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2016年12月1日木曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 今秋飲んだ千葉のひやおろしを棚卸し


 9月9日に解禁された千葉のひやおろし。約三ヶ月が経ち、そろそろ蔵の在庫もなくなりつつあるようです。さらに、秋に仕込んだしぼりたて新酒の出荷も始まり、ひやおろしは終了の時期になりました。昨年飲みそびれたこともあり、今年は9月の出荷開始から精力的に各蔵元をバイクで巡り、ひやおろし(秋あがり)を手に入れてきました。三ヶ月弱の期間で14の蔵元を訪問し、15銘柄をゲットです。この先しぼりたて新酒に夢中になる前に、今秋楽しませてもらった千葉のひやおろし(秋あがり)を棚卸ししておきたいと思います。

とても全部は回りきれない千葉のひやおろし巡り

ひやおろし出荷の有無や時期についての情報を得てから蔵元に出かけないと無駄足になりかねません。しっかりとしたホームページを持ち、情報をアップデートしている蔵は問題ありませんが、ホームページを持っていない規模の小さな蔵元もたくさんあります。千葉県酒造組合がやっている地酒ショップの新入荷情報を頼りにして、訪問する酒蔵と銘柄を決めてから出かけました。この地酒ショップでも取り扱いがないような銘柄の場合は、残念ながら今回のひやおろし選びから漏れています。小規模な蔵の出荷情報をいかにタイムリーに収集するかが今後の課題です。


同じひやおろしでもこんなに味わいが違う


 春先にしぼられた酒を火入れしてからタンクに貯蔵し、ひと夏じっくりと熟成させてから、涼しくなってきた秋に二度目の火入れをせずに出荷するのが「ひやおろし」の定義です。蔵によっては「秋あがり」とも呼ばれていますが、この「秋あがり」の中には一回目の火入れも省いて低温生貯蔵で秋まで熟成した酒もありますので、厳密に言えば「ひやおろし」ではありません。旭鶴の特別本醸造原酒生酒「秋あがり」はまさにその酒でした。純米や吟醸などの一般的な日本酒区分以外に、タンク貯蔵前の火入れの有無やしぼった酒に加水調整をしているかどうかなどの違いが加わり、同じひやおろし(秋あがり)でも実にたくさんのバリエーションがあります。

飲んだ千葉のひやおろし(秋あがり)を原材料・精米歩合で区分

半年ほど蔵のタンク内で熟成された酒です。新酒の頃の荒々しさが取れ、丸みを帯びた味わいになっていますが、その酒本来の個性は熟成後も健在のようです。吟醸は本来の香りの豊かさを保ったまま、よりまろやかになっています。さっぱりとした口当たりの純米酒は、奥行きが出てきたように感じます。原酒をそのまま熟成させたものは、他の酒に比べて2〜3度もアルコール度数が高いのですが、新酒の時期のような刺激は影を潜めています。

ひと夏の熟成でいい色合いになったひやおろし

香りの高い吟醸やアルコール度数の高い原酒は冷やが合っているようです。氷で冷やしながら楽しめるガラス製の酒器は手放せない一品となっています。グイグイ飲める冷やですが、原酒だとアルコール度数が19度近くもありますので飲み過ぎには要注意。お酒の途中で水を飲む「和らぎ水」も二日酔いを避けるのには効果がありそうです。

吟醸や純米原酒などは氷で冷やしながら飲むと格別

純米や特別本醸造のひやおろしは、室温でもいけますし燗酒もたまりません。特にバイクで体の芯から冷えてしまった時には、燗酒を一口飲めば生き返ります。あまり熱くせず、ぬる燗から上燗が味も香りも楽しめるひやおろしの飲み方のようです。酒を燗する際には電子レンジでチンではなく、温度や香りを確認しながら燗できる湯煎がオススメです。

湯煎であれば燗をつけている最中から香りが楽しめる

千葉にある14の蔵元の15銘柄のひやおろし(秋あがり)はどれも個性豊かで甲乙つけがたい旨さでした。あまりの美味しさにいくつかの銘柄は追加購入しましたので、飲んだひやおろし(秋あがり)は合計18本ほどになりました。約三ヶ月(12週)の間に18本も飲むとは、我ながら呆れたもんです。


2016年11月30日水曜日

房総酒蔵バイクツーリング これでやっと初しぼりと一緒ににごり酒も持ち帰れる


 そろそろ今年の秋に仕込まれた新酒が愉しめる時期になってきました。9月初めからひやおろしを求めて房総の酒蔵を巡りましたが、その際には必ずしぼりたて新酒の出荷時期を確認するようにしてきました。今年一月に偶然出会った、いすみ市大原にある木戸泉酒造の初しぼりの味に惚れ込み、つい最近のひやおろし入手まですでに何度も訪れている酒蔵です。今年は11月29日に初しぼりの出荷が始まると聞いていましたので、バイクを飛ばして買いに出かけました。

真新しい巨大な杉玉が架かっている木戸泉酒造入り口

木戸泉酒造の入り口には直径190センチもある、巨大な真新しい杉玉(酒林)が架かっていました。毎年新酒の時期に、酒好きのボランティアが集まって作っているそうです。入り口に「初しぼり」の看板があり、熊の置物が新酒の一升瓶を抱えています。


バイクで活性酒を持ち帰るのが夢だった


 初しぼりが出荷される時期には一緒ににごり酒も出てきます。この時期のにごり酒は酵母などの菌が生きたまま入っていて、瓶の中でも発酵が進んでいる活性酒です。二酸化炭素の生成が続いているため、瓶内の圧力を逃がすために穴あきのキャップで栓をしてあり、瓶を横にしないでくださいとの注意書きがあります。

活性のにごり酒は発酵が続いているため瓶を横にして持ち帰れない

バイクで酒蔵巡りをする際には、自分で作ったツーリングお土産トートバッグが活躍しています。一升瓶1〜2本をバイクのシートにしっかり固定することができ、今まで一度も割ったことはありません。タンデムシートで衝撃が吸収されるため、瓶にも優しいようです。

自作のツーリングお土産トートバッグ

このバッグ、構造上瓶を横にしないと固定できません。活性酒では厳禁の積み方になってしまいます。新酒の時期に、美味しそうな活性酒を見つけても今までは泣く泣く諦めていました。

 いろいろなバッグをバイクにしっかりと固定できるように、フレームに直に汎用バックルを取り付けてあります。今後の応用もできるようにと考えて、一箇所に二個のバックルを配置していましたので、これを活用してみました。

オスとメスの配置を考えて、一箇所に二個のバックルをフレームに固定

いつも使っているツーリングお土産トートバッグを設置した状態でも余る、片側のバックル二個で大型のウェストバッグ(Mountain SmithのDay Classic)を吊るし、ぐらつかないようにタンデムステップで固定してみました。このやり方はロングツーリングに向けて、大型バッグやウェストバッグを必要に応じてバイクに固定する方法を検討している時に発見したものです。

サイドに取り付けた大型のウェストバッグに一升瓶と四合瓶を入れてみた

一升瓶は少し飛び出しますが、四合瓶はすっぽりと収まりました。タンデムステップにバッグの下部を固定していますので、ぐらつくこともなく瓶二本が立ったままバイクに積載できました。

バックの下部をタンデムステップに固定

バイクのフレームに固定した25mm幅のベルトと大型の汎用バックルのお陰で、一升瓶と四合瓶が入ったバッグも不安なく固定できています。本来ならパニアケースを設置する場所なのでしょうが、一升瓶を縦に収納できるパニアはそう多くはありません。さらにパニアケースのような硬い箱では、瓶の保護を厳重にしないと割れてしまいますが、この方法では簡単な緩衝材に包んだだけで問題ありませんでした。


期待以上の積載性でこれからの活性酒探しが楽しみに


 新酒の時期に続々と出荷される活性酒や発泡性の日本酒。わざわざ車で出かけなくても、バイクツーリングのついでに買って帰れるとなると、さらにバイクでの酒蔵巡りが楽しくなります。バイクの横に取り付けたバッグの大きさから判断すれば、一升瓶三本くらいは立てた状態で持ち帰れそうです。

酵母が生きたままの活性酒をバイクで持ち帰れたことに乾杯

これからしばらくの間、各蔵元から続々と出荷される発泡性の新酒を遠慮なく持ち帰れることがわかり、帰宅後の杯が進みました。バイクツーリングと地元の酒蔵巡りと季節毎の美味しい地酒、これからもますます楽しめそうです。



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房総酒蔵マップ
千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。







2016年9月22日木曜日

房総酒蔵バイクツーリング むむ、旭鶴の秋あがりは本生原酒だった!


 9月に入り、バイクの初回車検も無事終了してからは千葉のひやおろし(秋あがり)探検を続けています。連続して上陸してくる台風のためばかりでなく、居座っている秋雨前線の影響でほぼ連日の雨。早朝やっと雨が上がった日に、佐倉市の旭鶴を久しぶりに訪ねました。9月1日から秋あがりの出荷を始めたとホームページに載っていて、早く行きたかったのですが、バイクの車検と連日の雨で延び延びになっていました。


サイクリングで見つけた裏道で渋滞知らず


 自宅から佐倉市郊外までは大した距離はありませんが、途中国道51号の渋滞にしばしば巻き込まれます。佐倉ICからも近く、東関東自動車道を使えばあっという間ですが、日本酒一本を買いに行くのに往復の高速料金1,200円は余りにももったいない。そんなわけで、高速道路も国道も使わず、サイクリングで見つけた裏道をバイクでのんびりと走りました。車では躊躇しそうな細い道も、バイクならなんとか走れます。

自転車で見つけたルートを使って旭鶴へ秋あがりの買い出し

今にも降り出しそうなどんよりとした空の下、一度も渋滞にはまらずに旭鶴までたどり着けました。普段楽しんでいる谷津道探検サイクリングがこんなところで役に立っています。

今にも降り出しそうな雲の下に旭鶴の蔵と煙突


蔵元でないと手に入れられない商品


 ここを訪問するのは今回が二度目です。昨年6月に訪れた際に購入した辛口純米酒が旨かったので、もう一度行ってみたいと思っていました。国道51号から少し奥に入った旧道?沿いにあるため、車もほとんど走っておらず静かです。バイクは店舗の前に停められます。

店舗前に数台分の駐車スペース

店舗内は旨そうな日本酒や焼酎、麹を使った調味料などが所狭しと並んでいます。ちょうど地元のおばちゃんが「熟成酒粕」を買いに来ていました。近所にこんな酒蔵があって羨ましい限りです。自宅近くではほとんどお目にかかれない商品が並んでいます。確実に手に入れるためには、やはり蔵元を訪問するしかなさそうです。

よだれの出そうな商品がずらり


本生の原酒だった旭鶴の秋あがり


 迷わず9月1日から発売されている秋あがりを一升購入しました。蔵のご主人が奥の冷蔵庫から商品を持ってきて、「生酒ですので要冷蔵です」とのこと。今まで手に入れた三本のひやおろしは全て常温保管可能でしたが、ここの秋あがりは少し違うようです。

旭鶴の秋あがり、なんと原酒生酒

一般のひやおろし(秋あがり)は搾った後、タンクで貯蔵する前に一回目の火入れを行い、瓶詰め前の二回目の火入れを省いて出荷されますが、これは一回目も省き冷温貯蔵された本生酒でした。しかも加水していない原酒です。なるほど、これは要冷蔵ですね。

熟成前後の火入れを行うかどうかで四つに分類

帰宅後、もちろん冷やで味わってみました。春先に散々楽しんだしぼりたて新酒の味わいも残っていますが、タンク内で熟成され荒々しさは取れています。原酒のため、他のひやおろしよりもまったりとした味わい。旨〜い! おでん鍋をつつきながら冷やして飲むのにぴったりな感じです。



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2016年9月20日火曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 旨い燗酒は湯煎に限る(?)


 台風がやってくるたびに少しずつ秋の気配が近づいてきます。冷やや常温で楽しんできた房総の地酒も、そろそろ燗が恋しいときも出てきました。9月9日のひやおろし解禁日を待って、バイクで買い求めてきた千葉のひやおろし(秋あがり)は三本になりました。

今秋最初に手に入れた千葉のひやおろし(秋あがり)

純米吟醸や純米酒を半年程蔵のタンクで寝かせた後、火入れせずに瓶詰めした酒ですので、冷やでも旨い酒ですが、その日の仕上げは燗酒がたまりません。バイクで房総の酒蔵巡りをするようになる前は、日本酒の燗はもっぱら電子レンジを使っていました。


お手軽だが温度管理の難しい電子レンジでの燗


 徳利に日本酒を満たして電子レンジでチンすれば、1〜2分で燗酒の出来上がりです。お手軽なため普通酒だろうが純米吟醸酒だろうが、日本酒の燗は全てこの方法でやっていました。電子レンジの特性上、徳利の細くなっている首の部分が、胴体の部分に比べて早く熱くなります。胴の部分がちょうど良い温度になるまで熱すると、首の部分は熱過ぎて持てなくなるばかりか、沸騰していることもあります。最初の一〜二杯は熱過ぎるのに、その後はぬるいなんてことも度々ありました。

お手軽だが、均一に温めることが難しい電子レンジ

これを避けるには、首の部分に電子レンジのマイクロ波が当たらないようにアルミホイルを巻きつければいいそうですが、やったことがありません。そもそもお手軽さが命の電子レンジなのに、いちいちアルミホイルを巻きつける気も起こりませんでした。

こうすれば電子レンジでも均一に温まる(らしい)


日本酒はいろいろな温度で楽しむ酒


 日本酒はその種類やその日の気候、果ては気分によって燗する温度を変えて飲むのが正しい飲み方です。香りも楽しめる吟醸酒を燗する場合は、香りが飛んでしまわないようにぬる燗が最適ですし、冬の寒い日に本醸造酒を楽しむならあつ燗が旨いと感じるでしょう。

日本酒を楽しむ適温

純米の秋あがりを燗するのであれば、ぬる燗から上燗(40〜45℃)がベストだと信じていますが、これを電子レンジで実現するのはかなり困難な作業になります。スイッチを入れてからこまめに温度をチェックするわけにもいきませんし、徳利から立ち上る湯気や香りを感じることもできません。今までは電子レンジのタイマー時間のみを頼りに日本酒を燗していました。


せっかく手に入れたひやおろしを一番美味しく燗したい


 バイクで自ら酒蔵を訪問し、蔵の人に話を聞きながら買い求めてきた房総の地酒です。飲み方も目一杯気を遣って楽しもうと考え、湯煎で燗をしてみました。ヤカンにお湯を沸かし、沸騰したら火を止めて酒を入れた徳利を浸けるだけです。湯の量は胴体の半分くらい浸かっていれば大丈夫。下から温まって行きますので、熱くなりやすい首の部分もじっくり温まります。熱湯に入れてから1〜2分で徳利から湯気が上がり始め、日本酒のいい香りが漂い始めます。首の部分を触って、少し暑いかなと感じるくらいで大丈夫。徳利を取り出して布巾で水気を拭きながら、胴体部分がしっかり温まっていることを確認します。

湯煎もやってみれば結構簡単

実際に何度かやってみると、ヤカンにお湯を沸かして火を止めてから2分程度で燗は出来上がりです。電子レンジと時間も手間もさほど変わりません。やかんのお湯はおかわりのためにそのままとっておけば、次は早く出来上がります。

 何より燗している最中に、立ち上る香りや湯気を直接確認できます。純米吟醸酒などでは香りが出始めたら、それでヤカンから徳利を取り出せばちょうど良いぬる燗の出来上がり。電子レンジではできないきめ細やかな燗付け作業が可能になります。

ただ温めればいいわけではない日本酒の燗

まるで温泉に浸かって気持ちよくなった日本酒をいただいているようで、飲んでいるこちらまでホッコリしてきます。電子レンジでチンも手軽ですが、それほど手間も変わらず、それでいて日本酒も喜んでくれている(ような)湯煎で楽しむ燗酒。日本人としての喜びを感じる瞬間です。

日本人として喜びを感じる場面



ハイテク?機器で熱燗の温度を測定


 湯煎で希望の温度に燗するのには多少の経験が必要でした。燗酒の飲み頃温度を知るために手持ちの温度計を試してみました。直接酒の中にセンサーを入れて正確に計測できる熱電対型電子温度計や、離れた場所から非接触で内部の温度を計れる赤外線放射型温度計を使って燗酒の温度を測定してみました。かなり正確に温度が測定できましたが、やはり手で触って一発で燗の具合がわかるようになりたいものです。

(2016年12月19日追記)


2016年9月18日日曜日

房総酒蔵バイクツーリング ふっふ、遅ればせながら千葉のひやおろし三本をゲットだぜ


 昨年は出荷時期を知らずに飲みそびれた房総のひやおろし。今年は9月9日が解禁日であることは調査済みでしたが、続けざまにやってくる台風の影響で雨続き。さらに運の悪いことにバイクの初回車検が重なり、先日やっと蔵元へ買い出しに行けました。久しぶりに雨の心配がない土曜日、数日後には次の台風襲来が予報されていますので、このタイミングを逃すわけにはいきません。


まずはいすみ市の木戸泉酒造へ


 今年1月に木戸泉酒造のしぼりたて新酒を飲んでから、すっかりファンになってしまい、その後も度々訪れている蔵元です。何度も行っているのですから営業日くらい覚えておけばいいのですが、なんと土日は休みでした。ガーン!

門が閉まっていた木戸泉酒造

閉じられた門の横に秋あがり(ひやおろし)の看板が立てられていて、よりショックが大きくなります。入口の熊の置物が抱えているその酒が欲しいのですが....
 気を取り直して近所の酒屋を探してみました。蔵元は休みでも酒屋は開いているはずです。駅の近くの酒屋に入ってみましたが、季節限定品の秋あがりは在庫なしとのこと。残念。

木戸泉酒造近くの酒屋には在庫なし

諦めて次の酒蔵を目指して国道128号を南下し始めた途端、大きな酒屋の看板が目に飛び込んできました。木戸泉の文字も見えます。これは期待できそうです。バイクを停め店内を覗くと、ありました(^_^)/ 無事探していた秋あがり一本目をゲットです。

国道128号沿いの酒屋で無事木戸泉の秋あがりをゲット

旨い日本酒をバイクで持ち帰りたいという一心で自作したツーリングお土産トートバッグなら、一升瓶を二本まで安全に持ち帰れます。さてもう一本はどこのひやおろしにしようかと近くの酒蔵を思い返してみました。


メキシコ記念塔を見てから御宿の岩瀬酒造へ


 10キロほど南に走れば月の沙漠で有名な御宿町です。3月にここの岩瀬酒造を訪ねて岩の井しぼりたて生を手に入れたのがずいぶん前のことのように感じられます。前回訪問し忘れたメキシコ記念塔を見てから酒蔵を目指すことにしました。

月の沙漠で有名な御宿町、実はメキシコ・スペインと深いつながりが

メキシコに向かう途中、御宿沖で難破したスペイン船サン・フランシスコ号の乗組員を助けたことで生まれたメキシコ・スペイン両国とのつながりを記念して建てられたのがメキシコ記念塔です。

感動的な史実に基づくメキシコ・スペインとの交流

記念塔は海沿いの高台に建っていて、御宿の浜を一望できます。東に目をやると、大きな船が浮かんだ広大な太平洋が続いていて、地球が丸いことを実感できる場所です。

メキシコ記念塔のある高台からの眺望は抜群

国道128号を挟んで海とは反対側の御宿駅近くに岩瀬酒造はあります。週末ですので開いているかどうか心配でしたが、蔵のご主人が酒蔵見学の案内をしている最中でした。週末は一人で対応しているとのことで、途中で抜け出してきてお酒を販売してくれました。これで二本目のひやおろしをゲットです。

古い藁葺き屋根の母屋が建っている岩瀬酒造

蔵の敷地内に藁葺き屋根の大きな母屋が建っています。難破したサン・フランシスコ号の帆柱が梁として使われているそうで、すごい歴史を持った建物です。

 写真家でもあった先代の主人が戦前から撮影し続けた地元の海女の写真も公開されていて、この日も見学に来たグループと一緒になりました。旨い地酒を手に入れるだけではなく、歴史や文化も体験できる房総の酒蔵、ただ者ではありませんね。


車検の終わった日には飯沼本家で秋あがりを入手


 外房でひやおろしを二本手に入れる前には、バイクが車検から戻ってきた日に試走も兼ねて飯沼本家の直販店(酒々井まがり家)を訪れ、秋あがりを手に入れていました。

酒々井まがり屋で秋あがりをゲット

昨年は飲みそびれてしまった千葉のひやおろし。今年は遅ればせながらすでに三本もゲットしてホクホク顔です。半年近く蔵で熟成された日本酒、冷やから燗まで楽しみ方もいろいろ。さて、今宵のお相手は....



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2016年8月25日木曜日

房総酒蔵バイクツーリング番外編 待ちきれないひやおろしの解禁日


 しぼりたて新酒の時期も過ぎ、夏吟醸の出荷の盛りを過ぎた今はすっかり酒蔵巡りからも足が遠のいています。最後に房総の酒蔵をバイクで訪問したのは六月の鍋店です。夏の吟醸酒と純米吟醸酒の二升を買って帰ったのが房総の地酒の最後でした。しばらく日本酒を飲んでいませんでしたが、気づけば八月も終わろうとしています。九月に入ればそろそろひやおろしの季節到来です。


「ひやおろし」って何?


 春に搾られた酒を火入れして、一夏を酒蔵のタンクの中で貯蔵することで新酒の荒々しさが取れ、熟成された味になります。気温の下がってきた秋に、この熟成された酒を火入れしないで瓶詰めされた酒がひやおろしです。普通の日本酒は瓶詰め前に二度目の火入れを行い保存性を高めますが、ひやおろしは一夏をかけて熟成された味をそのまま楽しむために敢えて二度目の火入れは行いません。最近では低温貯蔵の技術が進んで、一回目の火入れも省いた生貯蔵酒というのもあります。日本酒はややこしいですね。

瓶詰め前の二度目の火入れを行わない「ひやおろし」

 ひやおろしに解禁日があるなんて全く知りませんでした。今年は9月9日(重陽の節句)のようです。昨年は10月の終わり頃にノコノコと蔵に行ったが手に入れられないという悔しい思いをしましたので、今年は9月9日になったら速攻で手に入れたいと思います。
 調べてみると、バラバラだった各蔵からのひやおろしの出荷時期を解禁日という形で合わせようとしているようです。すでに出荷を始めている蔵もありますが、千葉県酒造組合の直販ショップでも9月9日から販売開始となっていました。何しろタンク内でじっくり熟成させる酒ですから、飲ん兵衛の立場からするとあまり早く出すのは意味がないと思うのですが、商売上は他社を出し抜く必要があるのかもしれません。とにかく9月9日からまた房総の酒蔵巡りが忙しくなりそうです。

新米の収穫から始まる日本酒の四季

 毎年秋の酒米の収穫から始まり、冬に仕込まれた酒が春先に搾りたての新酒として出荷されます。早い蔵では米の収穫が終わった9月頃から仕込みを始めるため、11月に新酒祭りが開催される蔵もあるくらいです。とにかく春先の少し荒々しいけど、ピチピチとした出来立ての日本酒は最高です。麹と酵母の命の力を感じられると言ったら笑われるかもしれませんが、自然の力だけを利用して作り上げた、人類の英知の結集である醸造酒の出来立ての味です。毎年感動してメロメロになっています(単に酔っ払っただけかも)。搾ったまんま、火入れも加水もしていない生の酒を楽しめるのもこの時期ならではです。濃厚な味の中に微炭酸の刺激が加わり、何杯でも行けてしまうやばい酒です。

 春のしぼりたて新酒が一段落すると、低温で時間をかけて醸造された吟醸酒が出てきます。いち早く出回る夏吟醸もたまらない味わい。暑い時期に冷房を効かせた部屋で、冷えた夏吟醸を飲んだらもう極楽です。

 その後、酒たちにとっては静かな眠りの時期を迎えます。一度火入れされた日本酒は、涼しい蔵の中のタンクで一夏じっくりと熟成されます。搾りたての頃にあった荒々しさや炭酸成分などがなくなり、まろやかな日本酒に成長して行きます。ちょうど今の時期は大好きな酒たちは静かに眠っていますので、飲ん兵衛には我慢の時期です。

 夏も終わりに近づき気温も下がってきます。適度に熟成が進んだ日本酒を火入れせずに瓶詰めしたものが「ひやおろし」です。蔵によっては「秋あがり」という名前でも呼ばれますが、この時期は同じものです。普通の日本酒は瓶詰め前に火入れしてその後の保存期間を延ばしますが、ひやおろしはタンク内で進んだ熟成の味や香りをそのまま残すために火入れせずに出荷します。タンクでの熟成期間が伸びればそれだけ味も変わってきますので、ひやおろしも出荷時期によってさらに細かく区別されています。
  • 9月瓶詰め夏越し酒
  • 10月瓶詰め秋出し一番酒
  • 11月瓶詰め晩秋旨酒
どうです。こんな粋な名前を聞いているだけでヨダレが出てきそうでしょう。とにかく9月に入ったら毎月各蔵のひやおろし出荷情報をチェックする必要がありそうです。肝臓が持つかな....

 秋のひやおろしシーズンが終わると、年末年始に向けたお祝い用の酒や燗酒に合う本醸造酒などが中心になります。一夏じっくりと熟成された酒で、保存もききますので色々な銘柄を試すチャンスの時期でもあります。気の早い蔵はすでにこの時期には新酒の出荷を始めていますので、そういう意味ではコタツに入って紅白を見ながら熟成された一年酒から出来たばかりの新酒まで楽しめる最高の時期かもしれません。


そうはいっても「ひやおろし」解禁日まで待てない


 暑い日が続いていますので、日常的にビールやウィスキーの炭酸割りなどで喉を潤しています。しかし、夕立後の涼しい時などには日本酒が恋しくなる時も出てきました。9月9日以降は房総のひやおろしをガンガン試したいと思っていますが、それまで我慢できなくなり、デパ地下をうろついてきました。見つけたのは〆張鶴(しめはりづる)「雪」特別本醸造酒です。酒場で飲むときは、しぼりたて生や純米吟醸酒などの名前につられてしまいがちですが、本醸造酒や特別本醸造酒はその蔵の主義・主張が反映されているような気がしています。この〆張鶴もさっぱりとした辛口で飲みやすく、酒処新潟の有名な銘柄であることを主張しています。

〆張鶴「雪」特別本醸造酒

房総の地酒も旨いですが、やっぱり日本全国旨い酒はいっぱいありますね。そろそろ新潟進出も考えないといかんな.....


2016年6月9日木曜日

房総酒蔵バイクツーリング 梅雨の合間に夏吟醸を求めて神崎町の鍋店(なべだな)へ


 関東地方も梅雨に入り、すっきりとしない空模様の日が続いています。日中に雨の予報が出ていない日を狙って夏吟醸が出荷された神崎町の鍋店をバイクで訪ねました。初春のしぼりたて生原酒の出荷が一段落した頃に、磨き抜かれた原料米を低温でじっくりと時間をかけて醸した吟醸酒が各蔵から続々と出荷されます。ほとんどの酒が季節に合わせて夏吟醸と名付けられていますが、火入れされていない無濾過生の「不動」夏吟醸が今回のお目当です。いつもチェックしている千葉県酒造組合のホームページで、鍋店から「不動」夏吟醸シリーズの出荷を知りました。純米吟醸と純米大吟醸の二種がそれぞれ1,200本と1,400本(どちらも一升瓶)の限定販売ですので、急ぎ蔵元がある神崎町に向かいました。

梅雨の合間に神崎町の鍋店(なべだな)を訪問

前回鍋店を訪れたのはひやおろしの出荷が始まってしばらく経った昨年秋です。その時は蔵にひやおろしの在庫がなく、あきらめて別の酒を購入して帰ってきました。今回は出荷されたばかりの夏吟醸だったのですが、聞いてみるとやはり在庫がないとのこと。季節限定の商品はほとんどが販売店に出荷されて蔵には置かないことが多いそうです。販売店にはまだまだ在庫があるはずとのことで、一番近いお店を聞いたら同じ道沿いのわずか50メートルほど離れた酒屋さんを紹介してくれました。

鍋店のすぐ近くにある平甚酒店

訪ねた酒屋にはお目当の夏吟醸が冷蔵庫に並んでいます。「不動」無濾過生夏吟醸の純米大吟醸と純米吟醸の二本を購入し、いつもの「ツーリングお土産トートバッグ」でバイクにしっかりと固定して帰りました。

「不動」夏吟醸無濾過生の純米吟醸(左)と純米大吟醸(右)

鍋店には「仁勇」と「不動」の二つの主要銘柄があります。成田のお不動様から名付けられた「不動」は全て数量限定品で、不動特約店会加盟の全国100店舗のみでしか扱っていないそうです。確かに一般の酒屋ではなかなかお目にかかれません。実は成田山新勝寺のすぐ横に鍋店の直営店があります。新春の花見酒を買いに直営店を訪ねてみましたが、さすが人通りの多い成田山の店舗です。たくさんの新酒が店いっぱいに並んでいて、目移りしそうなほどでした。初めからこの直営店に行けばよさそうなものですが、成田山界隈の渋滞や駐車場などの心配もあり、蔵元で購入できればありがたいのですが不動は難しいようです。

 小さな蔵元が多い千葉の酒蔵ですが、この鍋店はその中では大手です。もう一つの「仁勇」は近所のスーパーにも置いてありますが、「不動」は見たことがありません。各商品が千数百本しか販売されない「不動」はやっぱり貴重なんですね。

 帰宅後に早速、純米吟醸の方から飲んでみました。生原酒ではありませんので、加水してアルコール度数を15度にしてあります。そのため春先にたくさん楽しんだ無濾過生原酒のトロッとした口当たりはなく、さっぱりとしてキリッとした口当たりです。少し拍子抜けしながらも、蒸し暑い真夏の夜に冷蔵庫できつめに冷やして飲んだら、風呂上りの汗もスーっと引いていきそうなそんな味がしました。



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2016年5月20日金曜日

房総酒蔵バイクツーリング 酒蔵が行うアウトレットセールで純米生原酒直汲み「甲子」をゲット


 アウトレットというと流通大手が有名どころの衣料品や宝飾品、スポーツ用品ブランドを集めて、在庫の豊富な商品を割安で販売するという商業上の形態を思い起こします。酒の格安販売店もアウトレットと称して特売品を販売しているようですが、日本酒の酒蔵自らがアウトレットセールスをやっているのは知りませんでした。

 房総の酒蔵の中でも大手に位置する飯沼本家の直営店酒々井まがり屋を訪れたところ、新酒の時期だけ楽しめる純米生原酒直汲み「甲子」をアウトレットセールしていました。通常価格に比べて一升瓶で千円近くも安い生原酒です。これは買うしかありません。

純米生原酒直汲み「甲子」

醪(もろみ)を絞って火入れも加水も行わずにすぐに瓶詰めされる直汲みは新酒の時期だけ楽しめる日本酒です。冷蔵保存が必要で、新鮮さが命ですので瓶詰めされてからそれほど長い間販売されるものではありません。早い時期に売り切るためのアウトレットセールだと思いますが、作りすぎたのでしょうか。キャップに記された製造日(瓶詰め日)も今年の4月になっていますので、一般に流通している日本酒としてみたらできたての部類に入ります。

 この酒蔵は佐倉の印旛沼からも近く、自転車やバイクで度々訪れている場所です。特に用事がなくても通りがかりに立ち寄れるので、覗いてみて珍しい酒が出ていたら買って帰るという楽しみ方ができます。

食事もでき、ギャラリーも併設している酒々井まがり屋

曲り家という建築様式の古民家を新潟から移築した店舗で、内部も趣があります。週末にはバスで観光客も訪れる地域の観光スポットになっています。

入り口に掲げられている曲り家の説明

毎年11月に開かれる酒々井新酒祭りでは広い駐車場が人で埋まるほどの賑わいを見せています。消防音楽隊の生演奏を聴きながら、できたての新酒を昼間から味わえる素晴らしいイベントでした。軒先に吊るされた真新しい杉玉(酒林)が新酒の搾り始めを知らせていました。

新酒が出来たことを知らせる青々とした杉玉(酒林)、昨年11月に撮影

夏向きの吟醸酒が出回るようになると、しぼりたて生原酒の季節もそろそろ終わりです。軒先の杉玉も日本酒の熟成具合を表すかのように茶色に変わっていました。

いい具合に茶色くなった杉玉

この時期に直汲みの生原酒を格安価格で入手できるなんてラッキーでした。トロリとしていながらすっきりとした味わいが楽しめる純米生原酒。いや〜実に旨い。これもぶらりと立ち寄れる酒蔵があるおかげです。房総酒蔵めぐり、やめられません。



勝手に「房総の地酒」を応援するTVコマーシャル風動画を作ってみました


個性ある房総の地酒の良さが少しでも伝われば幸いです。





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房総酒蔵マップ
千葉にある約40軒の蔵元を順に巡っています。青色の酒蔵マークをクリックすると該当する投稿記事にジャンプします。