2017年2月8日水曜日

快適自転車生活 格安中華ライトに手を加えて配光を調整


 危険が多いため夜間は滅多に走りませんが、夏に日中の猛暑を避けたり、冬に遠出をして帰宅が遅くなった時などにはどうしても日没後のサイクリングになることがあります。ロードバイクに乗り始めてから色々なライトを使用してきましたが、明るさや見やすさ、バッテリー持続時間、そして何より価格などでなかなか満足できる製品に巡り合っていません。だいぶ前にAmazonで購入したまま使用する機会がなかった格安の小型中華ライトや普段使用しているいくつかのライトを使って、夜のサイクリングロードを走ってみました。最新型ライトの性能比較ではなく、どのようなライトだったら日没後のサイクリングロードを走れるかの目安を知るためのテストです。その時の様子を動画にまとめたものがこれです。



格安中華ライトは確かに明るいが....


 一年近く前に買ったライトですので、今は別のモデルになっているようですが、使用しているLEDバルブ(CREE XM-L U2)は最近のものと同じでした。メーカー公称値1200〜1300ルーメンの明るさを誇るLEDバルブですが、使用する電源の能力に大きく依存するため、実際にその明るさが出ているかどうかは不明です。しかし、街路灯のない夜のサイクリングロードで点灯した瞬間、その明るさに驚かされました。

1200ルーメンを謳う格安の小型中華ライト

夜間走行で最もよく利用しているDosun A1の200ルーメンと比べると歴然とした差が出ます。ただの懐中電灯と同じような配光特性で、遠方まで光が到達しているのがわかります。

普段使用している200ルーメンのDosun A1

対してDosun A1は自転車専用を謳っている、配光を考慮したライトです。手前側は横方向に広く、遠方は中心部を照らすようになっていて、対向車や歩行者が眩しくないように上方への光がカットされています。格安中華ライトがハイビームだとするとDosun A1はロービームのような照射範囲です。

 実際に、街路灯がない夜間のサイクリングロードを、これらのライトを使って走ってみて感じたのは次のようなものでした。
  • 知っている道ならば配光が考慮された200ルーメンのライトで十分走れるが、初めての道だとちょっと不安
  • ハイビーム状態の中華ライトは遠方まで確認できるため走行スピードが上げられるが、すれ違う自転車や歩行者はかなり眩しそう
車が走行中にヘッドランプのハイとローを切り替えるように、サイクリング中にこの二つのライトを切り替えて使用できれば理想的かもしれませんが、歩行者とすれ違うたびに二つのライトのスイッチをオン・オフする余裕はありません。

すれ違う歩行者が目をそむけるくらい眩しいライト、ごめんなさい


格安中華ライトの配光特性を調整する


 自転車専用を謳っているDosun A1は上方への光を抑え、横方向を広く照射するように特別な形状のリフレクターを使用しています。

Dosun A1のリフレクター、LEDは上面に下向きについている

この特殊なリフレクター形状のおかげで、対向車や歩行者への防眩を実現しています。数メートル離れた壁に直接ライトを当ててみると、その配光特性がはっきりわかります。明るい部分が横方向に広がり、上方への光が抑えられています。限られたLEDからの光を有効に利用できる配光です。

Dosun A1の配光特性

対して格安中華ライトの配光特性はシンプルです。懐中電灯と同じようなスポットライト形状で、中心部が特に明るく360度どの方向にも均等に光が出ています。

懐中電灯と同じ配光の格安中華ライト

使われているリフレクターが放物線形状(パラボラ型)ですから当然こうなります。明るい中心部を取り巻く周辺の光も同心円状に広がっていて、ライトを下向きにして中心部を下げたとしても、この同心円状の部分が対向車や歩行者の目に眩しさを与えてしまいます。

パラボラ型のリフレクターではこんな配光

リフレクターの形状を変えるわけにはいきませんので、ひさし型の反射板を装着して上方への光を抑えてみます。こんな感じになれば理想的です。

ひさし型の反射板で上方への光を下へ向ける

試作のために何か良い材料がないか探してみたら、缶ビールの空き缶が目に入りました。ハサミで簡単に切れます。ちょうど良いサイズのホースバンドもありました。

缶ビールの空き缶を切り、ホースバンドで固定

怪我をしないように注意しながら、格安中華ライトの上部にビール缶で作ったひさしを固定します。樹脂製のタイラップなどでも固定できますが、点灯中は結構発熱しますので溶けてしまうかもしれません。

ビール缶で作ったひさしをホースバンドで格安中華ライトに固定

ビール缶のいいところは裏が鏡状で、ちょうど良い反射材となることです。足元付近が明るくなり、より安心感が出ます。取り付けできたら壁に向けて配光を確認。上方への光がスパッと切れていますので、角度を調整すれば歩行者への防眩対策にもなると思います。

ひさしを取り付けた格安中華ライトの配光

格安中華ライトのスポットライトのような配光を横方向へ広げるための後付けレンズがAmazonで500円くらいで売られていますが、上方への光はカットしてくれないようです。格好悪いビール缶のひさしですが、夜は誰にも見えません。いたずらに明るくして走る必要はありませんが、初めて走る場所では危険防止のためにこの格安中華ライトにも活躍してもらおうと思っています。そんな時に対向車や歩行者への防眩対策として、このビール缶ひさしも一緒に持っていきたいと思います。


明るさだけじゃない格安中華ライトの使い勝手


 公称1200ルーメンの中華ライト。バッテリーが別途必要ですが、この明るさを持つ専業メーカー製品と比べると超格安です。メーカー品は専用バッテリーが付属していますが、予備用に追加購入したらかなりのお値段。それに比べると、中華ライトはUSB経由で接続する汎用モバイルバッテリーが使えます。最高で1.5〜2A程度の電流が流れますので、ある程度の容量のあるモバイルバッテリーが必要ですが、最近は値崩れが進んでいて、2〜3千円で5〜10Ah容量のものが手に入ります。これで3〜4時間以上の連続使用が可能ですので、格段に安い費用で高い性能を手に入れられます。

モバイルバッテリーをサドルバッグに入れて使用

スマホの充電用に持参するモバイルバッテリーと同じものですから、複数個備えておけば電池切れを心配することなく安心して走れます。滅多に活躍するものではないからこそ、できるだけ安価に揃えておける中華ライトはお財布に優しい自転車生活の友になるかも...



使用するバッテリーの電圧は8.4VまでOKだった


 格安中華ライトに使用されているLEDバルブ(CREE XM-L U2)ユニットのスペックを調べていたら8.4Vまでの入力電圧に対応していました。製品に付属してきたのが5VのUSB接続コードでしたので、一般的なUSB形式のモバイルバッテリーでなければいけないのかと思い込んでいました。しかし、8.4Vまでのバッテリーが使えるのであれば、18650サイズのLi-ion充電池二本を直列にしたものが使用可能なはずです。色々なモバイル機器にこの電圧のバッテリーが付属していますので、家の中にたくさんあります。

普及しているLi-ionバッテリーには7.4V仕様のものが多い(右は自作品)

試しにメーカー製電熱ベスト用に自作した18650サイズLi-ion充電池を二本使用したバッテリーを繋いでみたら、5VのUSBモバイルバッテリー接続時よりも明るく点灯しました。USBのモバイルバッテリー(モバイルブースター)の中身は18650が複数本入っていて、レギュレーターで電圧を5Vに調整しています。このレギュレーターの性能が悪いと、ライトを点灯した時に電圧の低下や電力の損失が生じてしまいますので、使わずに済むのであればそれに越したことはありません。今後はUSBモバイルバッテリーではなく、家にある7.4V仕様のLi-ionバッテリーで使おうと思います。

(2017年9月8日追記)


2017年2月6日月曜日

新酒の時期に手に入る新鮮な酒粕を使って酒の肴作りにチャレンジ


 年末から春にかけては新酒の季節で、地元千葉県の酒蔵からも続々としぼりたての新酒が出荷されています。バイクで房総の酒蔵を巡り新酒を買い求めていますが、酒粕をおまけで頂戴することもしばしばあります。以前は、酒粕といえば甘酒くらいしか使い方が思いつかず、せっかくいただいても余らせてしまうこともありました。新酒を搾ったばかりの新鮮な酒粕ですので、利用の仕方を色々蔵の人にお聞きしながら試して見たら意外に簡単で美味しい酒の肴が作れました。


酒と同じで酒粕にも蔵元の個性がいっぱい詰まってる


 そもそも各酒蔵の個性と情熱がいっぱい詰まった醪(もろみ)を搾った後に残る酒粕です。酒と同じように蔵の個性が詰まっています。純米酒や吟醸酒など酒の種類毎に酒粕も区別されている場合がほとんどです。

蔵元の個性が詰まった酒粕

さらに搾りの程度や搾り方により、含まれる水分量や形状も異なっています。板状のものもあれば塊状のものもあり、利用方法も分かれます。

形や水分量などが異なるいろいろな酒粕がある

搾りかすとはいえアルコール分も結構含まれていて、そのまま使えば日本酒の香りをたっぷりと味わえます。各酒蔵の色々な酒粕を使って、そこの酒をより楽しめるような肴を作れれば、これからの酒蔵巡りももっと面白くなりそうです。


酒粕をそのままオーブンで焼くだけでもいける


 『焼いて醤油をつけただけでも旨いよ』とお聞きして試して見ました。板状の酒粕を剥がして、一枚をオーブンで表面に軽く焼き色がつくまで焼いただけです。わさび醤油をつけて食べて見たら、なかなかの味です。何しろ超簡単であっという間に一品完成です。これを肴にどぶろくを飲んでいると、本当の日本酒通になったような気分。

焼いた酒粕をわさび醤油で食す

この焼き酒粕を作る際に注意しなければならないのは、水分の多い酒粕を使うと焼いている時に崩れてくることです。オーブンの金網から落ちてしまうこともありますので、アルミホイルなどを敷いておかないと後の掃除が大変です。水分が少なめの板状の酒粕を使うのがコツのようです。

オーブンで酒粕を焼くだけ


ピザ生地代わりに板状酒粕を使ってみる


 オーブンで焼いて食べられるのならピザ生地の代わりにもなると思い、とろけるチーズと適当なトッピングを選んで焼いてみました。手元に塩昆布があったので、チーズの上にパラパラと蒔いただけ。熱々の酒粕の上に溶けたチーズ、塩昆布から滲み出た旨味と塩分が酒にぴったりです。

酒粕をピザ生地にして塩昆布をトッピング

トッピングが塩昆布だけというのも寂しいので、次はベーコンを加えてみました。ベーコンから出てきた油が加わり、さらにピザらしく完成。

トッピングにベーコンを追加、油が出て旨そう


豆腐やセロリの酒粕漬けにも挑戦


 オーブンで焼くだけの酒粕料理は食べたい時にすぐにできるのでお手軽ですが、酒粕の食べ方はまだまだありました。ちょっと時間がかかりますが、酒粕漬けにも挑戦してみました。先ずやってみたのがセロリの酒粕浅漬けです。小さく切ったセロリを塩もみしてから、酒で溶いた酒粕に数時間漬け込むだけです。日本酒を飲むときの箸休めに丁度良い味でした。

数時間で食べられるセロリの酒粕漬け

数日漬け込む必要がある豆腐の酒粕漬けにも挑戦。よく水を切った絹ごし豆腐を酒で溶いた酒粕で5日程度漬け込みます。程よく水分の抜けた頃に酒粕を取って豆腐を食べてみると、いつもの豆腐とはまるで違う味わいに。ちょっとチーズっぽい食感になっていました。

豆腐の酒粕漬け


酒粕で作るミルク甘酒が旨い


 水に溶いた酒粕に砂糖と少量のおろし生姜、塩を加えるとよくある酒粕の甘酒になりますが、水の代わりに牛乳を使ってみると濃厚でさらに美味しいミルク甘酒ができます。まずカップに酒粕をちぎって入れ、水か酒を少量加えて電子レンジで30秒ほど温めます。

酒粕適量をカップに入れて水(酒)を加え温める

温まったらよくかき混ぜて酒粕をペースト状にし、そこに牛乳と砂糖をお好みの量加えてよく混ぜます。お好みで生姜汁や塩を入れ味を調整。最後に電子レンジで温めれば完成です。

濃厚な味に仕上がる酒粕ミルク甘酒

寒い日には何杯でも行けてしまう味です。これなら簡単で、酒粕がいくらあっても使いきれる楽しみ方です。


トマトペーストの代わりに酒粕を使ったピザトーストも旨い


 ピザ生地代わりに板状の酒粕をそのまま使う方法をご紹介しましたが、酒粕に水分が多い場合は向きません。そんな時には食パンの上にペースト状にした酒粕を塗って、ピザトーストを作ってみましょう。ミルク甘酒を作るときの最初の手順で、酒粕をペースト状にします。作りすぎても大丈夫。残ったら牛乳を入れて甘酒にしてしまえばピザトーストとミルク甘酒がいっぺんに揃います。

食パンに好みの量の酒粕ペーストを塗る

その上にハムやベーコン、玉ねぎなど好きなトッピングをしてからとろけるチーズをのせ、オーブンで4〜5分焼くだけです。酒粕の持つ濃厚な味とチーズの塩分だけで、しっかりと味がついています。

この時のトッピングはサラミと塩昆布、あるもの何でもOK

新鮮な酒粕の旨味はトマトペーストにも負けない味がします。普段日本酒を飲む時にピザトーストを食べることは滅多にありませんが、この酒粕ペーストを使ったピザトーストなら何枚でも行けそうです。


 普段滅多に料理などしない酒好き親父が、思い立った時にできる手軽な酒粕レシピを試してみた記録です。粕漬け以外は酒を燗している間に完成もしくは下準備ができるものばかりですので、晩酌しようと思った時にサッサッと作って楽しめます。
 近所のスーパーで通年売っている酒粕と違い、せっかく酒蔵まで出向いて手に入れた出来立ての酒粕です。一緒に買ってきた日本酒をより美味しく楽しめるような肴作りに使いこなしたいものです。その蔵の酒粕で作った肴で楽しむその蔵のしぼりたて新酒。日本人に生まれて良かったと感じる瞬間です。


2017年2月2日木曜日

個性的な日本酒に出会える房総の酒蔵巡り


 千葉県に居を構えてからだいぶ経ちます。近所の酒屋でたまたま見つけた千葉の地酒を飲んでみたら、これが結構旨い。全国的に有名な地酒と比べても負けていません。住んでいる地元の日本酒に俄然興味が湧き、探して買い求めるようになりました。


千葉県酒造組合のホームページで情報収集


 千葉県内において清酒、焼酎乙類及びみりんを製造する酒類製造業者の団体として千葉県酒造組合が設立され、千葉市中央区に事務所を置いています。組合のホームページを見ると、平成28年4月時点で40社が組合員として加盟しています。そのうちの4社は千葉県内に工場を持っている全国規模の大手酒造メーカーです。宝酒造、合同酒精、ニッカウヰスキー、流山キッコーマンの4社で、千葉の地酒と呼べる日本酒の蔵元は残りの36社ということになります。うち一社は二つの蔵元が合併したもので、酒蔵としては別々の場所にあります。つまり千葉県酒造組合に加盟している地酒の酒蔵は37軒あることになります。

千葉県の地酒の蔵元36社、37軒

 いい歳をして大型バイクにリターンしてからというもの、房総ツーリングのついでに酒蔵に立ち寄っては近所の酒屋では手に入らない千葉の地酒を買って帰るようになりました。どうしても見つからない二つの酒蔵を除く35軒は全てバイクで訪問済みです。


季節毎に違う味が楽しめる房総の地酒


 バイクで房総の蔵元を巡り始めて足掛け三年、蔵元を度々訪れるようになると、季節毎に違った酒が作られていることがわかりました。一年を通して入手可能な商品もあれば、年末から初春に出荷されるしぼりたて新酒や暑い夏にも楽しめる夏吟醸、食欲の秋にぴったりのひやおろしなど、その季節でなければ手に入らない酒もあります。知れば知るほど日本酒の奥深さに魅了されていきました。

酒米の収穫から始まる日本酒の四季

1. 年末から春はしぼりたて新酒の季節


 秋に収穫した酒米を使って、気温が低くなってから仕込みを開始します。その年の10月ごろに仕込みを始め、11月には新酒を出荷する早い蔵もありますが、ほとんどの蔵元ではお正月需要に間に合うように12月末の出荷を目指して仕込みを行なっています。中には気温が一番低くなる1〜2月を待って仕込みを始める蔵もあり、その場合は新酒が楽しめるのは3月以降です。とにかく年末から春までは各蔵から出荷されるしぼりたて新酒を次から次に飲みまくりです。

しぼり方にも気を遣っている各蔵のしぼりたて新酒

できたての味を届けようと、火入れや濾過・加水などの処理を省いて瓶詰めされた酒はまさに「しぼりたて」新酒です。酒槽しぼりや袋(吊るし)しぼりなどと呼ばれる手間と時間のかかる搾りかたをしたものもあり、それぞれの味の違いを楽しめるのもこの時期ならでは。槽口(ふなぐち)と呼ばれるしぼり器の口から流れ出た酒を、そのまま瓶詰めした直詰め生酒などは、醪(もろみ)に残っている微炭酸がそのまま含まれていて、口に含むとピチピチとした新酒の勢いまで感じられます。

2. 低温でゆっくり醸した夏吟醸


 もともと吟醸酒はゆっくり時間をかけて醸造される日本酒ですが、出荷時期が夏場になるように低温のタンクで作られたものが夏吟醸です。暑い時期でも飲みやすいように低めのアルコール度数で、冷蔵庫で冷やして楽しめる夏向きの日本酒です。

枝豆をつまみに冷やして楽しむ夏吟醸は暑い日でも旨い

夏吟醸を知ってからはビールの消費量が減りました。酒蔵巡りをするようになる前は、夏場に日本酒など考えもしませんでしたが、冷蔵庫で瓶ごと冷やした夏吟醸は今やなくてはならない夏の友です。

3. 食欲の秋にはひやおろし(秋あがり)


 春先にできた酒を火入れしてからタンクで一夏貯蔵し、熟成が進んだ秋口に二度目の火入れをしないでそのまま瓶詰めされたものがひやおろしです。一度目の火入れもせずに生のまま熟成して出荷するものなど蔵によって色々なバリエーションがあり、秋あがりと呼ばれることもある一夏熟成の酒です。千葉県酒造組合では9月に解禁日を設けて一斉に出荷を開始しているようで、飲む方も一気に忙しくなります。昨年は14の蔵元の15種のひやおろし(秋あがり)を立て続けに楽しむことができました。

房総の各蔵元から一気に出てくるひやおろし(秋あがり)

実りの秋の食材を肴に、旨味の増したひやおろしを愉しむのは日本酒好きにはたまりません。冷やから燗までいける酒ですので、色々な料理にマッチします。各蔵元から一斉に出てくるため、飲み比べてみるのも一興です。

4. 燗酒推奨の日本酒も旨い


 タンク貯蔵の前後に火入れを行う通年商品は貯蔵中に熟成が進み、新酒の荒々しさが取れて旨味が増しています。冷やから熱燗まで色々な楽しみ方ができる酒ですが、蔵元で燗酒に合うようにして出荷される日本酒もありました。

寒い時期の燗酒は格別

バイクツーリングで冷え切った体に熱燗を流し込む瞬間は至福の時です。「燗酒純米」と書かれたものや燗酒コンテスト金賞のラベルがつけられたものまで、寒い時期には酒瓶を見ただけでよだれが出そうです。


こちらから出向かなければ出会えなかった房総の酒


 今は休業中なのか、どうしても見つからない2軒の蔵元を除く34軒を巡って思うのは、そこで作られている日本酒のほとんどは、こちらから出向かなければ出会うことがなかっただろうということです。中には近所のスーパーでよく見かける銘柄もありましたし、デパ地下などにある酒専門店でも複数の千葉の酒が置いてあります。しかし、日持ちのしない季節限定酒などはめったに見かけません。「初しぼり」と名付けられたその年の最初のしぼりたて新酒や強い発泡の続いている活性酒などは、鮮度を保つのが難しいためかめったに置いてありません。ちょうど出荷が始まる頃を見計らって、こちらから蔵元に出向いて買い求めるしかありません。

酒蔵で偶然出会った個性的な房総の酒

デパートなどで時々開かれる試飲会は蔵元の人が直接製品を紹介してくれる絶好の機会ですが、ある程度人のいる規模の蔵でないと実施するのは難しいようです。出荷量の少ない蔵の酒は、大半が地元の飲食店に卸されて都市部の酒屋まで流通してくることは稀です。やはりこちらから出向くのが一番で、できたばかりの個性的な酒に出会えた時の喜びはひとしおです。


酒蔵の置かれた状況は厳しい


 訪問した34社の蔵元の中で、販売店を併設し目立つ看板を出しているところはそう多くはありません。ほとんどは蔵の一部か母屋で販売もしてくれますが、看板もなくたどり着くのに苦労します。煙突が途中から切られている蔵元にお邪魔した時には、蔵のご夫婦が『後継ぎがいないため、製造は大手に委託している』とおっしゃっていました。観光バスも停められる大きな駐車場を用意して観光客を呼び込んでいる蔵元もあれば、今の代で終わりと考えている小さな蔵元まで色々です。

 そもそも酒の消費量が落ち込んでいる中で、日本酒の比率はどんどん下がっています。さらに二十代の若者が酒を飲まなくなっていますので、今後も消費量の拡大は期待薄です。販売店を併設しているような大きい蔵元は、直販やインターネット通販に力を入れたり海外への販路開拓を狙っているようですが、小規模な蔵元は将来どうなってしまうのでしょう。

出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

 でも希望は持ちたいものです。訪問した酒蔵の中には若い杜氏が新しい酒作りにチャレンジしているところもありました。ワイン酵母を使った日本酒作りにチャレンジしていたり、酒米の栽培から取り組んでいるところもあり、販売量の確保のみではない生き残りへの模索を感じます。寒空の下、バイクで酒を買いにくる珍しい客のためか、蔵の方々との会話が弾みます。旨そうな日本酒を前にして交わした会話が帰宅後の何よりの酒の肴になっています。


房総の酒蔵35軒を巡った記録動画


 バイクツーリングで房総の各地を巡り、ついでに酒蔵まで訪問してきた足掛け三年を動画にまとめました。どんな場所にどんな酒蔵があるのかがわかると思います。房総へドライブにお出かけの際には是非お立ち寄りを。旨い地酒が待ってますよ〜




2017年1月30日月曜日

快適バイク生活 いつの間にか消えていたライディング中の膝の痛み


 三十数年ぶりにリターンして四年ほど経ったオヤジライダーです。リターンした当初、ライディング中の膝の痛みに悩まされました。特に、寒い時期に長距離を走っていると、必ず右膝に我慢できないほどの痛みが出ます。当時は、頻繁に休憩して脚を伸ばすことくらいしか対策のしようがありませんでしたが、その後ウェアやライディングポジション、発進・停止時の運転操作などを徐々に見直していく中で、気付いたらほとんど膝の痛みが出なくなっていました。同じような悩みをお持ちのライダー諸氏の参考になればと思い、やって見た膝の痛み対策をまとめてみました。


膝の痛みは血行不良から、その根本原因は?


 冬場に感じることが多い膝の痛み。寒さによる血行不良が原因かと考えて、まず初めに色々な防寒グッズを試しました。ネオプレーンゴム製のニーウォーマーで局部的に防寒してみたり、オーバーズボンで脚全体の保温性を高めたりしてみましたが効果は無し。寒さは血行不良を促進こそすれ、その根本原因ではなさそうです。

1. 脚(膝)を動かさないことが一番の原因


 法事などで長時間正座していると、立ち上がれなくなるくらい脚が痺れ、膝が痛くなります。同じ姿勢をずっと続けることがバイク乗車中の膝の痛みの原因ではと考えました。長時間のバイク乗車で膝が痛くなった時に、休憩して脚を伸ばしてやると楽になることと合致します。

長時間膝を折り曲げたままだと血流が滞る

では、なぜ右足の膝ばかり痛むのか? リターンしてしばらくの間は、教習所で教えられた通り停車中も右足はブレーキペダルを踏み続けて、着地は左足しか使っていませんでした。シフト操作も含めて、脚を使う動作は左足に比べて右足の方がかなり少なくなっています。特に高速道路などを走行している時に顕著です。楽なクラッチ操作を目指して右足着地のままの発進を頻繁に行うようになってからは右足の出番が増えてきたとともに、右脚を伸ばす機会も増えました。

右足着地のまま発進を行うことも増えて、右脚の出番が増えた

2. プロテクターが膝の血流を妨げている


 車と違い、生身の体を晒して走っているバイクですので、プロテクターの重要性は理解しています。ウェアの外側に取り付けるプロテクターであれば影響は少なそうですが、ウェアに組み込まれたプロテクターは、長時間の乗車でウェアがずれてくると膝を圧迫してきます。特にオーバーパンツは、停止毎に脚を上げ下げしていると裾がずり上がり、それにつられてプロテクターが膝を圧迫します。下の写真左側の縦長のプロテクターなどは、運転中常時折り曲げられていますので、膝への圧迫がずっと続いている気がします。

よくあるタイプの膝プロテクター二種

このプロテクターによる膝への圧迫が血流を妨げていることは間違いないようです。余裕のあるパンツサイズやプロテクター形状に変えるとだいぶ楽になりました。

3. ペダルが自分の体格に合ったポジションになっていない


 試乗会などで自分のバイク以外に乗ると、ブレーキやシフトペダルのポジションが合わず、足首を無理に曲げて乗らなければならないことがあります。短時間ですからあまり問題は起こりませんが、長時間これを続けるとかなり脚に問題が出ます。足首が疲れたり、脚がつったります。シフトに比べて動かす頻度の少ないブレーキペダルは、特に自分に合っていないポジションだと脚への負担が大きいようです。ポジションが合わないからと、つま先を大きく外側へ向けたまま運転していると、非常時にブレーキ操作が遅れてしまう危険もあります。

ブレーキペダルのポジションは自分の体格に合わせないと疲れる

左足の方はシフト操作の度に足先をひねったり、足首を曲げたりするため、右足に比べてよく動いています。そのお陰か、今まで左脚の膝に痛みが出たことはありませんが、ブレーキに比べれば遥かに操作頻度の高いシフトペダルですので、是非ポジション調整はしておきたいものです。

よく操作するシフトペダル側は膝への影響は少なそう

自分のバイクを手に入れたら、真っ先にペダルのポジションを自分に合わせることが大切です。足首に力を入れていない自然な状態で、ペダルに足先が触れるか触れないかの位置に調整してやると、乗車中の脚への負担が格段に減りました。

4. 走行風が脚や膝を冷やしている


 リターンして最初に乗ったバイクはネイキッドのCB400SFでした。スリムなボティで、なおかつカウルがないため、走行風が脚に直接当たっていたようです。冬場のツーリング時には脚が寒くて我慢できませんでした。分厚いオーバーパンツを履いていましたが、その厚みがかえって膝の血行を阻害していたようです。長時間のツーリング時には膝の痛みは避けられませんでした。

 三年前にCB1300SBに乗り換えましたが、その頃から脚の冷えがほとんど気にならなくなりました。バイクを前方から見ると、ラジエーターやクランクケース、ハーフカウルで乗車中の脚は見えません。これらが走行風を弾き、直接脚に風が当たらないようです。

前から見ると脚が見えない大型バイクは脚に風が直接当たらない

冷たい走行風が直接脚に当たらないことにより、パンツの重ね着が減りました。その結果、膝を圧迫して血行不良を引き起こすようなことも減ったものと思います。

カウルやタンクのお陰で脚に風が当たらないため、冬場にジーンズでも結構大丈夫


さて、いつまで乗れることやら


 膝をできるだけ動かすようにしてやり、できるだけ膝を圧迫しないように心がけ、そして膝の冷えをできるだけ避けるようにしているうちに膝の痛みを感じることがほとんどなくなりました。それでも冬場に高速道路を長時間走り続けたりすると痛み出すことがありますが、そうなったら諦めてSAで休憩し、屈伸運動するようにしています。

重たいバイクの取り回しはいつまでたってもおっかなびっくり

 いい歳をして大型バイクにリターンしたものですから、取り回しも含めておっかなびっくりです。この先、バイクに慣れていったとしても体力は衰える一方でしょうから、いつまで大型バイクが楽しめるのかわかりません。日々体力を使わないバイクの乗り方を心がけて、ライダー寿命を伸ばそうと悪戦苦闘しています。


2017年1月28日土曜日

房総酒蔵バイクツーリング 二年ぶりの須藤本家でしぼりたて生を入手


 平成の名水百選に選ばれた久留里の名水を仕込み水としている須藤本家を約二年ぶりに訪ねました。前回は2014年のクリスマスの頃に、水仙を見に行った帰りに立ち寄ってみましたが、しぼりたて新酒はまだ出荷前で手に入れることができませんでした。年が明けた一月であれば間違いなく入手できると思い、バイクで房総中央部の久留里を目指しました。

国道410号(久留里街道)沿いにある須藤本家

国道410号(久留里街道)を南に向かって走っていくと、久留里市街に入る前に右手に「天乃原」の看板が出ています。

久留里街道沿いに蔵を構える須藤本家

瓦屋根の立派な母屋や酒蔵が街道沿いに建っていますので、すぐにわかります。まだ緑色が残っている杉玉がつるされていて、新酒が出てから日の浅いことを告げています。

いい雰囲気の須藤本家店舗入り口

敷地内には仕込み水に使用している久留里の名水が湧きだしていて、誰でも飲めるようになっていました。少し甘みを感じる柔らかい味がします。

仕込み水に使っている久留里の名水、寒さのため周りは凍っている

店舗の横に建っている蔵の方は誰でも自由に見学できるようになっていました。中に入ると自動的に照明が点灯するようになっていて、順路や解説が掲げられています。

蔵の中は自由に見学できるようになっている

年末のしぼりたて生酒の出荷が一段落した時期らしく、人の気配はありませんでしたが、次の仕込みのためにコメを蒸す大きな釜から蒸気が盛んに上がっていました。

大きな釜でコメを蒸していた

買い求めたのは「天乃原」本醸造原酒しぼりたて生酒。アルコール度数が19度以上もある原酒です。

「天乃原」本醸造原酒しぼりたて生酒

日本酒の出荷量は年々減少


 蔵のご主人と会話していると、日本酒が売れなくなったとぼやいていました。特に若者が酒を飲まなくなってしまったと。全く同感です。国税庁が毎年発行している「酒のしおり」にも衝撃的なグラフが載っています。平成8年のピーク時に比べ、13%以上も消費量が落ち込んでいます。

酒類販売(消費)数量の推移 出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

酒類全体の消費量が落ち込んでいる中で、日本酒(清酒)の比率は下がる一方です。確かにこれではたまらんですね。

各酒類の販売(消費)数量構成比率の推移 出典:国税庁「酒のしおり」平成28年3月版

房総の酒蔵をバイクで巡るようになって足掛け三年、私個人としては日本酒の消費量が格段に増えました。冷蔵庫に買い置きしているビールがなかなか減らないくらいです。夏場の風呂上がりでも、最近は冷えた吟醸酒を飲むことも多くなりました。地元の酒に興味津々のこんな暇人が増えてくれば、千葉の酒ももっと売れるようになるのでは、などと考えながら買ってきたしぼりたて生酒を冷で楽しみました。19度以上もあるためすぐに酔いが回りますが、やっぱり新酒は旨〜い!



房総酒蔵バイクツーリングのインデックスはこちら


房総酒蔵マップ
千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。