てくる「鳴海」特別純米直詰め生の「白」を購入しました。正月用の新酒出荷に忙しい時期だったようで、たくさんの人が事務所で働いていました。

年末年始用に買い求めた房総の新酒


房総中央の丘陵部から外房の海沿いまでの道は面白い


 日本酒の買い出しとはいえ、せっかくバイクで来ていますので、久留里から勝浦まで走って面白そうなルートを選んでみました。亀山湖で久留里街道から国道465号に分かれます。

師走の平日で誰もいない亀山ダム

この時期に亀山湖に来ている物好きは誰もいませんでした。国道465号をしばらく走ると山の中に入ります。途中まで道路の拡張工事が進んでいますが、山の中の一部は未だ車がすれちがえない曲がりくねった細い道のままです。

国道465号の一部はこんな感じの細い道

国道465号をそのまま進むと大多喜に行ってしまうため、途中で県道178号に右折します。この道は粟又の滝の横を通り抜けて興津・小湊方面に行ける山道です。よく知られた抜け道のようで、狭い道ですが結構車が走ってます。途中にある勝浦ダムは静かで、景色の良い場所で休憩には最適です。

灌漑用の勝浦ダム

海沿いの国道128号に出て、勝浦を目指していると鵜原理想郷という看板が目に入りました。勝浦海中公園と同じ方向です。海中公園は何度も行ったことがありますが、鵜原理想郷は訪れたことがありません。ちょっと寄り道してみました。

鵜原理想郷の漁港(勝場港)

鵜原理想郷は小規模ながら、リアス式の海岸が続いている風光明媚な場所でした。大正時代にここを別荘地にする計画があり、理想郷と呼ばれるようになったそうです。崖には波の浸食による穴がいたるところに空いていますが、幾つか大きな穴も見つかります。太平洋戦争末期に本土決戦の備えとして、この鵜原にも特攻艇「震洋」が配備されたそうで、崖の穴が特攻艇の保管庫として使われていたのかもしれません。いろいろ考えさせられる鵜原理想郷の見学でした。


新酒はやっぱり旨い


 しぼりたて新酒はどれも生酒ですので、保管は要冷蔵です。いつまでも冷蔵庫に入れておいたら怒られそうなので、帰宅後から精力的に飲み始めなければなりません(^_^)/
まずは強力発泡酒の「福祝」純米のどぶを開けてみました。

栓をひねった途端泡が噴き出す純米のどぶ

栓をひねると泡が噴き出してきて、瓶の口からあふれそうになります。その度に栓を閉めて泡が落ち着くのを待ち、また栓を少し緩めます。これを発泡が緩やかになるまで何度も繰り返して、やっとコップに注ぐことができました。瓶の下に溜まっていた澱は、発泡の勢いで自然に混じります。口に含むと炭酸の刺激が舌にピリピリときた後、酸味と米の甘みが口いっぱいに広がりました。出来立てのどぶ、うま〜い。

 年末年始のために一升瓶二本と四合瓶一本の新酒を手に入れてきましたが、さて正月三ヶ日まで持つかな〜(怪しい.....)


2016年12月18日日曜日

谷津道探検サイクリング 高速道路沿いのルート探検も面白い


 度々同じルートでサイクリングしていると、無性に知らない道を走りたくなります。この日も最初は高速道路脇の勝手知ったる道を走っていました。いつもならその先で高速道路から離れて川沿いの谷津道に入るのですが、ふとこのまま高速道路沿いに走ってみたらどこまでいけるのだろうとの考えが頭をよぎりました。サイクリングの新ルート開拓では川沿いの道を探すことが多いのですが、今回は新たな試みになります。いつもの方向には曲がらず、高速道路脇の細い道を真っ直ぐに進んでみることにしました。

東関東自動車道に沿って新ルート探し

 走ってみたのは東関東自動車道(東関道)沿いです。四街道IC近くまでは付近の幹線道路の裏道としてかなりの交通量があり、自転車で走っていて楽しい道ではありませんが、佐倉ICあたりからは道も細くなり、車もほとんど走っていません。

車がほとんど走っていない高速道路沿いを快適に進む

この道は高速道路建設に先立って工事車両が通るために作られたものです。そのため舗装された道が高速道路にほぼ並行して延々と続いています。


細かいアップダウンの連続でトレーニングにいいかも


 郊外に来ると小さな山々が現れます。高速道路本体は山を切り崩した切り通しを走っているため真っ直ぐですが、その横の道は元々の地形のままの細かいアップダウンが連続しています。一つのアップダウンは大きくても数十メートル程度の標高差なのですが、それが立て続けに出てくるとかなり脚にきます。この道、トレーニングにもなかなかいいかもしれません。

アップダウンが連続する高速道路の脇道


新しい谷津道ルート発見のきっかけにも


 高速道路は山と山に挟まれた谷間を超えて走っています。高速道路に沿って走っていると、今まで通ったことのない谷津道を横切ることがあります。走りやすそうな谷津道をチェックしておいて、帰りにそこを走ってみると新たな谷津道ルートの発掘にもつながります。

高速道路の橋が架かっているところには谷津田が広がる


途中で進めなくなっても諦めない


 工事のための道なので途中で先に進めなくなることがありますが、諦める必要はありません。たいていの場合は高速道路の反対側に出ればさらに先へ進める道が見つかります。

工事用の道路は高速道路の左右どちらか一方にある場合が多い

インターチェンジ(IC)は大きな道路に接続していることが多く、自転車で横切る場合かなりの遠回りを強いられますが、インターチェンジがない側の道は比較的スムーズに進めます。どうしても高速道路沿いに進めない場合は、少し離れた道を辿ってから高速道路沿いに戻るようにします。

進めない場所では一旦離れてから戻る


自然も豊富な高速道路の沿道


 山々を切り開いて通した高速道路のすぐ横は自然が溢れています。普通の車道を使ってこれだけの自然の中に入り込もうと思ったら相当な距離を走らなければなりませんが、高速道路沿いの道なら短時間で自然豊かな場所に到着できます。

高速道路のすぐ横に「発砲注意」の看板

高速道路のすぐ脇に発砲注意の看板が架かっていて、ちょっとびっくり。ちょうど狩猟期間にあたる時期ですので、本当に注意が必要ですね。自転車で走っていると藪のなかからガサガサと動物の音がするのを何度も耳にしました。

 京葉道路と東関東自動車道が交差する大規模なインターチェンジ付近は、すっかり街中で高速道路の沿道も大型車がひっきりなしに走っています。

京葉道路と東関東自動車道が交差するインターチェンジ

この辺は無理に高速道路脇を走る必要はありませんが、インターチェンジの中央部を通り抜ける道があったので走ってみました。市街地にぽっかりと空いた穴のように緑が残されています。道路を走る車の音とともに鳥たちのさえずりが溢れていました。

広大なICの敷地は緑がいっぱい

 サイクリングロード以外のルートを楽しむようになってから数年経ちますが、高速道路沿いにルート探検をしてみたのは初めてです。今回は出発が遅く、日没も早い季節のため富里ICまでしか行けませんでしたが、次回は成田空港や佐原方面まで足を伸ばしてみようと思います。川沿い以外の谷津道探検サイクリング、しばらく熱中しそうです。



成田界隈はさらにアップダウンが厳しかった


 後日、東関道に沿って成田空港まで行ってみました。空港近くの高速道路脇道はアップダウンがさらに厳しくなり、往路だけでバテバテになりました。

標高20〜50メートルくらいの登りが連続して現れる東関道沿道

帰宅後にGPSサイコンのデータを見ると、累積高度が1200メートル近くありました。GPSの高度データは誤差が大きいのですが、いつも走っている標高100メートルの長柄ダムから東金崖線のルートでも700〜800メートルの値を示していますから、それより厳しい上り下りだったようです。一番高い場所でも50メートル、平均すれば20〜30メートルの小さな登りを繰り返して1200メートルの累積高度となるのですから、いかにアップダウンが連続しているのかがわかります。私の貧脚には丁度良いトレーニングコースであることが実証できました。

(2016年12月22日追記)


 このルートについてお問い合わせをいただきましたので、ルートラボにGPSログをアップいたしました。参考にしていただければ幸いです。

クリックすれば動かせる詳細地図が表示されます

佐倉ICから先はアップダウンが多くなり車はめったに走っていませんが、あくまでも高速道路工事に先立って作られた側道です。抜け道に利用している車も走っています。見通しの悪い下りカーブなどで、スピードを出し過ぎて車にぶつからないようご注意ください。成田空港のセキュリティサービス会社の車は必ずここを走っていて、一日に何度もすれ違います。

(2017年5月11日追記)